一般皮膚科

蕁麻疹にステロイドは使う?効果・使い方・注意点をわかりやすく解説

😰「蕁麻疹が出た…ステロイド使えば治るの?」
そう思って調べているあなたへ。
実は、ステロイドは蕁麻疹の第一選択薬ではありません。
間違った使い方を続けると、副作用リスクが高まるだけでなく、症状が長引く原因にもなります。

💬 「この記事を読むと…」
✅ ステロイドをいつ使うべきか正しくわかる
✅ 抗ヒスタミン薬との違いが理解できる
受診のベストタイミングがわかる

🚨 読まないと起きること…
📌 ステロイドを自己判断で使い続け副作用が出る
📌 正しい治療を受けず慢性化してしまう
📌 アナフィラキシーなど緊急事態のサインを見逃す


目次

  1. 蕁麻疹とはどんな病気か
  2. 蕁麻疹の原因と種類
  3. 蕁麻疹の標準的な治療方針
  4. ステロイドとはどんな薬か
  5. 蕁麻疹にステロイドが使われる場面
  6. ステロイドの使い方と種類(内服・注射・塗り薬)
  7. ステロイドの副作用と注意点
  8. ステロイドを使うべきでないケース
  9. 抗ヒスタミン薬との違いと使い分け
  10. 慢性蕁麻疹の治療とステロイドの位置づけ
  11. 蕁麻疹が起きたときの対処法と受診のタイミング
  12. まとめ

この記事のポイント

蕁麻疹の第一選択薬は抗ヒスタミン薬であり、ステロイドはアナフィラキシーなど緊急時や重篤な急性症状への短期補助使用に限られる。慢性蕁麻疹へのステロイド長期使用はガイドラインで非推奨であり、当院でも抗ヒスタミン薬を中心とした適切な治療を提供している。

💡 蕁麻疹とはどんな病気か

蕁麻疹は、皮膚の一部が突然赤く盛り上がり(膨疹)、強いかゆみを伴う皮膚の症状です。英語では「urticaria(アーティカリア)」と呼ばれ、世界中で非常に多くの人が経験する一般的な皮膚疾患のひとつです。

膨疹の特徴のひとつは、出現してから数時間以内(多くは24時間以内)に跡を残さずに消えることです。ただし、消えてはまた別の場所に出るというパターンを繰り返すことが多く、患者さんにとっては非常につらい状態が続きます。

膨疹の大きさはさまざまで、数ミリ程度のものから手のひらほどの大きなものまであります。また、かゆみだけでなく、灼熱感(ヒリヒリした感じ)を伴うこともあります。さらに、皮膚の深い部分にまで腫れが広がる「血管性浮腫(クインケ浮腫)」を合併するケースもあり、この場合は唇や目の周り、のどが腫れることがあって注意が必要です。

蕁麻疹は発症してから6週間以内に治まるものを「急性蕁麻疹」、6週間以上続くものを「慢性蕁麻疹」と分類します。急性蕁麻疹は比較的治療への反応が良いことが多いですが、慢性蕁麻疹は原因が特定しにくく、治療が長期にわたることもあります。

Q. 蕁麻疹の治療でステロイドは第一選択薬ですか?

蕁麻疹の治療における第一選択薬は抗ヒスタミン薬であり、ステロイドではありません。日本皮膚科学会のガイドラインでも第二世代抗ヒスタミン薬が推奨されており、ステロイドはアナフィラキシーなど重篤な緊急状態や、抗ヒスタミン薬だけでは対応できない急性・重篤な症状への短期補助使用に限られます。

📌 蕁麻疹の原因と種類

蕁麻疹が起こるメカニズムは、皮膚の肥満細胞(マスト細胞)から「ヒスタミン」などの化学伝達物質が放出されることによります。このヒスタミンが血管を拡張させ、皮膚の赤みや膨疹、かゆみを引き起こします。

蕁麻疹の原因や誘因はさまざまです。食べ物(えび・かに・小麦・乳製品・ナッツ類など)、薬(抗生物質・解熱鎮痛薬・造影剤など)、感染症(風邪・ウイルス感染など)、ストレス、疲労、寒冷・温熱・圧迫・日光などの物理的刺激が引き金になることがあります。

また、蕁麻疹にはいくつかの種類があります。特発性蕁麻疹は原因が特定できないタイプで、慢性蕁麻疹の大部分を占めます。アレルギー性蕁麻疹は特定のアレルゲンに対するIgE抗体を介した反応で引き起こされます。物理性蕁麻疹は寒冷刺激・摩擦・圧迫・振動・日光・水などの物理的な刺激が原因です。コリン性蕁麻疹は発汗刺激(運動・入浴・緊張など)によって引き起こされる特殊なタイプです。接触蕁麻疹は皮膚が特定の物質に触れることで発症します。

このように蕁麻疹には多くの種類があり、原因も多岐にわたるため、治療の前にできるだけ原因を探ることが大切です。ただし、実際には詳しい検査を行っても原因が特定できないケースが半数以上あると言われています。

✨ 蕁麻疹の標準的な治療方針

蕁麻疹の治療において、現在の医学的ガイドラインでは抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)が第一選択薬とされています。日本皮膚科学会の「蕁麻疹診療ガイドライン」でも、まずは第二世代抗ヒスタミン薬を用いることが推奨されています。

抗ヒスタミン薬は、ヒスタミンが受容体に結合するのを阻害することで、かゆみや膨疹の症状を抑えます。効果が不十分な場合は、同じ薬を増量したり、別の抗ヒスタミン薬を組み合わせたりすることがあります。

抗ヒスタミン薬でも十分な効果が得られない難治性の慢性蕁麻疹に対しては、「オマリズマブ(ゾレア)」という生物学的製剤が使用されることがあります。これはIgEという免疫に関わる物質を標的とした注射薬で、抗ヒスタミン薬では対応できなかった症例でも高い効果が報告されています。

このように蕁麻疹の治療は段階的に行われるものであり、ステロイドは必ずしも最初に使うべき薬ではありません。では、ステロイドはどのような場面で登場するのでしょうか。

Q. 蕁麻疹にステロイドの塗り薬は効果がありますか?

通常の蕁麻疹に対して、ステロイドの塗り薬はあまり有効ではないとされています。蕁麻疹は皮膚の表面ではなく、より深い真皮の肥満細胞が引き起こす反応であるためです。ただし、蕁麻疹と湿疹・かぶれが混在しているケースでは、外用ステロイドが使用されることもあります。

🔍 ステロイドとはどんな薬か

「ステロイド」という言葉を聞くと、副作用が怖いというイメージを持つ方も少なくありません。しかし、ステロイドは医療の現場で幅広く使われている非常に重要な薬です。ここでは、ステロイドについて基本的なことを整理しておきましょう。

医療で使われるステロイドの正式名称は「副腎皮質ステロイド(コルチコステロイド)」です。私たちの体の副腎という臓器から自然に分泌されるホルモンと同じ構造・作用を持つ薬です。コルチゾールというホルモンを模倣したもので、炎症を抑えたり、免疫反応を調整したりする作用があります。

ステロイドは、その強力な抗炎症作用と免疫抑制作用から、アレルギー疾患・自己免疫疾患・炎症性疾患・リウマチなど、非常に多くの病気の治療に使われています。皮膚科領域では湿疹や皮膚炎に塗り薬(外用ステロイド)として使われることが多いのはよく知られていますが、内服薬や注射薬として全身に作用させる使い方もあります。

ステロイドは炎症を強力に抑える一方で、長期間・高用量で使い続けることによるさまざまな副作用が問題になることがあります。そのため、使用する際は適切な適応と用量・期間の管理が重要です。

💪 蕁麻疹にステロイドが使われる場面

繰り返しになりますが、蕁麻疹の治療においてステロイドは第一選択薬ではありません。では、どのような場面でステロイドが使われるのでしょうか。

最もステロイドが使われる代表的な場面はアナフィラキシーへの対応です。アナフィラキシーとは、強いアレルギー反応によって血圧低下・呼吸困難・意識障害などが起きる生命を脅かす緊急の状態です。アナフィラキシーではまずアドレナリン(エピネフリン)の投与が最優先されますが、その補助的な治療としてステロイドの静脈内注射が行われます。ただし、ステロイドの効果は投与後すぐには現れないため、あくまで補助的な役割です。

次に、蕁麻疹の症状が非常に重篤で、かつ抗ヒスタミン薬だけでは対応しきれない急性の強い症状のコントロールに対して、短期間のみステロイドが使用されることがあります。例えば、急激に全身に広がる激しい蕁麻疹や、血管性浮腫を伴う場合などです。

また、抗ヒスタミン薬を十分に使っても症状が著しく改善しない場合に、一時的にステロイドを短期追加することがあります。ただしこれも、あくまで短期的な使用にとどめるのが原則です。

一方、慢性蕁麻疹に対してステロイドを長期的に使用することは、現在のガイドラインでは推奨されていません。副作用のリスクが高まる一方で、根本的な解決にはならないためです。

🎯 ステロイドの使い方と種類(内服・注射・塗り薬)

蕁麻疹に関連してステロイドが使われる場合、その投与方法はいくつかあります。それぞれの特徴について説明します。

内服ステロイド(飲み薬)は、プレドニゾロンなどが代表的です。急性の強い蕁麻疹や血管性浮腫に対して、短期間(数日程度)に限って処方されることがあります。内服ステロイドは比較的早く体全体に作用し、炎症を広く抑えることができますが、長期服用は避けることが原則です。

注射ステロイドは、アナフィラキシーや重篤なアレルギー反応への緊急対応として、ヒドロコルチゾンやメチルプレドニゾロンなどが静脈内に投与されます。速やかに血中濃度を高めることができますが、即効性という点では内服薬とそれほど大きな差はないため、緊急時にはアドレナリン投与が優先されます。

外用ステロイド(塗り薬)は、通常の蕁麻疹に対してはあまり有効ではないとされています。なぜなら、蕁麻疹は皮膚の表面ではなく、より深い部分(真皮)の肥満細胞から引き起こされる反応だからです。ただし、蕁麻疹と湿疹・かぶれなどが混在しているケースでは、外用ステロイドが用いられることもあります。

なお、筋肉注射でのステロイド(デポ製剤など)はより長期間にわたって体内で作用し続けるため、蕁麻疹の治療での安易な使用は推奨されません。慢性蕁麻疹への長期的なステロイド使用は副作用リスクを考えると益よりも害が大きいとされています。

Q. 慢性蕁麻疹にステロイドを長期使用しても問題ないですか?

慢性蕁麻疹へのステロイド長期使用は、現在のガイドラインで推奨されていません。骨粗鬆症・感染症リスクの増加・副腎機能の低下といった副作用リスクが高く、根本的な治療にもならないためです。アイシークリニックでも抗ヒスタミン薬を中心とした治療を行い、難治性の場合は生物学的製剤オマリズマブを検討しています。

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💡 ステロイドの副作用と注意点

ステロイドの副作用については、使用期間や量によって大きく異なります。短期間・少量の使用であれば副作用は比較的少ないですが、長期間・高用量の使用では様々な問題が起こる可能性があります。

短期使用(数日程度)で起こりうる副作用としては、血糖値の上昇(特に糖尿病の方は要注意)、胃腸への刺激(胃痛・消化不良)、気分の高揚や睡眠障害、顔のほてり(紅潮)、むくみなどが挙げられます。これらは多くの場合、ステロイドをやめると改善します。

長期使用で問題になりやすい副作用としては、骨粗鬆症(骨がもろくなる)、免疫抑制による感染症リスクの増加、副腎皮質機能の低下(副腎が自前のステロイドホルモンを作る力が弱くなる)、体重増加・満月様顔貌(顔が丸くなる)、高血圧、白内障・緑内障、皮膚が薄くなる・傷が治りにくくなるなどがあります。

また、長期使用後に急に服用をやめると「離脱症状」として倦怠感・頭痛・筋肉痛・発熱・血圧低下などが起こることがあります。これはステロイドに体が慣れてしまい、副腎自体がホルモンを分泌しにくくなっているためです。そのため、ステロイドを長期使用した場合は医師の指示のもとで徐々に量を減らしていく(漸減・テーパリング)ことが必要です。

蕁麻疹の治療でステロイドを使う場合は、「必要最小限の量を最短の期間で」が原則です。副作用リスクを考えると、安易に長期使用することは避けなければなりません。

📌 ステロイドを使うべきでないケース

蕁麻疹の治療においてステロイドの使用が特に慎重であるべき状況があります。いくつか具体的に見ていきましょう。

慢性蕁麻疹の長期管理のためにステロイドを継続的に使用することは、現在のガイドラインでは推奨されていません。先ほど述べた通り、副作用リスクが高く、根本的な解決にもなりにくいためです。慢性蕁麻疹には抗ヒスタミン薬の継続、あるいはオマリズマブなどの生物学的製剤を用いることが適切とされています。

糖尿病がある方は、ステロイドが血糖値を急激に上昇させる可能性があるため、特に慎重な対応が必要です。使用する場合は血糖値の厳重なモニタリングが求められます。

感染症(細菌・ウイルス・真菌感染など)がある場合は、ステロイドの免疫抑制作用により感染が悪化する恐れがあります。感染症を原因とする蕁麻疹でステロイドを使用することは慎重を要します。

骨粗鬆症がある方、特に高齢者の女性では、ステロイドが骨密度をさらに低下させるリスクが高まります。胃潰瘍・十二指腸潰瘍がある方もステロイドにより消化器症状が悪化する可能性があります。

妊娠中の方においては、ステロイドの全身投与は胎児への影響を考慮して慎重に判断する必要があります。また、精神疾患(うつ病・躁病など)がある方では、ステロイドが気分の変動を引き起こすことがあるため注意が必要です。

このように、ステロイドはさまざまな既往症や状態によって使用に際して注意が必要な薬です。自己判断でステロイドを使用することは避け、必ず医師の診断と指示のもとで使用することが大切です。

✨ 抗ヒスタミン薬との違いと使い分け

蕁麻疹治療の主役である抗ヒスタミン薬と、補助的に用いられるステロイドの違いについて整理しておきましょう。

抗ヒスタミン薬は、蕁麻疹の直接的な原因であるヒスタミンの働きをブロックする薬です。蕁麻疹の症状を引き起こすヒスタミン受容体(H1受容体)への結合を阻害することで、かゆみ・膨疹・赤みを抑えます。第一世代の抗ヒスタミン薬(ジフェンヒドラミンなど)は眠気の副作用が強く、現在は副作用が少ない第二世代(セチリジン・フェキソフェナジン・ビラスチン・ルパタジンなど)が主に使われています。

抗ヒスタミン薬の最大の特徴は、蕁麻疹のメカニズムに直接作用するため、慢性蕁麻疹の長期管理にも安全に使用できる点です。副作用も比較的少なく(第二世代では眠気も少ない)、長期間服用しても重大な問題が起きにくい薬です。

一方、ステロイドはヒスタミンの放出そのものをある程度抑えたり、炎症反応全体を抑制したりすることで作用します。抗ヒスタミン薬よりも広い範囲で炎症を抑えることができますが、前述の通り副作用リスクがあるため長期使用には適しません。

つまり、蕁麻疹における両者の使い分けとしては、軽度から中等度の蕁麻疹では抗ヒスタミン薬で対応し、症状が重篤であったり抗ヒスタミン薬だけでは対応できない場合に短期的にステロイドを補助的に加えるというイメージになります。あくまでステロイドはサポート役であり、抗ヒスタミン薬がメインの治療薬です。

よく「ステロイドのほうが効く」と思われがちですが、蕁麻疹の治療においては抗ヒスタミン薬で十分な効果が得られることが多く、ステロイドに頼りすぎることは適切ではありません。

Q. 蕁麻疹でどんな症状が出たら救急受診が必要ですか?

のどの腫れ・息苦しさ・声のかすれが現れた場合は、アナフィラキシーの疑いがあるため直ちに救急車を呼ぶ必要があります。血圧低下や意識がもうろうとする場合も同様です。また、顔・唇・目の周りが大きく腫れる血管性浮腫が生じた場合も、のどへの影響が出る恐れがあるため速やかな受診が必要です。

🔍 慢性蕁麻疹の治療とステロイドの位置づけ

慢性蕁麻疹(症状が6週間以上続くもの)の治療は、急性蕁麻疹とは異なるアプローチが必要です。長期にわたって蕁麻疹をコントロールしながら日常生活の質を保つことが治療の目標となります。

慢性蕁麻疹の標準治療は、段階的(ステップアップ)な方法が採られます。まず第二世代抗ヒスタミン薬の通常量から始め、効果が不十分であれば増量します。それでも効果が得られない場合は、別の抗ヒスタミン薬の追加や変更を行います。さらに難治性の場合はオマリズマブ(生物学的製剤)の使用を検討します。

慢性蕁麻疹においてステロイドの長期使用を行うことは、現在のガイドラインでは「推奨しない」とされています。理由としては、長期間のステロイド使用による副作用リスク(骨粗鬆症・感染症リスクの増加・副腎機能抑制など)が大きく、かつ慢性蕁麻疹そのものを根本的に治す効果はないからです。症状を一時的に抑えることはできますが、ステロイドをやめると再発することが多く、長期的な解決策にはなりません。

一部の患者さんが「ステロイドをもらうと症状が落ち着くので、また処方してほしい」と求めるケースがあります。確かにステロイドは短期的には強力に症状を抑えますが、それを繰り返すことで副作用リスクが蓄積します。慢性蕁麻疹では、ステロイドに頼らない治療を継続することが長期的な健康のために重要です。

ただし、慢性蕁麻疹の管理中に特に重い症状(血管性浮腫が激しいなど)が一時的に起きた場合に、短期間のみステロイドを使用することはあります。あくまで「一時的・短期的」が原則です。

💪 蕁麻疹が起きたときの対処法と受診のタイミング

蕁麻疹が起きたとき、自宅でできる対処法と、医療機関を受診すべきタイミングについてお伝えします。

自宅での対処としては、まず原因となりそうなものを避けることが最初のステップです。食べたものや触れたもの、服用した薬など、思い当たる原因があれば除去します。かゆみがつらいときは、患部を冷やすことで一時的に症状を和らげることができます。熱いお風呂や激しい運動は血流を促進して症状を悪化させることがあるため、急性期は控えましょう。

市販の抗ヒスタミン薬(アレルギー薬・かゆみ止め)を服用することで、軽い蕁麻疹の症状を抑えられる場合があります。ただし、市販薬はあくまで一時的な対応であり、症状が繰り返す場合や改善しない場合は医師に相談することが大切です。

医療機関を受診すべきタイミングについては、以下のような状況では早めに(場合によっては救急で)受診することをおすすめします。

まず、のどの腫れ・息苦しさ・声のかすれが生じている場合は緊急サインです。これはアナフィラキシーの可能性があり、すぐに救急車を呼んで対応する必要があります。血圧低下や意識がもうろうとする場合も同様に緊急です。

次に、顔や唇・目の周りが大きく腫れる場合(血管性浮腫)は、のどへの影響が出ることがあるため、速やかな医療機関の受診が必要です。症状が全身に急速に広がる場合も早めの受診を検討してください。

症状が数日以上続く場合や、繰り返し蕁麻疹が起きている場合は、慢性化を防ぐためにも皮膚科やアレルギー科を受診することをおすすめします。蕁麻疹の原因を調べたり、適切な治療薬を処方してもらったりすることで、生活の質を大きく改善できることがあります。

また、「蕁麻疹かな」と思っても、実は別の皮膚疾患(多形性紅斑・虫刺され・接触皮膚炎など)である場合もあります。自己判断せずに専門医に見てもらうことが安心です。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、「蕁麻疹にはステロイドが一番効く」というイメージをお持ちで受診される患者さんが少なくありませんが、実際には抗ヒスタミン薬で十分にコントロールできるケースが大半です。ステロイドはアナフィラキシーなど緊急性の高い場面や、抗ヒスタミン薬だけでは対応しきれない重篤な症状に対して短期的に用いる薬であり、慢性蕁麻疹への長期使用は副作用の観点からもお勧めできません。蕁麻疹が繰り返す・なかなか治まらないとお感じの方は、自己判断でステロイドに頼らず、ぜひ一度ご相談ください。症状や原因に合わせた適切な治療で、多くの方が日常生活の質を取り戻されています。」

🎯 よくある質問

蕁麻疹の治療にステロイドは必要ですか?

蕁麻疹の治療において、ステロイドは第一選択薬ではありません。まず抗ヒスタミン薬で対応するのが標準的な治療方針です。ステロイドが使われるのは、アナフィラキシーなど重篤な緊急状態や、抗ヒスタミン薬だけでは対応しきれない急性・重篤な症状に対して、短期間・補助的に用いる場合に限られます。

蕁麻疹にステロイドの塗り薬は効きますか?

通常の蕁麻疹に対して、ステロイドの塗り薬はあまり有効ではないとされています。蕁麻疹は皮膚の表面ではなく、より深い部分(真皮)の肥満細胞から引き起こされる反応のためです。ただし、蕁麻疹と湿疹・かぶれなどが混在しているケースでは、外用ステロイドが用いられることもあります。

慢性蕁麻疹にステロイドを長期使用しても大丈夫ですか?

慢性蕁麻疹へのステロイド長期使用は、現在のガイドラインでは推奨されていません。骨粗鬆症・感染症リスクの増加・副腎機能抑制などの副作用リスクが高く、根本的な治療にもならないためです。慢性蕁麻疹には抗ヒスタミン薬を中心とした治療が適切で、難治性の場合は生物学的製剤(オマリズマブ)を検討します。

ステロイドの副作用にはどんなものがありますか?

短期使用では血糖値の上昇・胃腸への刺激・睡眠障害・むくみなどが起こることがありますが、多くは服用をやめると改善します。長期使用では骨粗鬆症・免疫低下による感染症リスクの増加・体重増加・高血圧・副腎機能の低下などが問題になります。蕁麻疹の治療では「必要最小限の量を最短期間で」が原則です。

蕁麻疹でどんな症状があったら救急受診すべきですか?

のどの腫れ・息苦しさ・声のかすれが現れた場合は、アナフィラキシーの可能性があるためすぐに救急車を呼んでください。血圧低下や意識がもうろうとする場合も同様です。顔・唇・目の周りが大きく腫れる血管性浮腫も速やかな受診が必要です。当院でも蕁麻疹の診療を行っておりますので、軽症でも繰り返す場合はお気軽にご相談ください。

💡 まとめ

蕁麻疹とステロイドの関係について、詳しく解説してきました。最後に重要なポイントを整理します。

蕁麻疹の治療における第一選択薬は抗ヒスタミン薬であり、ステロイドは第一選択薬ではありません。ステロイドが使われるのは、アナフィラキシーのような重篤な緊急状態や、抗ヒスタミン薬だけでは対応できない急性・重篤な症状に対して、短期間・補助的に使用される場合です。

慢性蕁麻疹に対してステロイドを長期的に使用することは、副作用のリスクが高く、現在のガイドラインでも推奨されていません。慢性蕁麻疹は抗ヒスタミン薬を中心とした治療で管理し、難治性の場合は生物学的製剤(オマリズマブ)などを検討します。

ステロイドは確かに強力な抗炎症薬ですが、万能ではなく、使い方を誤れば副作用のリスクも大きい薬です。蕁麻疹に悩んでいる方は、自己判断でステロイドを使用しようとするのではなく、まず皮膚科やアレルギー科などの専門医に相談することをおすすめします。

蕁麻疹の症状が続いていたり、繰り返したりしている方は、アイシークリニック渋谷院にお気軽にご相談ください。症状の程度や原因に合わせた適切な治療法をご提案します。のどの腫れや息苦しさなどの緊急症状がある場合は、すぐに救急対応の医療機関を受診してください。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – 蕁麻疹診療ガイドラインにおける、抗ヒスタミン薬を第一選択とする標準的治療方針、ステロイドの位置づけ、慢性蕁麻疹へのステロイド長期使用非推奨に関する根拠
  • 厚生労働省 – ステロイド(副腎皮質ステロイド)の適正使用・副作用リスク(骨粗鬆症・免疫抑制・副腎機能低下など)および医薬品の安全性情報に関する公式情報
  • PubMed – 蕁麻疹に対するステロイドと抗ヒスタミン薬の有効性比較、アナフィラキシーへのステロイド補助的使用、オマリズマブの難治性慢性蕁麻疹への効果に関する国際的な臨床研究・エビデンス

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
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