「まだ寒いから日焼け止めは必要ない」と思っていませんか?実は春は、多くの人が気づかないうちに紫外線ダメージを受けやすい季節です。気温が低くても紫外線の量は着実に増え始め、冬と比べると明らかな差があります。この記事では、春の紫外線量が冬とどう違うのか、そしてなぜ春から紫外線対策が必要なのかをわかりやすく解説します。肌の老化や色素沈着を防ぐために、正しい知識を身につけておきましょう。
目次
- 紫外線とは何か?種類と肌への影響
- 紫外線量は季節によってどう変わるのか
- 春の紫外線量は冬と比べてどのくらい多いのか
- 春に紫外線が増える理由
- 春特有の紫外線リスクとは
- 紫外線が肌に与えるダメージの種類
- 春から始めるべき紫外線対策の基本
- 日焼け止めの正しい選び方と使い方
- 紫外線対策を怠った場合に起こりうる肌トラブル
- まとめ
この記事のポイント
春の紫外線量は冬の1.5〜2.5倍に達し、4〜5月のUVインデックスは「高い」レベルに達する。気温と紫外線量は連動せず、3月から日焼け止め・日傘・帽子などの対策を習慣化することで、しみ・光老化・皮膚がんリスクを効果的に予防できる。
🎯 紫外線とは何か?種類と肌への影響
紫外線(UV:Ultraviolet)とは、太陽から降り注ぐ電磁波の一種で、人の目では見ることができない光です。可視光線よりも波長が短く、エネルギーが高いため、皮膚や眼に対してさまざまな影響を及ぼします。紫外線には主に3種類があり、それぞれ特性が異なります。
まず、UV-Aと呼ばれる紫外線は、波長が320〜400nmと比較的長く、大気中でほとんど吸収されることなく地表に届きます。肌の奥深くにある真皮層まで到達し、コラーゲンやエラスチンを破壊することで、しわやたるみなどのいわゆる「光老化」を引き起こします。エネルギー自体はUV-Bより弱いものの、一年を通じてほぼ一定量が降り注ぐため、知らず知らずのうちに蓄積されるダメージが問題になります。
次に、UV-Bは波長が280〜320nmと短く、大気に一部吸収されますが、地表に届いた際の肌へのダメージは大きいです。肌の表皮層に作用し、日焼け(サンバーン)やメラニン生成を促進します。短時間でも強い刺激になるため、赤みや炎症を引き起こすことがあります。また、DNA損傷を起こしやすく、皮膚がんのリスクとも関係していることが指摘されています。
最後に、UV-Cは最も波長が短く(100〜280nm)、エネルギーが非常に高い紫外線ですが、大気のオゾン層によってほぼ完全に吸収されるため、通常は地表に届きません。ただし、オゾン層の破壊が進む状況では問題になる可能性があるとされています。
私たちの日常生活で特に対策が必要なのは、UV-AとUV-Bの2種類です。この2種類の紫外線の強さや量が、季節によってどのように変化するのかを理解することが、正しい紫外線対策への第一歩となります。
Q. 春と冬で紫外線量にどれくらい差がありますか?
日本では1月と比較して3月は約1.5〜2倍、4月は約2〜2.5倍の紫外線量になります。東京の正午のUVインデックスは1月が2〜3程度なのに対し、4月には6〜7に達し、「高い」レベルに分類されます。気温が低くても紫外線は確実に増加しています。
📋 紫外線量は季節によってどう変わるのか
紫外線の量は、一年を通じて大きく変動します。日本における紫外線量の年間変化を見ると、最も多い時期は7月から8月にかけての夏で、最も少ない時期は12月から1月にかけての冬です。ただし、この変化は単純ではなく、UV-AとUV-Bではその変動パターンが異なります。
環境省の調査データによると、UV-Bの量は夏に集中しており、冬との差は非常に大きいです。一方、UV-Aは夏に多いことは変わりませんが、冬でも一定量が地表に届くため、年間を通じた変動幅はUV-Bほど大きくありません。つまり、「冬だから紫外線は少ない」というイメージはUV-Bに関しては正しい面があるものの、UV-Aについては年間を通じて注意が必要だということです。
また、紫外線量を左右する要因は季節だけではありません。時間帯、天気、雲の量、標高、緯度、地表の反射率なども大きく影響します。晴れた日はもちろん、曇りの日でも紫外線は地表に届きます。薄曇り程度であれば晴天時の8割程度の紫外線が届くとも言われています。また、雪や砂浜では紫外線が反射され、直接浴びるよりも多くのダメージを受ける場合があります。
一日の中での変化でいえば、紫外線が最も強くなるのは10時から14時の間です。この時間帯は太陽の高度が高くなるため、紫外線が大気を通過する距離が短くなり、減衰しにくくなります。朝夕は太陽が低い位置にあるため、比較的紫外線が弱くなります。
💊 春の紫外線量は冬と比べてどのくらい多いのか
では、具体的に春の紫外線量は冬と比べてどのくらい違うのでしょうか。気象庁や環境省が公表しているデータをもとに考えてみましょう。
日本における紫外線量の月別推移を見ると、1月を基準にした場合、3月はおよそ1.5〜2倍程度の紫外線量になります。4月になるとさらに増加し、冬の約2〜2.5倍に達することもあります。5月はほぼ夏に近いレベルまで上昇し、場所によっては真夏の紫外線量と大差ないほどになります。
特に注目すべきは、UV-Bの増加です。UV-Bは太陽の高度角に強く依存するため、春分の日前後から急激に増加します。3月下旬から4月にかけての増加幅は非常に大きく、この時期に気温だけを基準に紫外線対策を判断すると大きなリスクがあります。
実際の数値で見ると、環境省が公表しているUVインデックス(UVI)のデータでは、東京の場合、1月の正午のUVIは平均して2〜3程度ですが、4月には6〜7程度に達し、5月には7〜8に上昇します。UVIが3以上になると日焼け止めの使用が推奨され、6以上では「高い」レベルとされ、積極的な対策が必要とされています。
このデータから明らかなように、春は冬と比べて紫外線の強さが格段に上がっています。冬の感覚で「まだそれほど強くないだろう」と思っていると、知らずのうちに肌へのダメージが蓄積されてしまいます。特に4月・5月は「紫外線の量が多い季節」として意識的に対策を講じる必要があります。
Q. 春に紫外線が急増する理由は何ですか?
春の紫外線増加には複数の要因があります。太陽の高度角が上がることで紫外線が大気を通過する距離が短くなり減衰しにくくなります。加えて、春先はオゾン量が比較的少なくUV-Bが届きやすく、日照時間の延長により紫外線を浴びる総量も増加します。
🏥 春に紫外線が増える理由
なぜ春になると紫外線の量が増えるのでしょうか。その理由は、いくつかの物理的・気象的な要因が組み合わさっています。
最も大きな要因は、太陽の高度角の変化です。地球は地軸が傾いた状態で太陽の周りを公転しているため、日本では春分から夏至にかけて太陽が空の高い位置に来るようになります。太陽高度が高くなるほど、太陽光が大気を通過する距離が短くなり、紫外線が吸収・散乱される量が減ります。その結果、地表に届く紫外線の量が増加します。
次に、オゾン層の変動も影響します。大気中のオゾン層は紫外線、特にUV-Bを吸収する役割を担っています。オゾンの量は季節によって変動しており、春先には日本を含む中緯度地域でオゾン量が比較的少なくなる傾向があります。これにより、UV-Bが地表に届きやすくなります。
また、春は空気が澄んでいることも紫外線量に影響します。冬に比べて春は天気の良い日が増え、大気中のちりや水蒸気の量が比較的少ない日もあります。そのため、紫外線が大気に吸収される量が少なく、より多くの紫外線が地表に到達します。
さらに、日照時間の増加も重要な要因です。春になると日が長くなり、紫外線を浴びる時間帯が広がります。冬は日が短く、強い紫外線が降り注ぐ正午の時間帯も短くなりますが、春はその時間が延びるため、トータルで受ける紫外線の量が増えます。
これらの要因が複合的に作用することで、春は冬と比べて紫外線量が大幅に増加します。気温の変化は体で感じることができますが、紫外線の増加は感覚ではわかりません。だからこそ、科学的なデータに基づいた理解が重要です。
⚠️ 春特有の紫外線リスクとは
春には、夏とは異なる独自の紫外線リスクが存在します。その最大の特徴は、「気温と紫外線量のギャップ」によって生じる油断です。
夏は暑さで日焼けへの意識が自然と高まりますが、春はまだ肌寒い日も多く、半袖を着るような気温でもないため、「日焼け止めは必要ない」と判断してしまう人が多くいます。しかし先述の通り、春の紫外線量はすでに相当な強さに達しています。この意識と実態のギャップが、春の紫外線リスクを高める大きな原因です。
また、春は屋外活動が増える季節でもあります。お花見や遠足、スポーツなど、長時間外に出る機会が増えることで、紫外線を浴びる総量が冬と比べて大幅に増加します。アウトドアレジャーでは、知らないうちに数時間も紫外線にさらされることがあります。
さらに、冬の間に紫外線対策を怠っていた肌は、ある程度のダメージが蓄積している可能性があります。また、冬は乾燥しやすいため、肌のバリア機能が低下していることも考えられます。バリア機能が弱まった肌は、紫外線ダメージを受けやすくなるため、春はより丁寧なケアが必要です。
春風による花粉や黄砂の影響も見逃せません。これらのアレルゲンや微粒子が肌に付着すると炎症を引き起こしやすくなり、紫外線との相乗効果でダメージが拡大することがあります。花粉症などのアレルギーを持っている方は、春の紫外線対策と同時にスキンケアにも注意が必要です。
加えて、春はファッションの変化で肌の露出が増える季節でもあります。首元が開いたシャツや薄手のジャケットなど、冬に比べて肌が外気にさらされる面積が広くなります。デコルテや首、手の甲など、冬の間は隠れていた部分が突然紫外線にさらされることになります。
Q. 日焼け止めの正しい塗り方・使い方は?
日焼け止めは顔全体にパール粒2〜3個分の量を塗ることが目安です。量が少ないとSPF・PAの効果が十分に発揮されません。また、汗や皮脂で効果が低下するため2〜3時間ごとに塗り直しが必要です。外出30分前に塗ると肌への密着度が高まります。
🔍 紫外線が肌に与えるダメージの種類
紫外線が肌に与えるダメージは、大きく分けて「急性障害」と「慢性障害」の二つに分類されます。それぞれのメカニズムを理解することで、なぜ紫外線対策が重要なのかがよくわかります。
急性障害の代表は、いわゆる「日焼け(サンバーン)」です。紫外線、特にUV-Bを大量に浴びると、数時間後から肌が赤くなり、ひどい場合は水ぶくれや激しい痛みを伴うこともあります。これは紫外線による細胞への直接的なダメージが炎症反応を引き起こしているためです。また、その後にメラニン色素が産生され、肌が黒くなる「サンタン(日焼け後の黒化)」が起こります。
メラニン色素は本来、紫外線から皮膚を守るための防御反応として産生されます。しかし、過剰に産生されたメラニンは、しみやそばかすの原因となります。特に、紫外線を繰り返し浴びることでメラニンが蓄積し、ターンオーバー(肌の生まれ変わり)が乱れると、色素沈着として残るようになります。
慢性障害の代表は「光老化」です。光老化とは、紫外線を長年浴び続けることで生じる皮膚の老化現象を指します。自然な老化(時間老化)とは異なり、外部からの紫外線刺激によって引き起こされるものです。具体的には、しわ・たるみ・毛細血管拡張・皮膚の肥厚化・乾燥・弾力の低下などが挙げられます。これらは主にUV-Aが真皮に届き、コラーゲンやエラスチンといった皮膚の構造タンパク質を分解することで生じます。
また、紫外線はDNAに直接ダメージを与えます。皮膚細胞のDNAが損傷を受け、修復が追いつかない場合、細胞の異常増殖が起こる可能性があり、これが皮膚がんのリスクとなります。欧米では皮膚がんが非常に多く、その原因の大部分は紫外線とされています。日本でも近年は増加傾向にあり、注意が必要です。
さらに、紫外線は免疫機能にも影響します。皮膚に存在する免疫細胞(ランゲルハンス細胞など)が紫外線によって傷つくと、皮膚の免疫機能が低下し、感染症やアレルギーへの抵抗力が弱まる可能性があります。これは「免疫抑制」と呼ばれる現象で、紫外線の見過ごされがちな影響の一つです。
📝 春から始めるべき紫外線対策の基本
春の紫外線リスクを理解したうえで、具体的にどのような対策を取るべきかを考えていきましょう。紫外線対策は「防ぐ」「和らげる」「ケアする」の三段階で考えると整理しやすいです。
まず、紫外線を直接防ぐ方法として最も効果的なのは、紫外線が強い時間帯を避けることです。先述の通り、10時から14時は紫外線が最も強くなる時間帯です。この時間帯の長時間の屋外活動はできるだけ控えるか、対策を徹底することが重要です。
次に、衣類による遮蔽も有効な手段です。長袖の服や帽子、日傘などを活用することで、皮膚に届く紫外線を物理的にカットすることができます。素材によって紫外線の透過率が異なり、一般的に目の詰まった濃色の生地が紫外線を遮断しやすいとされています。UVカット加工が施された衣類や帽子も市販されており、積極的に活用するとよいでしょう。
日傘は非常に効果的で、直射日光を遮るだけでなく、照り返しによる紫外線も軽減する効果があります。色については、紫外線を遮断する観点からは濃い色が効果的とされていますが、UVカット加工された日傘であれば色に関係なく高い効果が期待できます。
サングラスも忘れずに活用しましょう。目への紫外線ダメージは白内障のリスクを高めるほか、目の周りの皮膚にも悪影響を与えます。UVカット機能付きのサングラスを選ぶことで、目と周辺の皮膚を守ることができます。
日焼け止めクリームの使用も基本中の基本です。露出する皮膚すべてに適切な量を塗ることが大切です。顔だけでなく、首・デコルテ・手の甲・腕など、服から出ている部分すべてに塗布することが理想的です。
紫外線を浴びた後のケアとして、保湿が重要です。紫外線によって肌のバリア機能が低下するため、十分な保湿ケアを行うことで回復を助けることができます。また、抗酸化作用のある成分(ビタミンCやビタミンEなど)を含むスキンケア製品を使用することで、紫外線によって生じた活性酸素のダメージを軽減する効果が期待できます。
Q. 春の紫外線対策を怠るとどんな肌トラブルになりますか?
春の紫外線対策を怠ると、しみ・そばかすの悪化、しわ・たるみなどの光老化、肌荒れや過敏症が生じるリスクがあります。これらのダメージは蓄積するため、若いうちからの予防が重要です。アイシークリニックでも、春先に気づかぬうちにしみが進行した状態でご来院される患者様が少なくありません。
💡 日焼け止めの正しい選び方と使い方
紫外線対策において中心的な役割を担う日焼け止めについて、正しい選び方と使い方を詳しく解説します。
日焼け止めには、「SPF」と「PA」という二つの指標があります。SPF(Sun Protection Factor)は、主にUV-Bに対する防御力を示す数値です。数値が大きいほどUV-Bを遮断する効果が高く、最大値はSPF50+とされています。一方、PA(Protection Grade of UVA)は、UV-Aに対する防御力を「+」の数で表します。PA+からPA++++まであり、プラスの数が多いほど防御力が高くなります。
春の日常生活(通勤・散歩程度)であれば、SPF20〜30程度、PA++〜+++程度の製品で十分な場合が多いです。ただし、長時間の屋外活動や強い日差しの中でのレジャーでは、SPF50・PA++++の製品を選ぶとよいでしょう。数値が高いほど肌への負担も大きくなる場合があるため、日常シーンに合わせて使い分けることが理想的です。
日焼け止めには「紫外線散乱剤」と「紫外線吸収剤」の二種類の成分が使われています。紫外線散乱剤(酸化チタンや酸化亜鉛など)は、紫外線を物理的に反射・散乱させる成分で、肌への刺激が少ないとされています。紫外線吸収剤は、化学的に紫外線を吸収してエネルギーを分解する成分で、使用感が軽く、白浮きしにくいという特徴があります。敏感肌の方やお子さんには、吸収剤不使用(ノンケミカル)の製品が勧められることが多いです。
日焼け止めの使い方で最も重要なのは、適切な量を塗ることです。多くの人が実際に使っている量は、適正量の半分以下と言われています。顔全体に塗る場合の目安として、パール粒2〜3個分程度の量が必要です。少量では表示されたSPF・PAの効果を十分に発揮できないため、十分な量を塗ることを意識してください。
また、日焼け止めは一度塗ったら終わりではありません。汗や皮脂、こすれなどによって時間とともに効果が落ちるため、2〜3時間ごとに塗り直すことが推奨されています。特に汗をかいたり水に入ったりした後は、早めの塗り直しが必要です。ウォータープルーフ(耐水性)タイプの製品も、塗り直しは必要です。
日焼け止めは外出30分前に塗ることで、より均一に肌に密着し、効果を発揮しやすくなると言われています。外出直前に塗ることでも一定の効果はありますが、余裕がある場合は少し早めに塗る習慣をつけると良いでしょう。
日焼け止めのクレンジングも重要です。日焼け止めは通常の洗顔料では落としにくい成分を含む場合があります。製品の指示に従い、クレンジングオイルやミルクなどで丁寧に落とすことが、毛穴詰まりや肌荒れの予防につながります。ただし、近年はミルク洗顔だけで落とせる製品も増えており、自分が使用する製品の説明を確認してください。
✨ 紫外線対策を怠った場合に起こりうる肌トラブル

春の紫外線対策を怠り続けた場合、どのような肌トラブルが起こりうるのかを具体的に見ていきましょう。これらのトラブルは、早期に予防することが最も効果的です。
まず、しみ(色素沈着)の悪化が挙げられます。紫外線によってメラニンの産生が促進されると、既存のしみが濃くなったり、新たなしみが出現したりします。一度形成されたしみは消えにくく、治療にも時間がかかります。特に、30代以降になると、ターンオーバーのサイクルが遅くなるため、メラニンが蓄積しやすくなります。春からしっかり紫外線対策を行うことが、しみの予防に直結します。
そばかすも紫外線によって悪化しやすい肌トラブルの一つです。遺伝的な要因が強いそばかすですが、紫外線によってその色が濃くなったり、数が増えたりすることがあります。春の紫外線が強い時期から適切な対策を行うことで、そばかすの悪化を防ぐことができます。
光老化によるしわ・たるみも、紫外線対策を怠った結果として現れる代表的なトラブルです。UV-Aが真皮に届き、コラーゲンやエラスチンを分解する酵素(マトリックスメタロプロテアーゼ)を活性化することで、皮膚の弾力が失われていきます。この変化は数年・数十年にわたってゆっくりと進行するため、若いうちから紫外線対策を習慣化することが老後の肌の状態に大きく影響します。
肌荒れや過敏症も紫外線との関連があります。紫外線によって肌のバリア機能が低下すると、外部刺激に対する抵抗力が弱まり、花粉や化粧品成分に対してかぶれや炎症を起こしやすくなります。特に春は花粉が飛散する時期でもあるため、紫外線と花粉の相乗的な影響で肌荒れが悪化するケースも珍しくありません。
また、日光性角化症という前がん状態の皮膚病変も、長年の紫外線曝露によって生じます。これは皮膚がんの前段階とされる病変で、手の甲や顔、頭皮などの日光にさらされやすい部位に出現しやすいです。中高年以降に多く見られますが、若い頃からの紫外線ダメージが蓄積されることで発症リスクが高まります。
これらのトラブルに気づいた際は、美容皮膚科や皮膚科での相談をおすすめします。しみやしわの改善には、医療機関でのレーザー治療やピーリング、注入療法などさまざまな選択肢があります。ただし、どのような治療を行っても、術後の紫外線対策が不十分では再発や悪化につながるため、治療と並行した日常的な紫外線対策が不可欠です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、春先に「まだ寒いので日焼け止めは使っていなかった」とおっしゃる患者様が、気づかないうちにシミや肌荒れが進行した状態でご来院されるケースが少なくありません。気温と紫外線量は連動しておらず、4月・5月のUVインデックスはすでに「高い」レベルに達していることを、ぜひ意識していただきたいと思います。紫外線によるダメージは蓄積するものですので、毎年3月を目安に日焼け止めを日課に取り入れ、気になる変化があれば早めにご相談ください。」
📌 よくある質問
日本では、1月と比較して3月は約1.5〜2倍、4月は約2〜2.5倍の紫外線量になります。4月・5月のUVインデックスは「高い」レベル(6以上)に達する日も多く、夏に近い紫外線量になることもあります。気温が低くても紫外線は着実に増加しているため、春からの対策が必要です。
はい、必要です。薄曇り程度であれば、晴天時の約8割の紫外線が地表に届くとされています。また、UV-Aは一年を通じてほぼ一定量が降り注ぐため、天気に関わらず対策が重要です。曇りだからと油断せず、日焼け止めの使用を習慣化することをおすすめします。
汗や皮脂、こすれなどで効果が落ちるため、2〜3時間ごとの塗り直しが推奨されています。汗をかいたり水に入った後は、ウォータープルーフ製品でも早めの塗り直しが必要です。また、一度に塗る量が少ないと効果が十分に発揮されないため、顔全体にはパール粒2〜3個分程度の量が目安です。
主なトラブルとして、しみ・そばかすの悪化、しわ・たるみなどの光老化、肌荒れや過敏症の悪化が挙げられます。これらのダメージは蓄積するため、若いうちから対策を習慣化することが重要です。当院でも、春先に気づかないうちにしみや肌荒れが進行した状態でご来院される患者様が少なくありません。
毎年3月を目安に日焼け止めを日課に取り入れることをおすすめします。3月下旬から4月にかけてUV-Bが急激に増加するため、「まだ寒いから大丈夫」という判断は禁物です。日焼け止めの使用に加え、帽子・日傘・UVカットサングラスなどを組み合わせることで、より効果的に紫外線ダメージを防ぐことができます。
🎯 まとめ
春の紫外線と冬との違いについて、多角的にご説明してきました。最後に、重要なポイントを整理します。
春の紫外線量は、冬と比べて1.5倍から2.5倍以上に増加することがあります。気温が低くても、太陽の高度角の上昇・オゾン層のバリア変動・日照時間の延長などによって、紫外線の強さは着実に高まっています。特に4月・5月はUVインデックスが「高い」レベルに達する日も多く、夏と同様の対策が必要な時期です。
紫外線には肌の老化(光老化)、しみ・そばかすの悪化、皮膚がんリスクの上昇など、さまざまな悪影響があります。これらのダメージは蓄積型であるため、若いうちから日常的に対策を習慣化することが非常に重要です。
春の紫外線対策の基本は、日焼け止めの適切な使用(量・塗り直し)、衣類や日傘による物理的な遮蔽、紫外線が強い時間帯の屋外活動を避けること、そして日常的な保湿ケアです。これらを組み合わせることで、効果的に紫外線ダメージを防ぐことができます。
「まだ春だから大丈夫」という油断が、将来の肌トラブルの原因になります。季節の変わり目こそ、紫外線対策を見直す絶好のタイミングです。毎年3月を迎えたら、日焼け止めを日課に取り入れる習慣をつけましょう。すでにしみやしわが気になり始めている方、または今から予防に力を入れたい方は、専門のクリニックに相談することで、自分の肌状態に合った最適なケアプランを提案してもらえます。春の紫外線を正しく理解し、将来の自分の肌のために今できることから始めてみてください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 紫外線による皮膚への影響(サンバーン・光老化・色素沈着・皮膚がんリスクなど)および日焼け止めの選び方・使い方に関する診療ガイドラインや患者向け情報
- WHO(世界保健機関) – 紫外線の種類(UV-A・UV-B・UV-C)の特性、UVインデックスの定義と活用方法、紫外線による皮膚がんリスクに関する国際的な基準情報
- 厚生労働省 – 紫外線と健康被害(皮膚障害・眼への影響・免疫抑制)に関する国内向け公式情報、季節・時間帯別の紫外線対策の推奨事項
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務