「冬を乗り越えたのに、なぜか春になると肌が荒れてしまう」「この時期だけ肌がピリピリしてかゆくなる」そんな経験をしたことはありませんか。実は春は、一年の中でも特に肌が敏感になりやすい季節です。気温や湿度の急激な変化、花粉の飛散、増し始める紫外線、そして新生活によるストレスなど、肌に影響を与える要因が同時に重なるのが春という季節の特徴です。この記事では、春に肌が敏感になる理由を医学的な観点から丁寧に解説するとともに、肌荒れを防ぎ、健やかな肌を保つためのケア方法をご紹介します。
目次
- 春に肌が敏感になるとはどういう状態か
- 春に肌が敏感になる理由①:気温・湿度の急激な変化
- 春に肌が敏感になる理由②:花粉による皮膚への影響
- 春に肌が敏感になる理由③:紫外線量の増加
- 春に肌が敏感になる理由④:新生活のストレスとホルモンバランスの乱れ
- 春に肌が敏感になる理由⑤:冬のダメージが蓄積した肌の状態
- 春に肌が敏感になる理由⑥:スキンケアの切り替え時期のミスマッチ
- 春の敏感肌に現れやすい症状とその見分け方
- 春の敏感肌を防ぐための基本スキンケア
- 生活習慣から整える春の肌対策
- 皮膚科・クリニックを受診するタイミング
- まとめ
この記事のポイント
春の肌荒れは、気温・湿度の急変、花粉、紫外線増加、ストレス、冬のダメージ、スキンケアの切り替えミスという6要因が重なりバリア機能を低下させることで生じる。セラミド保湿・春からの紫外線対策・段階的なアイテム切り替えが基本対策で、改善しない場合は皮膚科受診を推奨。
🎯 春に肌が敏感になるとはどういう状態か
「敏感肌」という言葉はよく耳にしますが、医学的には正式な病名や診断基準があるわけではなく、肌のバリア機能が低下した状態や、外部刺激に対して過剰に反応しやすくなった状態を広く指す言葉として使われています。
健康な肌の表面には、皮脂膜・角質層・天然保湿因子・セラミドなどで構成されたバリア機能が備わっています。このバリアが正常に機能していれば、花粉や細菌、紫外線、乾燥などの外部刺激から肌を守ることができます。しかし何らかの原因でこのバリア機能が低下すると、わずかな刺激にも敏感に反応するようになり、かゆみ・赤み・ほてり・乾燥・ニキビなどさまざまな症状として現れます。
春に肌が敏感になるとは、こうしたバリア機能が低下した状態に、春特有の複数の環境要因が重なることで引き起こされる肌の過敏反応を指します。一時的なものである場合も多いですが、適切なケアをしないと慢性化したり、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患につながることもあるため、正しく理解して対処することが重要です。
Q. 春に肌のバリア機能が低下しやすい理由は?
春は気温・湿度の急変、花粉の飛散、紫外線の増加、新生活のストレス、冬の乾燥ダメージの蓄積、スキンケアの切り替えミスという6つの要因が同時に重なる季節です。これらが複合的に作用し、肌のバリア機能を低下させて外部刺激に敏感な状態を引き起こします。
📋 春に肌が敏感になる理由①:気温・湿度の急激な変化
春の大きな特徴のひとつが、気温と湿度の変動幅の大きさです。冬から春への移行期は、朝晩は冷え込みながらも日中は暖かくなるという温度差が激しい日が続きます。気象庁のデータを見ても、3月から5月にかけての一日の気温差は時に10℃以上になることがあります。
この急激な温度変化が、肌にとって大きな負担となります。気温が低いときは毛穴が締まり、高くなると毛穴が開くという毛穴の開閉運動が一日に何度も繰り返されることで、皮膚が疲弊しやすくなります。また、温度が上昇すると皮脂の分泌量が増える一方で、湿度が低ければ水分は蒸発しやすくなります。この「皮脂は多いが水分は少ない」という混合型の肌状態が生まれやすくなり、バランスを保つことが難しくなります。
さらに、春は「三寒四温」という言葉で表されるように、寒い日と暖かい日が交互に訪れることも特徴です。この繰り返しによって肌の状態が日々変化し、スキンケアで対応しきれなくなることも、春の肌荒れの一因となっています。
湿度についても注意が必要です。春は冬に比べて湿度は上がってきますが、まだ十分に高いわけではなく、空気が乾燥している日も多くあります。特に4月頃は晴れた日の湿度が低くなりやすく、肌から水分が奪われやすい環境が続きます。保湿が不十分な状態で過ごすと、バリア機能の低下が起こりやすくなります。
💊 春に肌が敏感になる理由②:花粉による皮膚への影響
春の代名詞ともいえる花粉は、肌に対してもさまざまな悪影響を及ぼします。花粉症というと鼻水や目のかゆみが真っ先に思い浮かびますが、花粉が皮膚に直接触れることで引き起こされる「花粉皮膚炎(花粉症皮膚炎)」という状態があります。
花粉皮膚炎は、スギやヒノキなどの花粉が肌に付着し、アレルギー反応を引き起こすことで発症します。症状としては、顔の特にまぶたや頬、首、デコルテなどに赤みやかゆみ、ヒリヒリ感が現れることが多く、バリア機能が低下した部位ほど症状が出やすい傾向があります。
花粉が肌に悪影響を与えるメカニズムは、大きく分けて二つあります。ひとつは花粉のアレルゲン成分が皮膚から吸収されてIgE抗体を介したアレルギー反応を引き起こすパターン、もうひとつは花粉に含まれるプロテアーゼ(タンパク質分解酵素)が直接皮膚のバリア機能を破壊するパターンです。後者の場合はアレルギー体質でない人にも影響を与えることがあるため、花粉の多い年は肌が荒れたという経験をした人も少なくないでしょう。
また、花粉は単独で飛来するだけでなく、黄砂や大気中の微粒子(PM2.5など)と結びつくことで、より強い刺激を肌に与えることも近年の研究で指摘されています。春は黄砂の飛来量も多くなる時期であるため、花粉との複合的な影響で肌ダメージが増大しやすい環境が整ってしまいます。
Q. 花粉が肌荒れを引き起こすメカニズムは?
花粉が皮膚に付着すると「花粉皮膚炎」が発症することがあります。アレルゲンがIgE抗体を介してアレルギー反応を起こすケースと、花粉に含まれるプロテアーゼ(タンパク質分解酵素)がバリア機能を直接破壊するケースの二通りがあり、後者はアレルギー体質でない方にも影響します。
🏥 春に肌が敏感になる理由③:紫外線量の増加
多くの人が「日焼け対策は夏から」と考えがちですが、実は紫外線量は3月頃から急速に増加し始めます。気象庁のデータによると、4月の紫外線量はすでに8月の約70〜80%に達するともいわれており、春は紫外線対策が必要な時期であることは間違いありません。
紫外線には大きく分けてUVAとUVBの二種類があります。UVBは肌の表面に作用して日焼けや炎症を引き起こしますが、UVAは肌の深部まで到達してコラーゲンやエラスチンを破壊し、シミや弾力低下の原因になります。春は夏ほどの強さがないため、肌がダメージを受けていると気づきにくいのが問題です。
さらに春には、冬の間に十分な日焼け対策をしてこなかった肌が、急激に増加した紫外線にさらされるという状況が生まれます。冬の間に弱ってバリア機能が低下した肌に紫外線が当たることで、より大きなダメージを受けやすくなります。「春になってから急にシミが気になり始めた」という声が多いのも、こうした理由からです。
紫外線は肌のバリア機能をさらに低下させる作用もあります。紫外線を浴びることで活性酸素が発生し、それが角質細胞や脂質を酸化させてバリア機能を破壊します。その結果、外部の刺激に対してさらに敏感な状態になるという悪循環が生まれます。
⚠️ 春に肌が敏感になる理由④:新生活のストレスとホルモンバランスの乱れ
日本では、春は入学・就職・異動・引っ越しなど、生活環境が大きく変化する季節です。こうした環境の変化は、心理的なストレスを生みやすく、それが肌の状態に直接影響を与えます。
精神的なストレスがかかると、体内ではコルチゾールというストレスホルモンが分泌されます。コルチゾールは免疫機能を抑制するだけでなく、皮膚のバリア機能に重要な役割を果たすセラミドの合成を低下させることが研究で示されています。セラミドが減少すると角質層の水分保持力が落ち、外部刺激を受けやすい状態になります。
また、春は季節の変わり目であると同時に、体内のホルモンバランスが変化しやすい時期でもあります。特に女性は月経周期に伴うホルモン変動の影響を受けやすく、春の環境変化と重なることでより大きな肌への影響が出やすくなります。エストロゲンは皮膚のコラーゲン産生やバリア機能維持に関わるホルモンであり、その分泌量が変化することで肌状態も変わりやすくなります。
睡眠の質の低下もストレスと密接に関係しています。ストレスが多い時期は睡眠が浅くなりがちで、睡眠不足は皮膚の修復に必要な成長ホルモンの分泌を妨げます。成長ホルモンは睡眠中に多く分泌され、肌の細胞の再生や修復を促すため、睡眠の質が下がると肌の回復力が著しく落ちてしまいます。
🔍 春に肌が敏感になる理由⑤:冬のダメージが蓄積した肌の状態
春の肌荒れを理解するには、冬の間に肌がどのような状態になっているかを把握することも重要です。冬は気温・湿度ともに低くなり、肌は長期にわたって乾燥にさらされます。また、暖房の使用によって室内の乾燥がさらに進むことも多く、肌の水分が慢性的に奪われた状態が続きます。
この冬の乾燥によって、角質層の構造が乱れ、バリア機能が低下した状態で春を迎えることになります。本来であれば春になって気温が上がるにつれてバリア機能も回復してくるはずですが、その回復が追いつかないまま花粉や紫外線などの春特有の刺激にさらされることで、肌のトラブルが表面化しやすくなります。
また、冬の間に使用していたこっくりとしたクリームやオイルベースのスキンケアが肌に合わなくなり始める時期でもあります。気温が上がって皮脂分泌が増えてくると、冬向けのリッチなテクスチャーのアイテムが毛穴を詰まらせたり、肌に負担をかけたりすることがあります。しかし切り替えのタイミングが早すぎると今度は保湿不足になるというジレンマも生まれます。
さらに、冬に蓄積した紫外線によるダメージも見逃せません。スキーやスノーボードなど冬のスポーツでは、雪の反射による紫外線量が通常の3倍以上になることもあります。こうした隠れたダメージが蓄積した状態で春を迎えると、肌の状態はさらに悪化しやすくなります。
Q. 春の紫外線対策はいつからどう始めるべきか?
紫外線量は3月頃から急増し、4月にはすでに8月比で約70〜80%に達するため、春からの対策が必須です。日常使いにはSPF30・PA++程度の日焼け止めが推奨されます。敏感肌の方には、肌への負担が少ない酸化亜鉛や酸化チタン配合のフィジカルフィルタータイプが適している場合があります。
📝 春に肌が敏感になる理由⑥:スキンケアの切り替え時期のミスマッチ
春になると「そろそろ軽いスキンケアに変えなければ」と思う人も多いでしょう。季節に合わせてスキンケアを見直すこと自体は正しいのですが、その切り替えのタイミングや方法を誤ると、肌トラブルの原因になります。
よくある失敗のひとつは、暖かい日が続いたからといって一気にスキンケアを夏仕様に変えてしまうことです。春は気温の変化が激しいため、夏用の軽いスキンケアに切り替えたとたん急に寒い日が来て保湿不足になる、ということが起こりがちです。バリア機能が低下している状態で保湿が不十分になると、肌の敏感さがさらに増してしまいます。
また、新しいスキンケアアイテムを試し始めるのも春に多いタイミングです。気分一新したくなる季節であることや、デパートや薬局で新商品が多く展開される時期でもあることから、複数のアイテムを同時に切り替えてしまいがちです。しかし、既にバリア機能が低下している敏感な状態の肌に複数の新しいアイテムを一度に取り入れると、肌が成分に慣れずにトラブルが起きるリスクが高まります。
さらに、春は洗顔の方法を誤りがちな時期でもあります。皮脂が増えてきたと感じると、洗浄力の強いクレンジングや洗顔料を使って「しっかり落とさなければ」と思う方も多いですが、過度な洗浄は必要な皮脂まで洗い落としてしまい、バリア機能をさらに低下させる原因になります。
💡 春の敏感肌に現れやすい症状とその見分け方
春の敏感肌にはさまざまな症状が現れます。代表的なものを整理しておきましょう。
まず最も多いのが、顔全体または特定部位(頬・額・鼻周り・目元など)の赤みやほてりです。これは毛細血管が拡張して血流が増加することで起こり、温度変化や花粉への刺激に対する反応として現れます。
次に多いのが、かゆみやチクチク・ヒリヒリとした刺激感です。いつも使っているスキンケアアイテムが急に刺激に感じられるようになった場合は、肌のバリア機能が低下しているサインです。化粧水を塗るとピリピリする、日焼け止めが染みるといった症状がこれに当たります。
乾燥やつっぱり感も春の敏感肌の典型的な症状です。特に洗顔後にすぐ保湿しないとつっぱりを強く感じる場合や、保湿してもすぐに乾燥感が戻る場合は、バリア機能の低下が起きている可能性が高いです。
また、ニキビや吹き出物も春に増えやすい症状のひとつです。気温上昇による皮脂分泌の増加に加え、バリア機能が低下することで肌の常在菌のバランスが乱れ、ニキビの原因菌が繁殖しやすい環境になります。
これらの症状は、一般的な春の敏感肌による反応として現れることが多いですが、接触性皮膚炎やアトピー性皮膚炎、花粉症皮膚炎などの皮膚疾患と区別する必要もあります。症状が長引く場合、特定のアイテムを使ったときだけ反応が出る場合、広い範囲に水疱や湿疹が現れる場合などは、自己判断せずに皮膚科を受診することが重要です。
✨ 春の敏感肌を防ぐための基本スキンケア
春の敏感肌を防ぐためのスキンケアは、「肌に必要なものをシンプルに補う」という基本姿勢が大切です。
洗顔については、泡立ちが豊かで洗浄力がマイルドなアイテムを選ぶことが基本です。皮脂が多いと感じる部分(Tゾーンなど)と乾燥しやすい部分(頬など)で状態が異なることも多いため、全体に同じ強さの洗顔料を使うのではなく、乾燥しやすい部分には刺激の少ないタイプを選ぶといった工夫が有効です。洗顔の回数も増やしすぎず、朝はぬるま湯のみにするというアプローチも選択肢のひとつです。
保湿については、セラミドやヒアルロン酸、グリセリンなどの保湿成分を含んだ製品を選ぶことが推奨されます。特にセラミドは肌のバリア機能を構成する重要な成分であり、敏感な状態の肌に積極的に補うことで、外部刺激への抵抗力を高める効果が期待できます。春は肌状態が日々変わりやすいため、テクスチャーの異なる保湿アイテムをいくつか用意して、その日の肌の状態に合わせて使い分けることも有効な方法です。
紫外線対策は春から始めることが必須です。春の紫外線対策では、SPF30・PA++程度のものを日常的に使用することが推奨されています。敏感肌の場合はケミカルフィルター(化学的に紫外線を吸収するタイプ)よりも、肌への負担が少ないとされるフィジカルフィルター(酸化亜鉛や酸化チタンなどで紫外線を物理的に散乱させるタイプ)の日焼け止めが肌トラブルを起こしにくい場合があります。ただし、合う製品は人によって異なるため、自分の肌に合ったものを選ぶことが前提です。
スキンケアアイテムを切り替える際は、一度に複数のアイテムを変えるのではなく、一種類ずつ導入することが大切です。新しいアイテムを使い始めるときは、まず腕の内側などで48時間のパッチテストを行い、反応がないことを確認してから顔に使うようにすると安全です。
また、花粉が多い日は帰宅後にすぐ洗顔して花粉を落とすことも重要なケアのひとつです。ただし、ゴシゴシこすらず、やさしく洗い流すことを意識してください。
Q. 春の肌トラブルで皮膚科を受診すべき目安は?
1〜2週間のセルフケアで改善が見られない場合、かゆみが強く睡眠が妨げられる場合、水疱・湿疹・ただれが現れた場合は早めの皮膚科受診が必要です。また毎年春に同じ肌トラブルを繰り返す方も、アイシークリニックに相談することで原因の特定と適切なケアの提案が受けられます。
📌 生活習慣から整える春の肌対策

肌の状態はスキンケアだけでなく、日常の生活習慣にも大きく左右されます。春の敏感肌を防ぐためには、内側からのアプローチも欠かせません。
食事については、肌のバリア機能を支える栄養素を意識して摂取することが大切です。セラミドの合成に必要なビタミンB群、コラーゲン産生を助けるビタミンC、肌の酸化を防ぐビタミンE、そして必須脂肪酸(オメガ3脂肪酸)などが特に重要です。青魚、ナッツ類、緑黄色野菜、大豆製品などを積極的に取り入れた食事を心がけましょう。反対に、糖質の過剰摂取やアルコール、刺激物の多い食事は皮脂分泌を増加させたり炎症を促進したりすることがあるため、注意が必要です。
水分補給も肌の保湿に影響します。体内の水分量が不足すると、皮膚の水分保持力も低下するため、一日1.5〜2リットルを目安にこまめに水や水分を摂ることが推奨されます。ただし、カフェインやアルコールには利尿作用があるため、コーヒーや緑茶のみで水分補給するのは避けたほうがよいでしょう。
睡眠の質の向上も非常に重要です。前述の通り、睡眠中に分泌される成長ホルモンが肌の修復と再生を担っています。質の高い睡眠を得るためには、就寝前のスマートフォンやパソコンの使用を控える、就寝1〜2時間前に入浴して体を温める、睡眠環境(室温・湿度・照明)を整えるといった工夫が効果的です。
ストレス管理も肌の健康維持には欠かせません。新生活が始まる春は特に精神的な負荷がかかりやすい時期です。適度な運動、趣味の時間、信頼できる人との対話など、自分に合ったストレス発散方法を見つけておくことが、肌を守ることにもつながります。
衣服や寝具も意外と肌に影響を与えます。春は重ね着が多くなりますが、直接肌に触れる素材にはコットンなど肌への刺激が少ない素材を選ぶことが望ましいです。また、寝具の素材や清潔さも肌荒れに関係することがあるため、定期的に洗濯し清潔な状態を保つことも大切です。
外出時の対策として、花粉の多い日はマスクやサングラス、帽子を活用して物理的に花粉が肌に付着するのを防ぐことも有効です。帰宅後の衣類のブラッシングや手洗い、うがいとともに、顔への花粉の持ち込みを減らすことが肌トラブルの予防につながります。
🎯 皮膚科・クリニックを受診するタイミング
春の肌トラブルの多くはセルフケアで改善できることも多いですが、以下のような状態が続く場合は自己判断せずに皮膚科や美容皮膚科を受診することをお勧めします。
1〜2週間のセルフケアで改善が見られない場合は、何らかの皮膚疾患が隠れている可能性があります。特に、かゆみが強く睡眠が妨げられるほどの場合や、皮膚に水疱・湿疹・ただれなどが現れている場合は、早めに専門家に診てもらうことが重要です。
特定のスキンケアアイテムを使ったときにのみ強い反応が出る場合は、接触皮膚炎(かぶれ)の可能性があります。この場合、パッチテストによってアレルゲンとなっている成分を特定することができます。
また、春になるたびに毎年同じような肌トラブルを繰り返している場合も、一度皮膚科で相談することをお勧めします。花粉皮膚炎が疑われる場合は、アレルギー検査を受けて原因を特定し、適切な治療を受けることで、毎年の悩みを軽減できる可能性があります。
美容皮膚科やクリニックでは、肌のバリア機能回復を助けるスキンケア指導や、症状に合わせた医薬品・医療用スキンケアの処方が受けられます。また、シミやくすみなど春の紫外線によるダメージが気になる方には、レーザー治療や美容点滴などの医療的アプローチも選択肢として存在します。専門家の目で肌の状態を評価してもらうことで、自己流のケアでは改善が難しかった悩みが解決することも多くあります。
皮膚科を受診する際は、現在使用しているスキンケアアイテムのリストを持参すること、いつ頃からどのような症状が現れたかを整理しておくこと、アレルギーの既往歴や内服薬なども事前に確認しておくことで、より正確な診断につながります。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、春になると「いつものスキンケアが急に刺激に感じる」「毎年この時期だけ肌が荒れてしまう」というお悩みでご来院される患者様が増える傾向があります。気温・湿度の変化や花粉、紫外線の増加など複数の要因が重なる春は、冬のダメージで低下したバリア機能がさらに追い打ちをかけられやすい季節ですので、セルフケアだけで改善が難しいと感じた場合はお早めにご相談ください。一人ひとりの肌状態に合わせた適切なケアをご提案できるよう、丁寧な診療を心がけております。」
📋 よくある質問
春の肌荒れは、気温・湿度の急激な変化、花粉の飛散、紫外線量の増加、新生活によるストレス、冬のダメージの蓄積、スキンケアの切り替えミスマッチという6つの要因が複合的に重なることで起こります。これらが肌のバリア機能を低下させ、外部刺激に敏感な状態を引き起こします。
花粉が肌に付着するとアレルギー反応を引き起こす「花粉皮膚炎」が発症することがあります。まぶたや頬、首などに赤みやかゆみ、ヒリヒリ感が現れるのが特徴です。また、花粉に含まれる酵素が直接バリア機能を破壊するケースもあり、アレルギー体質でない方にも影響が出ることがあります。
暖かい日が続いても一気に夏仕様に変えず、気温の変化に対応できるよう段階的に切り替えることが重要です。また、複数のアイテムを同時に変えると肌トラブルの原因が特定しにくくなるため、1種類ずつ導入し、新しいアイテムは事前に腕の内側で48時間パッチテストを行うことをお勧めします。
紫外線量は3月頃から急増し、4月にはすでに8月の約70〜80%に達するといわれています。そのため、紫外線対策は春から始めることが必須です。日常使いにはSPF30・PA++程度の日焼け止めが推奨され、敏感肌の方には肌への負担が少ないフィジカルフィルタータイプが向いている場合があります。
1〜2週間のセルフケアで改善が見られない場合、かゆみが強く睡眠が妨げられる場合、水疱・湿疹・ただれが現れた場合は早めの受診をお勧めします。また、毎年春に同じ肌トラブルを繰り返している方も、一度アイシークリニックにご相談いただくことで、根本的な原因の特定と適切なケアのご提案が可能です。
💊 まとめ
春に肌が敏感になる理由は、気温・湿度の急激な変化、花粉による皮膚への影響、増加する紫外線、新生活によるストレスとホルモンバランスの乱れ、冬のダメージが蓄積した肌の状態、そしてスキンケアの切り替え時期のミスマッチという、複数の要因が重なり合って生じるものです。
これらの要因はそれぞれが独立して肌に影響を与えるだけでなく、互いに作用し合ってバリア機能を低下させることで、春特有の肌荒れを引き起こします。「毎年この時期だけ肌が荒れる」という方は、これらの要因が複合的に重なっていることを理解したうえで、スキンケアと生活習慣の両面からアプローチすることが重要です。
基本的な対策としては、刺激の少ない洗顔料でやさしく洗うこと、セラミドなどを含む保湿アイテムで十分な保湿を行うこと、春から紫外線対策を始めること、花粉が多い日は物理的なガードを活用することが挙げられます。内側からのアプローチとして、バリア機能を支える栄養素を含む食事、十分な水分補給、質の高い睡眠、ストレス管理を心がけることも大切です。
スキンケアを切り替える際は一度に多くを変えず、パッチテストを行いながら少しずつ導入していくことが肌への負担を減らすポイントです。また、セルフケアで改善が見られない場合や症状が重い場合は、躊躇わずに皮膚科や美容皮膚科を受診し、専門家のアドバイスを得ることをお勧めします。
春は新しい季節の始まりであり、新鮮な気持ちで過ごしたい時期でもあります。肌のことを正しく理解し、適切にケアすることで、春を快適に、そして美しい肌で過ごすことができるでしょう。アイシークリニック渋谷院では、肌の状態に関するお悩みをお持ちの方に向けた診療を行っております。春の肌トラブルが気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。
📚 関連記事
- 花粉皮膚炎の治療法と予防策|肌荒れを正しくケアするための完全ガイド
- 肌バリア機能を回復させる方法とは?原因から正しいケアまで徹底解説
- 紫外線による肌ダメージの仕組みと効果的な対策を徹底解説
- 春の敏感肌対策|肌荒れの原因と正しいスキンケア方法を解説
- アトピーが春に悪化する原因とは?季節の変わり目の対策を解説
📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – アトピー性皮膚炎・接触性皮膚炎・花粉皮膚炎などの皮膚疾患の診断基準、バリア機能の仕組み、セラミドの役割に関する医学的情報の参照
- 厚生労働省 – 肌の修復と成長ホルモンに関連する睡眠の重要性、ストレスと身体への影響、健康維持のための生活習慣指針に関する情報の参照
- PubMed – 花粉(プロテアーゼ)によるバリア機能破壊メカニズム、PM2.5・黄砂との複合影響、IgE抗体を介したアレルギー反応、紫外線による活性酸素と角質細胞への影響に関する研究論文の参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務