日焼け止めを選ぶとき、パッケージに書かれた「SPF50+」や「PA++++」という表示を見て、何となく数値が高いほうを選んでいる方は多いのではないでしょうか。しかし、SPFとPAはそれぞれ異なる種類の紫外線に対する効果を示しており、シーンや目的によって適切な選び方が変わります。この記事では、SPFとPAの違いをはじめ、紫外線が肌に与える影響、正しい日焼け止めの選び方と使い方まで、医療的な観点からわかりやすく解説します。毎日のスキンケアや日焼け対策をより効果的なものにするために、ぜひ最後までお読みください。
目次
- 紫外線とは?UVAとUVBの違い
- SPFとは何か?その意味と数値の見方
- PAとは何か?その意味と数値の見方
- SPFとPAの違いをわかりやすく整理する
- シーン別・肌タイプ別の日焼け止めの選び方
- 日焼け止めの正しい使い方と塗り直しのポイント
- 日焼け止めの種類(テクスチャー)による違い
- 紫外線対策を怠るとどうなる?肌への影響
- 日焼け止めと肌荒れ・ニキビの関係
- まとめ
この記事のポイント
SPFはUVB防御(サンバーン予防)、PAはUVA防御(光老化予防)を示す指標。日常使いはSPF30・PA++〜+++、屋外活動はSPF50+・PA++++が適切。当院では毎日のPA対策がシミ・シワ予防に重要と推奨している。
🎯 紫外線とは?UVAとUVBの違い
日焼け止めを正しく選ぶうえで、まず知っておきたいのが紫外線の種類についてです。紫外線(UV:Ultraviolet)は、太陽から降り注ぐ電磁波の一種で、波長の長さによって大きく3つに分類されます。UVC、UVB、UVAの3種類がありますが、このうちUVCは大気中のオゾン層で吸収されてしまうため、地表にはほとんど届きません。私たちの肌に影響を与えるのは主にUVAとUVBの2種類です。
UVBは波長が280〜315nmと比較的短く、皮膚の表皮層に強く作用します。日焼けして肌が赤くなったり、ヒリヒリとした炎症を起こしたりする「サンバーン(炎症性紅斑)」の主な原因がこのUVBです。エネルギーが強く、短時間でも肌にダメージを与えることがあります。日本では春から夏にかけて特に強くなる傾向があり、晴れた日の屋外活動時には特に注意が必要です。
一方のUVAは波長が315〜400nmと長く、UVBと比べてエネルギーは低いものの、皮膚のより深い層である真皮層まで到達することができます。UVAが引き起こすのは「サンタン(即時黒化)」と呼ばれる現象で、肌が黒くなる日焼けの原因です。さらに長期的には、コラーゲンやエラスチンなどの皮膚組織を破壊し、シワやたるみ、シミといった光老化(フォトエイジング)を引き起こします。UVAは雲や窓ガラスを透過するため、曇りの日や室内にいるときでも一定量が届くという特徴があります。
このように、UVAとUVBはそれぞれ異なる性質を持ち、肌に与える影響も異なります。そして、日焼け止めのSPFとPAは、それぞれこのUVBとUVAに対する防御効果を示す指標なのです。
Q. SPFとPAはそれぞれ何を防ぐ指標ですか?
SPFはUVB(短波長紫外線)への防御効果を数値で示し、肌の赤みや炎症(サンバーン)を防ぐ指標です。PAはUVA(長波長紫外線)への防御効果を「+」の数で示し、シミ・シワ・たるみなどの光老化を防ぐ指標です。紫外線対策には両方の確認が必要です。
📋 SPFとは何か?その意味と数値の見方
SPFは「Sun Protection Factor(サン・プロテクション・ファクター)」の略称で、日本語では「紫外線防御指数」と訳されます。SPFはUVBを防ぐ効果を数値化したもので、主に「肌が赤くなるまでの時間をどれだけ延ばせるか」を示しています。
具体的な計算方法としては、日焼け止めを塗った状態でサンバーン(炎症性紅斑)が起きるまでの時間を、日焼け止めを塗っていない状態と比較します。たとえば、何も塗っていない状態で10分で肌が赤くなる人がSPF30の日焼け止めを使用した場合、理論上は10分×30=300分、つまり5時間にわたって肌への影響を抑えられるという計算になります。
ただし、この数値はあくまでも理想的な条件下でのテスト結果であり、実際の日常使用においてはさまざまな要因によって効果が低下します。汗や水で流れてしまったり、摩擦によって落ちてしまったり、紫外線そのものによって成分が分解されたりするため、定期的な塗り直しが欠かせません。
日本の日焼け止め製品では、SPFの最大表記は「SPF50+」となっています。これはSPF50を超えるものを一括して「SPF50+」と表記するよう定められているためです。数値が高ければ高いほど防御効果が高いというわけですが、SPF30でUVBの約97%をカット、SPF50では約98%をカットするとされており、数値の差ほど大きな違いはありません。日常使いであればSPF30程度でも十分なことも多く、高SPF製品は肌への負担が増す場合もあるため、自分のライフスタイルや肌の状態に合わせて選ぶことが重要です。
💊 PAとは何か?その意味と数値の見方
PAは「Protection Grade of UVA(プロテクション・グレード・オブ・UVA)」の略称で、UVAを防ぐ効果を示す指標です。日本で開発された基準で、現在は日本、韓国、一部のアジア諸国などで広く採用されています。ヨーロッパやアメリカでは異なる指標(UVAサークルマークやPPDなど)が使われることもありますが、日本国内で販売されている日焼け止め製品にはPA表記が用いられています。
PAの効果はSPFのように具体的な数値ではなく、「+(プラス)」の記号の数で4段階に分類されます。
PA+は「UVA防御効果がある」、PA++は「UVA防御効果がかなりある」、PA+++は「UVA防御効果が非常にある」、PA++++は「UVA防御効果が極めて高い」とされる最高グレードで、海水浴や登山、スキーなど紫外線が特に強い環境での使用に適しています。
PAの判定には、PPD(Persistent Pigment Darkening:持続型即時黒化)という測定方法が基準として使われています。これはUVAを照射したときに皮膚が黒化するまでの時間を比較したもので、PPDの数値が2〜4でPA+、4〜8でPA++、8〜16でPA+++、16以上でPA++++と分類されます。
UVAは即時的な炎症よりも長期的な肌老化や黒化に関わるため、シミやシワを予防したい方にとってPA値は非常に重要な指標といえます。特に日常的にUVA対策を意識することが、長期的な美肌維持につながります。
Q. 日常使いに適したSPFとPA値の目安は?
通勤や買い物などの日常的な外出には、SPF30・PA++〜PA+++程度の日焼け止めが適切です。SPF30はUVBを約97%カットし、SPF50の約98%との差はわずか1%程度です。海水浴や屋外スポーツなど長時間外で過ごす場合はSPF50+・PA++++を選びましょう。
🏥 SPFとPAの違いをわかりやすく整理する
ここまで個別に解説してきたSPFとPAについて、改めて違いを整理してみましょう。
まず、対象となる紫外線の種類が異なります。SPFはUVBへの防御効果を示し、PAはUVAへの防御効果を示します。UVBは波長が短くエネルギーが強い一方、UVAは波長が長く皮膚の奥深くまで届きます。これらは全く異なる性質の紫外線であり、それぞれに対する対策が必要です。
次に、数値の表し方も異なります。SPFは数字で表現され、数字が大きいほど防御力が高いことを示します。PAは「+」の数で表現され、+が多いほど防御力が高いことを示します。
肌への影響という観点から見ると、UVBによるサンバーンは比較的短時間で現れる急性の反応であり、痛みや赤みとして実感しやすいものです。一方でUVAによる影響は蓄積性が高く、日々少しずつ積み重なって光老化として現れるため、すぐには気づきにくいという特徴があります。シミ、シワ、たるみなど多くの肌悩みにUVAが深く関与していることを考えると、PA対策もSPF対策と同様に重要です。
日常的なスキンケアにおいては、SPFだけを重視するのではなく、SPFとPAの両方をバランスよく考慮して日焼け止めを選ぶことが、総合的な紫外線対策につながります。特に、日々の通勤や買い物など短時間の外出では、SPF30程度・PA++〜PA+++程度の製品を、海水浴やスポーツなど長時間外で過ごす際にはSPF50+・PA++++の製品を選ぶといった使い分けがおすすめです。
⚠️ シーン別・肌タイプ別の日焼け止めの選び方
日焼け止めはSPFとPAの数値だけでなく、使用するシーンや自分の肌タイプによっても最適なものが異なります。ここでは、主なシーン別・肌タイプ別の選び方を詳しく解説します。
🦠 シーン別の選び方
日常の外出(通勤・買い物)においては、SPF15〜30・PA++〜PA+++程度の製品が適しています。過度に高いSPF・PA値は肌への負担になる場合もあるため、普段使いには必要以上のスペックを避けることも一つの考え方です。軽いテクスチャーで日常使いしやすいミルクタイプやローションタイプが使いやすいでしょう。
屋外スポーツやレジャーでは、SPF50+・PA++++の製品が推奨されます。汗や水に強いウォータープルーフタイプを選び、2〜3時間に1回程度を目安に重ね塗りすることが大切です。
海水浴やプールでの使用には、SPF50+・PA++++のウォータープルーフ製品が必須です。水に入る前から塗り、水から上がったタオルで拭いた後は必ず塗り直しを行いましょう。また、砂浜や水面では紫外線の反射量が増加するため、通常の屋外よりもさらに強い紫外線対策が必要です。
室内やデスクワーク中心の生活であっても、窓越しのUVAは防ぎきれません。特に窓の近くにいることが多い方は、SPF10〜20・PA+〜PA++程度の軽い日焼け止めやUVカット機能付きの化粧下地を使用するだけで、長期的な光老化を予防する効果が期待できます。
👴 肌タイプ別の選び方
乾燥肌の方は、保湿成分が配合されたクリームタイプやミルクタイプの日焼け止めが向いています。紫外線散乱剤(酸化亜鉛・酸化チタン)を主成分とする製品は肌にやさしいため、乾燥肌や敏感肌の方にも比較的使いやすいとされています。
脂性肌・混合肌の方には、さらっとした使用感のジェルタイプや軽いローションタイプが向いています。オイルフリーや毛穴詰まりが少ないノンコメドジェニックテスト済みの製品を選ぶとよいでしょう。
敏感肌・アトピー性皮膚炎などの肌トラブルがある方は、香料・アルコール・防腐剤などの添加物が少ない低刺激性の製品を選ぶことが重要です。紫外線吸収剤よりも紫外線散乱剤を主成分とした製品のほうが刺激が少ないとされており、「ノンケミカル」と表記された製品を選ぶ方法もあります。ただし、個人差があるため、初めて使用する際はパッチテストを行うことが望ましいです。
子どもの肌は大人よりもデリケートであるため、子ども専用の低刺激性・無香料・無着色の製品を選ぶことをおすすめします。特に幼児の場合は肌のバリア機能が未発達なため、より注意が必要です。
Q. 曇りの日や室内でも日焼け止めは必要ですか?
曇りの日や室内でも日焼け止めは必要です。UVAは雲や窓ガラスを透過して肌の真皮層まで届き、シミ・シワ・たるみなどの光老化を長期的に引き起こします。アイシークリニックでは、室内勤務の方にもPA値を意識した日焼け止めの毎日使用を推奨しています。
🔍 日焼け止めの正しい使い方と塗り直しのポイント
日焼け止めの効果を最大限に発揮させるためには、正しい使い方を理解することが大切です。どんなに高いSPF・PA値の製品でも、使い方が間違っていると十分な効果が得られません。
🔸 適切な量を塗る
日焼け止めの効果は、製品に記載されているSPF・PAの数値は一定量(2mg/cm²)を塗った場合に測定されたものです。実際には多くの人が適切な量より少なく塗ってしまっており、これが実際の防御効果が低下する主な原因の一つとなっています。顔全体に塗る場合は、クリームタイプで約2円玉大(約0.5g)を目安に、十分な量を均一に塗ることを意識しましょう。
💧 外出の15〜30分前に塗る
紫外線吸収剤を含む製品は、成分が肌になじんで効果を発揮するまでに15〜30分程度の時間がかかるとされています。外出前に余裕を持って塗っておくことで、より効果的な紫外線対策が可能です。なお、紫外線散乱剤のみを使用した製品(ノンケミカルタイプ)は塗布直後から効果を発揮するとされています。
✨ 定期的な塗り直し
日焼け止めは一度塗っただけでは効果が持続しません。汗・皮脂・摩擦・紫外線による成分の分解などによって、時間が経つにつれて効果が低下していきます。目安として、通常の使用では2〜3時間ごとに塗り直すことが推奨されています。汗をかきやすい夏場やスポーツ時はさらに頻繁に塗り直す必要があります。メイクの上から使用する場合は、日焼け止めパウダーやスプレータイプを活用すると便利です。
📌 見落としがちな部位にも注意
日焼け止めを塗るとき、顔や腕は意識しても耳の後ろ、首の後ろ、手の甲、唇、足の甲、頭皮などを忘れてしまうことがあります。これらの部位も紫外線の影響を受けるため、忘れずにケアすることが重要です。特に唇は皮膚が薄く紫外線の影響を受けやすいため、UVカット機能付きのリップクリームの使用をおすすめします。
📝 日焼け止めの種類(テクスチャー)による違い
日焼け止めにはさまざまなテクスチャーがあり、それぞれの特徴を理解することで、より使いやすい製品を選べるようになります。
クリームタイプは保湿力が高く、乾燥肌の方に向いています。カバー力があり、SPF・PA値が高い製品が多い傾向があります。ただし、脂性肌の方にはべたつきを感じる場合があります。
ミルク・乳液タイプはクリームよりも軽い使用感で、さまざまな肌タイプに使いやすいバランスの良いテクスチャーです。顔や体への使用に向いており、多くの日焼け止め製品がこのタイプです。
ジェルタイプはみずみずしく軽い使用感で、脂性肌や混合肌の方に向いています。べたつきが少なく、夏場や屋外での使用に適しています。ただし、保湿力はクリームやミルクタイプに比べて低い傾向があります。
スプレータイプは顔に直接スプレーすると成分を吸い込む可能性があるため、手に取ってから塗るか、顔専用の製品を選ぶようにしましょう。
パウダータイプは単独使用では塗布量が不足しやすいため、ファーストタッチにはミルクやクリームタイプを使い、塗り直しの際に活用するという使い方がおすすめです。
スティックタイプは固形のため持ち運びやすく、必要な部分に的確に塗れます。目元や鼻の頭など特定の部位への使用や塗り直しに向いています。
Q. 日焼け止めでニキビや肌荒れが起きる場合の対処法は?
肌トラブルが起きやすい方は、酸化亜鉛・酸化チタンを主成分とする「ノンケミカル」タイプや、「ノンコメドジェニックテスト済み」「オイルフリー」と記載された製品を選ぶことが有効です。クレンジングで丁寧に洗い落とすことも重要で、改善しない場合は皮膚科への相談をおすすめします。
💡 紫外線対策を怠るとどうなる?肌への影響
日焼け止めを適切に使用せずに紫外線を浴び続けると、短期的・長期的にさまざまな肌への影響が現れます。
▶️ 短期的な影響:日焼け(サンバーン・サンタン)
UVBによるサンバーンは、強い紫外線を短時間浴びることで起こる急性の炎症反応です。日焼け後数時間から半日程度で肌の赤み、熱感、ヒリヒリとした痛みが現れ、重症の場合は水疱が形成されることもあります。これはDNAへのダメージに対する炎症反応であり、繰り返すことで皮膚がんのリスクが高まるとされています。
UVAによるサンタンは、紫外線を浴びた直後から数日にかけて肌が黒くなる反応で、メラノサイト(色素細胞)が活性化してメラニン色素が増加します。これは肌を紫外線から守ろうとする防御反応ですが、過剰なメラニン産生はシミの原因となります。
🔹 長期的な影響:光老化(フォトエイジング)
日焼けの中でも特に注意が必要なのが光老化です。光老化とは、紫外線の長期的な累積ダメージによって引き起こされる皮膚の老化現象のことを指します。加齢による自然な老化とは異なり、本来の年齢よりも早く老化が進んでしまうため、特にUVA対策が重要です。
光老化の具体的な症状としては、シワ・小じわの増加、肝斑・シミの増加、毛穴の開き・肌のくすみ、肌のハリ・弾力の低下などが光老化の典型的な症状です。UVAが真皮のコラーゲン・エラスチン線維を分解することで、肌の弾力が失われ、シワやたるみが生じます。また、紫外線刺激によってメラノサイトが過剰に活性化し、局所的にメラニンが集積してシミ(老人性色素斑)や肝斑が生じます。
📍 皮膚がんのリスク

紫外線への長期的な曝露は皮膚がんのリスク増加とも関連しています。皮膚がんには日光角化症、基底細胞がん、扁平上皮がん、悪性黒色腫(メラノーマ)などの種類があり、紫外線によるDNA損傷の蓄積がこれらの発症に関与していると考えられています。日焼け止めの適切な使用は、皮膚がんの予防にも一定の効果があるとされており、幼少期からの紫外線対策が重要です。
✨ 日焼け止めと肌荒れ・ニキビの関係
「日焼け止めを塗るとニキビができる」「肌荒れしやすくなる」という悩みを持つ方も少なくありません。確かに、日焼け止めの成分や使い方によっては肌トラブルにつながる場合があります。ここでは、日焼け止めと肌荒れ・ニキビの関係について解説します。
💫 紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の違い
日焼け止めに使用される紫外線防御成分には、大きく「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」の2種類があります。
紫外線吸収剤はオキシベンゾンやオクチノキサートなどの化学成分で、紫外線を吸収して熱などに変換することで肌へのダメージを防ぎます。高いSPF・PA値を実現しやすく、塗り心地が軽いという特徴がありますが、一部の方には刺激を感じる場合があり、敏感肌や肌トラブルが起きやすい方には合わないこともあります。
紫外線散乱剤は酸化亜鉛(ジンクオキサイド)や酸化チタンなどの無機系成分で、紫外線を物理的に反射・散乱させることで防御します。肌への刺激が比較的少なく、敏感肌や乾燥肌、赤ちゃんの肌にも使いやすいとされています。「ノンケミカル」「ミネラル」「無機系」などと表記された製品がこのタイプに相当します。
🦠 ニキビができやすい方への対策
ニキビができやすい方や脂性肌の方は、「ノンコメドジェニックテスト済み」「オイルフリー」と記載された製品を選ぶとよいでしょう。コメドジェニック性(毛穴詰まりを引き起こす可能性)が低い成分で作られた製品は、ニキビリスクを低減する可能性があります。
また、日焼け止めによる肌荒れを防ぐためには、クレンジングによる丁寧な洗い落としも重要です。日焼け止めが肌に残ったままになると毛穴を詰まらせる原因になりますが、一方で洗いすぎも肌バリアを傷つける原因となります。製品の指示に従った適切なクレンジング方法を行いましょう。
肌荒れやニキビがひどい場合や、日焼け止めを変えても改善しない場合は、皮膚科や美容クリニックに相談することをおすすめします。適切な治療を受けることで根本的な改善が期待できます。
👴 紫外線そのものが肌荒れを引き起こすこともある
日焼け止めによる肌荒れを心配するあまり、使用をやめてしまう方もいますが、逆に紫外線を浴び続けることで肌荒れが悪化するケースも少なくありません。紫外線は肌のバリア機能を低下させ、乾燥やかゆみ、炎症を引き起こすことがあります。日焼け止めが肌に合わない場合は使用を中止して専門家に相談しつつも、帽子や日傘などの物理的な紫外線対策は続けることが大切です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、「日焼け止めを塗っているのにシミが増えてきた」とご相談いただく患者様の多くが、SPFの数値だけを重視してPA値を見落としているケースが見受けられます。光老化の主な原因であるUVAは曇りの日や室内でも届くため、毎日の習慣としてPAにも目を向けた日焼け止め選びがシミやシワの予防に大きく役立ちます。肌質やライフスタイルに合った製品選びにお悩みの方は、お気軽にご相談ください。」
📌 よくある質問
SPFはUVB(短波長紫外線)への防御効果を数値で示し、主に肌の赤みや炎症(サンバーン)を防ぐ指標です。一方PAはUVA(長波長紫外線)への防御効果を「+」の数で示し、シミ・シワ・たるみなどの光老化を防ぐ指標です。どちらか一方ではなく、両方をバランスよく確認して選ぶことが大切です。
通勤や買い物など普段の外出であれば、SPF30・PA++〜PA+++程度の製品が適しています。SPF50とSPF30の防御率の差はわずか1%程度(97%対98%)であり、高すぎる数値の製品は肌への負担が増す場合もあります。海水浴や屋外スポーツなど長時間外で過ごす際はSPF50+・PA++++を選びましょう。
汗・皮脂・摩擦・紫外線による成分分解などで効果は時間とともに低下するため、一般的には2〜3時間ごとの塗り直しが推奨されています。夏場や運動時はさらに頻繁に塗り直す必要があります。メイクの上からはスプレーやパウダータイプの日焼け止めを活用すると便利です。
必要です。雲や窓ガラスを透過するUVAは、曇りの日や室内にいる場合でも一定量が肌に届きます。UVAは即効性のある炎症は起こしにくいものの、長期的にシミ・シワ・たるみなどの光老化を引き起こします。当院でも、室内勤務の患者様にPA値を意識した日焼け止めの毎日使用をおすすめしています。
肌トラブルが起きやすい方は、刺激の少ない紫外線散乱剤(酸化亜鉛・酸化チタン)を主成分とした「ノンケミカル」タイプや、「ノンコメドジェニックテスト済み」「オイルフリー」と記載された製品を選ぶとよいでしょう。また、クレンジングで丁寧に洗い落とすことも重要です。改善しない場合は皮膚科への相談をおすすめします。
🎯 まとめ
この記事では、SPFとPAの違いをはじめ、紫外線の種類、正しい日焼け止めの選び方と使い方、さらに肌への影響まで幅広く解説しました。最後に重要なポイントを整理します。
SPFはUVBに対する防御効果を示す数値であり、主にサンバーン(炎症性紅斑)を防ぐ効果を表しています。SPF30(約97%カット)とSPF50(約98%カット)の差は実際にはわずかです。PAはUVAに対する防御効果を示す指標で、「+」の数が多いほど防御力が高くなります。シミやシワ、たるみなどの光老化を防ぐためにはPA値にも注目することが重要です。
日焼け止めを選ぶ際には、使用するシーンや自分の肌タイプに合わせてSPFとPAの両方を考慮することが大切です。日常使いにはSPF30・PA++〜PA+++程度、屋外スポーツや海水浴などにはSPF50+・PA++++が適しています。また、適切な量を塗ること、外出前に余裕を持って塗ること、定期的な塗り直しを行うことが、日焼け止めの効果を最大限に発揮させるうえで欠かせません。
紫外線対策は一年中必要であり、特にUVAは曇りの日や室内でも届くため、季節を問わず毎日の習慣として取り入れることが重要です。正しい知識を持って日焼け止めを使用することで、シミやシワの予防、さらには皮膚がんリスクの軽減にもつながります。自分の肌に合った日焼け止めを見つけ、日々のスキンケアの一環として取り入れてみてください。肌に関してご不明な点やお悩みがある方は、皮膚科や美容クリニックへの相談もぜひご検討ください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 紫外線がUVAとUVBに分類され肌に与える影響(サンバーン・サンタン・光老化)、SPF・PAの意味と選び方、皮膚がんリスクに関する医学的根拠として参照
- 厚生労働省 – 日本国内における日焼け止め製品のSPF50+最大表記ルール・PA分類基準など化粧品の規制・表示基準に関する根拠として参照
- WHO(世界保健機関) – 紫外線(UV)の健康への影響、皮膚がんとの関連性、日焼け止めを含む紫外線防御策の推奨に関する国際的なエビデンスとして参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務