「最近、肌が乾燥しやすくなった」「少しのことで肌が赤くなる」「スキンケアをしてもすぐに突っぱった感じがする」——こうした悩みを抱えている方は、もしかすると肌のバリア機能が低下しているサインかもしれません。肌バリア機能は、外からの刺激や乾燥を防ぐ”盾”のような役割を担っています。この機能が正常に働いていれば、外的刺激に強く、うるおいを保ちやすい健やかな肌を維持できます。しかし、生活習慣やスキンケアの方法を誤ってしまうと、バリア機能はじわじわと低下し、さまざまなトラブルを引き起こすことになります。本記事では、肌バリア機能の仕組みや低下する原因、そして回復させるための具体的な方法について、医療的観点からわかりやすく解説します。
目次
- 肌バリア機能とは何か?その仕組みをわかりやすく解説
- 肌バリア機能が低下するとどうなる?代表的な症状
- 肌バリア機能が低下する主な原因
- 肌バリア機能を回復させる正しいスキンケア方法
- 生活習慣の見直しで肌バリア機能を内側から整える
- 避けるべきNGスキンケアと日常習慣
- バリア機能回復に役立つ成分とその選び方
- 自己ケアで改善しない場合は皮膚科・美容クリニックへ
- まとめ
この記事のポイント
肌バリア機能の低下は過剰洗顔・紫外線・睡眠不足などが原因で起こり、セラミド配合保湿剤の使用・やさしい洗顔・生活習慣の改善で回復できる。改善しない場合はアイシークリニックなど専門医への相談が推奨される。
🎯 肌バリア機能とは何か?その仕組みをわかりやすく解説
肌バリア機能とは、皮膚が持つ「外からの有害な物質や刺激を遮断し、内からの水分が蒸発するのを防ぐ」働きのことです。この機能の中心を担っているのが、皮膚の最も外側にある「角質層(かくしつそう)」です。
角質層は、死んだ細胞(角質細胞)が何層にも重なって構成されています。この細胞と細胞のすき間を埋めているのが「細胞間脂質(さいぼうかんししつ)」と呼ばれる脂質の混合物で、特にセラミドが大きな割合を占めています。細胞間脂質はいわば「レンガとレンガのすき間を埋めるセメント」のような存在で、水分を保持しながら外部からの刺激物質の侵入を防いでいます。
また、皮膚の表面には皮脂と汗が混ざり合ってできた「皮脂膜」が存在しています。この皮脂膜が肌の表面をコーティングすることで、水分蒸発をさらに抑える役割も果たしています。皮脂膜の弱酸性という性質も、細菌の繁殖を防ぐ大切な機能の一つです。
さらに、角質層にはNMF(天然保湿因子)という水分と結びつく成分が含まれており、これがうるおいを保つ仕組みをサポートしています。セラミドや細胞間脂質、NMF、皮脂膜——これらが互いに連携して、健全なバリア機能を維持しているのです。
健康な角質層は水分量が約20〜30%程度に保たれているとされており、これを下回ると乾燥肌の状態になります。バリア機能が正常に機能している肌は、外的刺激をはね返しやすく、アレルゲンや細菌なども侵入しにくい状態にあります。
Q. 肌バリア機能とはどのような仕組みですか?
肌バリア機能とは、皮膚最外層の角質層が外部刺激や乾燥から肌を守る働きです。角質細胞の間をセラミドなどの細胞間脂質が埋め、水分蒸発を防ぎます。皮脂膜やNMF(天然保湿因子)も連携し、健康な角質層の水分量は約20〜30%に保たれています。
📋 肌バリア機能が低下するとどうなる?代表的な症状
バリア機能が低下した状態になると、さまざまな肌トラブルが生じやすくなります。代表的な症状として以下が挙げられます。
まず最も多く見られるのが乾燥です。角質層の水分保持能力が下がることで、肌がカサカサ・ガサガサした状態になります。粉が吹いたように見えたり、洗顔後すぐに突っぱり感が出たりする方は、バリア機能の低下を疑うサインの一つです。
次に多いのが肌のかゆみや赤みです。バリア機能が低下すると、外からの刺激物質や花粉・ホコリなどのアレルゲンが容易に皮膚内部へ侵入しやすくなります。その結果、皮膚の免疫反応が過剰に働き、炎症やかゆみ、赤みが引き起こされることがあります。アトピー性皮膚炎の発症・悪化にも、バリア機能の低下が深く関係していることがわかっています。
また、ニキビや吹き出物が増えることもあります。バリア機能が壊れた状態では、皮膚常在菌のバランスが乱れやすくなり、ニキビの原因となるアクネ菌が増殖しやすい環境になることがあります。
スキンケア製品がしみるという症状も、バリア機能低下のサインとしてよく報告されます。普段は問題なく使えていた化粧水や美容液が急にしみたり、ピリピリしたりする場合は、角質層にダメージが生じていることが考えられます。
さらに長期的にバリア機能が低下した状態が続くと、シワやたるみが目立ちやすくなることもあります。乾燥によるダメージが蓄積し、コラーゲンやエラスチンの減少を加速させる可能性があるためです。
💊 肌バリア機能が低下する主な原因
バリア機能を低下させる原因はさまざまありますが、代表的なものを整理してみましょう。
🦠 過剰な洗顔・クレンジング
洗顔は肌を清潔に保つために必要なケアですが、必要以上に強くこすったり、1日に何度も洗顔したりすると、皮脂膜や角質層が過剰に取り除かれてしまいます。また、洗浄力の強すぎるクレンジング剤や洗顔料の使用も、大切なセラミドや皮脂を奪う原因になります。
👴 紫外線ダメージ
紫外線(特にUVA・UVB)は皮膚に酸化ストレスを与え、細胞間脂質の構造を破壊する作用があります。日焼け止めを使わずに長時間日光にさらされると、バリア機能を担う角質細胞や細胞間脂質が傷つき、回復に時間がかかることがあります。
🔸 間違ったスキンケアの使い方
アルコール濃度が高い化粧品の多用、ピーリング剤の過剰使用、角質を削るスクラブの使いすぎなども、角質層を必要以上に薄くしてしまう原因となります。「毛穴が目立つからとにかく角質をとりたい」という気持ちから、過剰なケアをしてしまう方は要注意です。
💧 乾燥した環境
冬場の空気の乾燥や、冷暖房が効いた室内の低湿度状態は、肌から水分を奪います。特に乾燥しやすい季節や環境では、バリア機能が意識しなくても低下しやすくなります。
✨ 睡眠不足・ストレス
肌の細胞はおもに睡眠中に修復・再生されます。慢性的な睡眠不足は、肌のターンオーバー(新陳代謝)のリズムを乱し、角質層の回復を妨げます。またストレスは、コルチゾールなどのストレスホルモンの分泌を促し、皮膚の炎症を引き起こしやすくします。
📌 不規則な食生活・栄養不足
ビタミンCやビタミンE、ビタミンA、亜鉛、必須脂肪酸といった栄養素は、肌の細胞修復や細胞間脂質の生成に深く関わっています。偏った食事や過度なダイエットによる栄養不足は、肌の修復能力を下げる要因となります。
▶️ 加齢
年齢を重ねるにつれて、皮脂の分泌量の減少、セラミド合成能力の低下、ターンオーバーの遅れなどが起こります。これにより、若い頃と同じスキンケアをしていても、バリア機能が低下しやすくなっていきます。
Q. 肌バリア機能が低下する主な原因は何ですか?
バリア機能が低下する主な原因は、過剰な洗顔・クレンジングによる皮脂膜の損傷、紫外線による細胞間脂質の破壊、高濃度アルコール配合化粧品の多用、慢性的な睡眠不足やストレス、ビタミンC・亜鉛などの栄養不足、そして加齢によるセラミド合成能力の低下などが挙げられます。
🏥 肌バリア機能を回復させる正しいスキンケア方法
バリア機能を回復・維持するためには、日々のスキンケアの見直しが欠かせません。ここでは、バリア機能を回復させるための正しいスキンケアのポイントを解説します。
🔹 洗顔はやさしく、適切な洗浄力のものを選ぶ
洗顔は「適切な汚れを落とす」ことが目的であり、皮脂を完全に取り除くことではありません。アミノ酸系などのやさしい洗浄成分を使った洗顔料を選び、泡をたっぷり立てて肌にのせるようにして洗います。指の腹で肌をこすらず、泡で包んで汚れを浮かせるようなイメージで洗いましょう。洗顔後はぬるま湯でしっかりすすぎ、清潔なタオルで押さえるように水分を拭き取ることが大切です。
📍 洗顔後はすぐに保湿する
洗顔後は肌が乾燥しやすい状態になっています。洗顔後はできるだけ早く(できれば1分以内を目安に)化粧水や保湿クリームを塗布することが重要です。「時間を置いてから保湿する」という習慣をお持ちの方は、ここから見直してみましょう。
💫 化粧水・保湿クリームの正しい選び方と使い方
バリア機能回復を目的とするなら、保湿成分が豊富に含まれた製品を選ぶことがポイントです。特にセラミドを配合したスキンケア製品は、角質層の細胞間脂質を補い、バリア機能の修復をサポートする効果が期待できます。また、ヒアルロン酸やグリセリンなどの保水成分も水分保持に役立ちます。
化粧水は手のひらで肌を包み込むようにやさしく押し当てながらなじませましょう。コットンでパッティングする際も、こすらないように注意が必要です。保湿クリームや乳液は、化粧水で与えた水分にフタをするイメージで最後に塗布します。
🦠 日焼け止めは毎日必ず使う
紫外線はバリア機能を大きく傷つける要因の一つです。曇りの日や室内にいる日であっても、紫外線は窓ガラスを透過してUVAが届きます。そのため、毎日の日焼け止め使用は欠かせません。ただし、日焼け止め自体がバリア機能にとって刺激になる成分を含む場合もあるため、敏感肌向けや肌への負担が少ないものを選ぶことも大切です。
👴 過剰なケアを一度リセットする
あれこれと多くのスキンケアアイテムを重ねすぎると、逆に肌への負担になることがあります。バリア機能が低下しているときは、使用するアイテムをシンプルに絞り込むことも一つの方法です。洗顔料・化粧水・保湿クリームの3ステップに絞って、肌の回復を待つというアプローチが効果的なケースもあります。
⚠️ 生活習慣の見直しで肌バリア機能を内側から整える
スキンケアだけでなく、生活習慣の改善も肌バリア機能の回復に大きく寄与します。肌は内側からつくられているため、毎日の生活そのものが肌の状態に反映されます。
🔸 十分な睡眠をとる
睡眠中は成長ホルモンが分泌され、肌細胞の修復が活発に行われます。理想的な睡眠時間は個人差がありますが、一般的には成人で7〜8時間が目安とされています。また、就寝・起床時間を毎日一定に保つことで、体内時計が整い、ターンオーバーのリズムも安定します。
💧 バランスの良い食事を意識する
肌のバリア機能を維持・回復するために、特に意識して摂取したい栄養素があります。
ビタミンCは、コラーゲン合成を助け、抗酸化作用によって皮膚の酸化ダメージを軽減します。柑橘類や緑黄色野菜、パプリカなどに豊富に含まれています。ビタミンEも強い抗酸化作用を持ち、皮膚の細胞膜を保護する働きがあります。アーモンドやアボカド、ひまわり油などに多く含まれます。
ビタミンAは皮膚の新陳代謝を促す栄養素で、角質層の正常な形成を助けます。レバーやにんじん、ほうれん草などから摂取できます。また、オメガ3脂肪酸(青魚、えごま油、亜麻仁油などに含まれる)は細胞膜の流動性を高め、皮膚の炎症を抑える作用があるとされています。
亜鉛はセラミドや皮脂の合成に関わるミネラルです。牡蠣や牛肉、豆類などから摂取できます。これらの栄養素をバランスよく摂ることが、肌バリア機能の内側からの回復につながります。
✨ 十分な水分補給
体内の水分量が不足すると、皮膚のうるおいにも影響を及ぼします。1日に必要な水分量は体重や活動量によって異なりますが、一般的に1.5〜2リットル程度の水分摂取が推奨されています。コーヒーや緑茶などカフェインを含む飲み物には利尿作用があるため、水やノンカフェインのハーブティーを中心に水分を摂るのが理想的です。
📌 ストレス管理を意識する
ストレスは自律神経やホルモンバランスの乱れを引き起こし、肌のバリア機能に悪影響を与えます。適度な運動、趣味の時間、深呼吸やヨガ、マインドフルネスなどのリラクゼーション法を取り入れてストレスをうまくコントロールすることが、肌の健康維持に役立ちます。
▶️ 適度な運動で血行を促進する
運動によって全身の血液循環が改善されると、皮膚細胞への栄養や酸素の供給も向上します。また、適度な発汗は皮脂膜の形成を助け、自然なうるおいを保ちやすくします。激しすぎる運動は活性酸素を増やすことがあるため、ウォーキングや軽いジョギング、水泳といった有酸素運動を無理のない範囲で継続するのが理想的です。
Q. バリア機能回復に効果的なスキンケア成分は何ですか?
バリア機能の回復に特に重要な成分は「セラミド」で、角質層の細胞間脂質を直接補います。あわせてヒアルロン酸・グリセリンで水分を保持し、ナイアシンアミドがセラミド生成を促進します。スクワランやパンテノールも皮膚修復をサポートします。成分表示の前半に記載された製品を選ぶと効果的です。
🔍 避けるべきNGスキンケアと日常習慣
バリア機能の回復を妨げるNG習慣についても把握しておくことが大切です。知らず知らずのうちに、肌を傷つけているケースが少なくありません。
🔹 熱すぎるお湯での洗顔・入浴
高温のお湯は皮脂膜を過剰に流し去ってしまいます。洗顔はぬるま湯(32〜34℃程度)で行い、長時間の熱いお風呂も控えることが望ましいです。入浴後は素早く保湿を行いましょう。
📍 肌のこすりすぎ
洗顔時の強いこすり洗い、タオルでのゴシゴシ拭き取り、メイクをなじませる際の強い力——こうした摩擦刺激はバリア機能を大きく傷つけます。洗顔もスキンケアも、できるだけやさしくていねいに行う習慣をつけましょう。
💫 ピーリングやスクラブの使いすぎ
古い角質を除去するピーリングやスクラブは、適切な頻度であれば肌のターンオーバーをサポートする効果が期待できます。しかし、使いすぎると角質層が薄くなりすぎてバリア機能が大幅に低下します。特にバリア機能が低下していると感じるときは、ピーリングやスクラブの使用は一時中断するか、頻度を大幅に減らすことを検討してください。
🦠 高濃度アルコールを含む化粧品の多用
アルコール(エタノール)はさっぱりした使い心地や防腐効果のために化粧品に使用されることが多いですが、高濃度だと皮膚の脂質を溶かし、角質層を傷つける原因になります。敏感肌やバリア機能が低下しているときは、アルコールフリーや低刺激の製品を選ぶようにしましょう。
👴 喫煙・過度な飲酒
喫煙は皮膚の微小循環を悪化させ、ビタミンCを大量に消費するため、肌のターンオーバーや修復に必要な栄養素が不足しやすくなります。過度な飲酒も、肌の水分を奪い、ビタミンやミネラルの代謝を乱す要因となります。バリア機能の回復を目指すなら、喫煙の禁止と節度ある飲酒を心がけましょう。
🔸 メイクしたまま寝る

メイクをしたまま寝ることは、肌の呼吸を妨げるだけでなく、毛穴詰まりやニキビの原因になります。また、クレンジング不足によって酸化した皮脂や化粧品成分が長時間肌に触れることで、炎症を引き起こす可能性があります。クレンジングは肌に負担をかけすぎない製品をやさしく使い、毎晩必ずメイクを落としてから就寝するようにしましょう。
📝 バリア機能回復に役立つ成分とその選び方
スキンケア製品を選ぶ際に、バリア機能の修復・強化に効果が期待できる成分を知っておくと、より適切な製品を選びやすくなります。
💧 セラミド
セラミドは角質層の細胞間脂質の主成分で、バリア機能を直接補う成分として最も重要です。皮膚科学の分野でも数多くの研究が行われており、アトピー性皮膚炎など乾燥・敏感肌のケアに広く使われています。成分表に「セラミド」「セラミドNP」「セラミドAP」「セラミドEOP」などと記載されているものを探してみましょう。植物由来のセラミドや合成セラミドなど種類はさまざまですが、いずれもバリア機能の補修に役立つとされています。
✨ ヒアルロン酸
ヒアルロン酸は元々皮膚に存在している保水成分で、1gあたり最大6リットルもの水を保持できるとも言われる高い保水力が特徴です。分子量の異なるヒアルロン酸を組み合わせることで、角質層の内側まで保水効果が届くように設計された製品も多くあります。
📌 グリセリン・BG(ブチレングリコール)
グリセリンやBGは保湿剤として広く使用されている成分で、角質層に水分を引きつける働きがあります。刺激が少なく、敏感肌にも使いやすい成分として知られています。
▶️ ナイアシンアミド(ビタミンB3)
ナイアシンアミドはセラミドの生成を促進する作用があるとされており、バリア機能の強化に役立つとして近年注目されている成分です。皮膚の炎症を抑える効果や、くすみ改善・毛穴の目立ちを改善する効果も期待されています。比較的低刺激で、さまざまな肌質に対応しやすい成分です。
🔹 スクワラン・ホホバオイル
スクワランやホホバオイルは皮脂に近い構造を持つオイルで、皮脂膜の補強や肌の水分蒸発を防ぐ役割が期待できます。特に乾燥が激しいときや、夜のスキンケアの最後に少量使用することで、翌朝の肌のうるおいを保ちやすくなります。
📍 アラントイン・パンテノール(プロビタミンB5)
アラントインは皮膚の修復・再生を助ける成分として知られており、炎症を鎮める作用も持っています。パンテノールはプロビタミンB5とも呼ばれ、皮膚の修復を促しながら保水効果も発揮します。肌荒れやバリア機能低下が気になるときに積極的に選びたい成分です。
💫 成分表示の読み方のポイント
化粧品の成分表示は、含有量が多い順に記載されているのが基本です(ただし1%以下の成分は任意の順序)。重視している成分がリストの前半に記載されているものを選ぶと、より高い効果が期待できます。また、「無香料・無着色・アルコールフリー・パラベンフリー」などの表記は、バリア機能が低下しているときに肌への刺激を減らすための目安になります。
Q. セルフケアで改善しない場合はどうすればよいですか?
セルフケアを継続してもバリア機能の低下が改善しない場合や、かゆみ・赤みが続く場合は、皮膚科や美容クリニックへの受診が推奨されます。アイシークリニックでは、水光注射やプラズマ治療・フォトフェイシャルなど医療的アプローチを、肌状態を診察したうえで提案しています。アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患が隠れているケースもあります。
💡 自己ケアで改善しない場合は皮膚科・美容クリニックへ
日々のスキンケアや生活習慣の改善を継続しても、バリア機能の低下が改善しない場合や、症状が悪化するような場合は、専門の医療機関を受診することをお勧めします。
🦠 皮膚科での診察・治療
皮膚科では、バリア機能低下の原因となっている疾患(アトピー性皮膚炎・接触性皮膚炎・脂漏性皮膚炎・乾癬など)を診断し、適切な薬物療法を行います。保険診療の範囲内で、炎症を抑えるステロイド外用薬や、セラミドを補う医療用保湿クリームなどが処方されることがあります。
自己判断でのケアに限界を感じた場合、特に「肌のかゆみや赤みが強い」「広範囲に皮膚トラブルが出ている」「市販の保湿剤では改善しない」といった場合は、早めに皮膚科への受診を検討しましょう。
👴 美容クリニックでできるバリア機能改善のアプローチ
美容クリニックでは、より積極的なアプローチでバリア機能の回復・改善をサポートするメニューが用意されていることがあります。
水光注射(スキンブースター)は、ヒアルロン酸や保湿成分を皮膚の真皮層に直接注入することで、角質層の内側から深くうるおいを補う治療です。肌の水分量を急激に引き上げ、バリア機能の補強に役立つとされています。
プラズマ治療は、窒素やアルゴンなどのガスをプラズマ化して皮膚に当てることで、皮膚の修復・再生を促します。炎症を鎮める効果もあり、敏感肌やバリア機能が低下した肌への応用が研究・実施されています。
フォトフェイシャル(IPL)は、広波長の光を照射することで、肌のターンオーバーを整え、コラーゲン生成を促す効果が期待されます。肌質を根本から改善したい場合に選択されることがあります。
また、医療機関で処方される高濃度のビタミンCやレチノイン酸(トレチノイン)などの外用薬は、肌の新陳代謝を促し、コラーゲン生成を助けることでバリア機能の強化に貢献します。ただし、トレチノインは使用初期に乾燥・赤みが出やすいため、医師の指示のもとで適切に使用することが必要です。
アイシークリニック渋谷院では、患者様一人ひとりの肌状態をしっかりと診察したうえで、最適なスキンケアプランや医療的アプローチをご提案しています。「どこに相談したらいいかわからない」とお悩みの方も、まずはお気軽にご相談ください。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、バリア機能の低下を自覚せずに過剰なスキンケアを重ねることで、かえって症状を悪化させてしまっている患者様が多くいらっしゃいます。最近の傾向として、洗顔やピーリングのしすぎによる「角質層の薄さすぎ」が原因で受診される方が増えており、まずはスキンケアをシンプルに絞り込み、セラミド配合の保湿剤でていねいにケアすることをお勧めしています。セルフケアで改善が感じられない場合や、かゆみ・赤みが続く場合は、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患が隠れていることもありますので、どうぞお気軽にご相談ください。」
✨ よくある質問
主なサインとして、肌の乾燥やカサつき、洗顔後の強い突っぱり感、かゆみや赤み、普段使っている化粧水がしみる感覚などが挙げられます。これらの症状が複数あてはまる場合、バリア機能が低下している可能性があります。気になる症状が続く場合は、皮膚科への相談をおすすめします。
特に重要なのが「セラミド」です。角質層の細胞間脂質を直接補い、バリア機能の修復をサポートします。あわせてヒアルロン酸やグリセリンで水分を補い、ナイアシンアミドでセラミド生成を促すことも効果的です。成分表示でこれらが前半に記載された製品を選ぶと、より高い効果が期待できます。
洗顔のしすぎや強いこすり洗いは、皮脂膜や角質層を過剰に傷つける原因になります。アミノ酸系などのやさしい洗顔料を使い、たっぷりの泡で包むように洗うことが大切です。すすぎはぬるま湯(32〜34℃程度)で行い、洗顔後はタオルで押さえるように水分を拭き取りましょう。
睡眠中は成長ホルモンが分泌され、肌細胞の修復が活発になります。睡眠不足はターンオーバーを乱し、バリア機能の回復を妨げます。また、ビタミンC・E・A、亜鉛、オメガ3脂肪酸などの栄養素はバリア機能の維持に不可欠です。バランスの良い食事と7〜8時間の睡眠を意識しましょう。
アイシークリニックでは、肌状態を丁寧に診察したうえで最適な治療をご提案しています。水光注射(スキンブースター)によるヒアルロン酸の真皮注入や、プラズマ治療、フォトフェイシャルなど、バリア機能の回復・改善をサポートする医療的アプローチが可能です。かゆみや赤みが続く場合は、皮膚疾患が隠れている可能性もあるため、早めにご相談ください。
📌 まとめ
肌バリア機能は、外からの刺激を防ぎながら内側のうるおいを保つために欠かせない、皮膚の重要な防御システムです。過剰な洗顔、紫外線ダメージ、誤ったスキンケア、睡眠不足、栄養の偏り、ストレスなど、さまざまな要因によって低下してしまうことがあります。
バリア機能の回復には、まず正しいスキンケアの習慣を取り戻すことが第一歩です。やさしい洗顔と適切な保湿、日焼け止めの毎日使用を徹底しましょう。それと同時に、十分な睡眠・バランスの良い食事・水分補給・ストレス管理といった生活習慣の改善も、肌を内側から整えるために非常に重要です。
また、スキンケア製品を選ぶ際はセラミドやヒアルロン酸、ナイアシンアミドなどバリア機能の修復に役立つ成分に着目し、自分の肌状態に合ったものを選ぶことが大切です。高刺激な成分を含む製品や過剰なピーリング、こすりすぎといったNG習慣は今すぐ見直しましょう。
セルフケアを続けても改善が見られない場合、あるいは症状が強い場合は、専門の皮膚科や美容クリニックへの受診を検討してください。医療機関では原因の特定から適切な治療まで、より専門的なサポートを受けることができます。自分の肌のサインをきちんと受け取りながら、無理なく継続できるケアを積み重ねることが、健やかな肌バリア機能の回復・維持への近道です。
📚 関連記事
- 季節の変わり目に悩む乾燥肌の原因と対策を徹底解説
- ゆらぎ肌の対策とスキンケア方法|原因から正しいケアまで徹底解説
- 敏感肌の日焼け止めの選び方|肌に優しい成分や使用時の注意点を解説
- 日焼け止めで肌荒れが起きる原因と対策|正しいスキンケアで肌を守る方法
- ニキビに効く薬を皮膚科で処方してもらうメリットと治療の流れを解説
📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – アトピー性皮膚炎におけるバリア機能低下のメカニズム、セラミドをはじめとする細胞間脂質の役割、および乾燥肌・敏感肌に対する標準的なスキンケア指導に関する医学的根拠として参照
- 厚生労働省 – 睡眠不足やストレスが自律神経・ホルモンバランスに与える影響、および肌のターンオーバーへの関与に関する生活習慣改善の根拠として参照
- PubMed – セラミド配合保湿剤によるバリア機能修復効果、ナイアシンアミドやヒアルロン酸の皮膚科学的有効性、紫外線による細胞間脂質へのダメージに関する国際的な査読済み研究論文群として参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務