はじめに
皮膚や皮下にできる「しこり」は、多くの方が一度は経験する身近な症状です。触れると硬く、痛みを伴う場合もあれば、全く痛みのないものまでさまざまです。渋谷エリアで生活されている方の中にも、しこりが気になって医療機関への受診を検討されている方は少なくないでしょう。
しこりには良性のものから悪性のものまで幅広い種類があり、適切な診断と治療が重要です。本記事では、しこりの基礎知識から手術による治療法、渋谷でしこりの手術を受ける際のポイントまで、包括的に解説いたします。
しこりとは何か
しこりとは、皮膚や皮下組織、さらには深部組織に生じる腫瘤の総称です。医学的には「腫瘤(しゅりゅう)」や「結節(けっせつ)」とも呼ばれます。触診で確認できる硬い塊として認識されることが多く、その大きさは数ミリメートルから数センチメートル以上までさまざまです。
しこりができる原因は多岐にわたります。炎症性のもの、腫瘍性のもの、外傷によるものなど、発生機序も異なります。重要なのは、しこりの多くは良性であるものの、中には悪性腫瘍や早期治療が必要な疾患が隠れている可能性があるということです。
しこりの主な特徴
しこりを評価する際には、以下のような特徴に注目します。
大きさと形状については、直径や立体的な広がりを確認します。円形のものもあれば、不整形のものもあります。硬さの程度も重要で、柔らかいものから石のように硬いものまで存在します。
可動性も診断の手がかりとなります。皮膚や深部組織との癒着がない場合、しこりは比較的自由に動きますが、周囲組織と強く結合している場合は動きが制限されます。
色調の変化も見逃せません。皮膚表面の色が赤くなっている、青みがかっている、黒ずんでいるなどの変化は、しこりの性質を知る重要な情報です。
痛みの有無や圧痛の程度も診断に役立ちます。炎症を伴うしこりは痛みを生じることが多い一方、良性腫瘍の多くは無痛性です。
しこりの種類と特徴
しこりには実に多様な種類が存在します。ここでは、日常診療でよく遭遇する代表的なしこりについて解説します。
粉瘤(アテローム)
粉瘤は皮下に発生する良性の嚢胞性病変で、しこりの中でも特に頻度の高いものです。皮膚の表皮成分が真皮内や皮下に落ち込んで袋状の構造を形成し、その中に角質や皮脂などの内容物が蓄積されることで生じます。
粉瘤の特徴として、中央部に小さな開口部(へそ)が見られることがあります。触診では弾力性のある球形の腫瘤として触れ、通常は痛みを伴いませんが、細菌感染を起こすと急速に増大し、発赤や疼痛、化膿を来すことがあります。
日本皮膚科学会の報告によれば、粉瘤は年齢や性別を問わず発生し、顔面、頸部、背部、臀部などに好発します。自然治癒することはなく、根治的な治療には手術による摘出が必要です。
脂肪腫
脂肪腫は成熟した脂肪細胞からなる良性腫瘍です。皮下に発生することが最も多く、柔らかく弾力性のある腫瘤として触知されます。
脂肪腫は一般的にゆっくりと成長し、痛みを伴わないことがほとんどです。表面は滑らかで、皮膚との癒着はなく、周囲組織との境界も比較的明瞭です。大きさは数センチメートル程度のものが多いですが、時に10センチメートルを超える巨大なものも存在します。
多発することもあり、体幹や四肢の近位部に好発します。診断は触診と画像検査で行い、悪性との鑑別が重要な場合もあります。
リンパ節腫脹
リンパ節の腫れもしこりとして認識されることがあります。頸部、腋窩、鼠径部などのリンパ節が集まる部位に触知されます。
リンパ節腫脹の原因は感染症、炎症性疾患、悪性腫瘍など多岐にわたります。感染に伴う反応性のリンパ節腫脹は、原因となる感染症の治療により縮小することが多いですが、持続する場合や急速に増大する場合は精査が必要です。
表皮嚢腫
表皮嚢腫は粉瘤と類似した病変ですが、より表層に位置し、毛包との関連が指摘されています。顔面や頭部に好発し、白色または黄色調の小結節として認められます。
ガングリオン
ガングリオンは関節や腱鞘の周囲に発生する嚢胞性の腫瘤です。内部にゼリー状の粘液が貯留しており、手首や手指、足首などに好発します。硬さは比較的柔らかく、圧迫すると一時的に縮小することがあります。
皮様嚢腫
皮様嚢腫は先天性の嚢胞で、眼窩周囲や頭部に発生しやすい病変です。胎生期の組織の癒合不全により生じると考えられており、内部には皮膚付属器由来の成分が含まれます。
血管腫
血管腫は血管の異常増殖により形成される腫瘤です。表在性のものは赤色や青色調を呈し、圧迫により退色することが特徴です。小児期に発生することが多いですが、成人でも認められます。
その他の良性腫瘍
その他にも、神経鞘腫、線維腫、軟骨腫、骨腫など、さまざまな良性腫瘍がしこりとして認識されることがあります。
悪性腫瘍の可能性
しこりの中には悪性腫瘍が含まれることもあります。皮膚がん、軟部肉腫、悪性リンパ腫などが代表的です。以下のような特徴がある場合は、悪性の可能性を考慮して早期の精査が必要です。
急速に増大するしこり、硬く不整形で可動性が乏しいもの、潰瘍を形成しているもの、周囲のリンパ節腫脹を伴うものなどは注意が必要です。
しこりの診断方法
しこりの適切な治療を行うためには、正確な診断が不可欠です。診断は問診、視診、触診から始まり、必要に応じて各種検査が実施されます。
問診と身体診察
医師はまず、しこりに気づいた時期、大きさの変化、痛みの有無、その他の症状について詳しく問診します。既往歴や家族歴、服用中の薬剤なども診断の参考になります。
視診では、しこりの位置、大きさ、形状、色調、皮膚表面の変化などを観察します。触診では、硬さ、可動性、圧痛、深さ、周囲組織との関係などを評価します。
超音波検査(エコー検査)
超音波検査は、しこりの評価において非常に有用な検査です。非侵襲的で痛みもなく、リアルタイムで病変の内部構造を観察できます。
嚢胞性か充実性か、血流の有無、深さや周囲組織との関係などを詳細に評価できます。粉瘤、脂肪腫、ガングリオンなどの鑑別にも有効です。
CT検査・MRI検査
より詳細な評価が必要な場合や、深部の病変、骨や関節との関係を評価する場合には、CT検査やMRI検査が実施されることがあります。
これらの検査では、病変の正確な位置、大きさ、周囲組織への浸潤の有無などを三次元的に把握できます。特にMRI検査は軟部組織のコントラストに優れており、腫瘍の性状評価に有用です。
穿刺吸引細胞診・生検
悪性腫瘍が疑われる場合や、診断確定のために組織学的検査が必要な場合には、細い針で内容物や細胞を採取する穿刺吸引細胞診や、組織の一部を採取する生検が行われることがあります。
これらの検査により、細胞や組織の性質を顕微鏡で詳しく観察し、良性か悪性かの判断や、具体的な診断名の確定が可能になります。
血液検査
必要に応じて、炎症反応の評価や全身状態の把握、腫瘍マーカーの測定などを目的として血液検査が実施されることもあります。
しこりの治療法
しこりの治療法は、その種類、大きさ、部位、症状、患者さんの希望などによって決定されます。主な治療法について解説します。
経過観察
小さく無症状の良性腫瘍で、美容上の問題もない場合は、定期的な経過観察が選択されることもあります。ただし、大きさの変化や症状の出現に注意し、変化があれば速やかに医療機関を受診することが重要です。
薬物療法
炎症を伴うしこりや感染性のリンパ節腫脹などでは、抗生物質や抗炎症薬による治療が行われることがあります。ただし、粉瘤や脂肪腫などの腫瘍性病変は、薬物療法のみでは根治できません。
穿刺吸引
ガングリオンなどの嚢胞性病変では、注射針で内容液を吸引する治療が行われることがあります。ただし、再発率が高いという欠点があります。
手術療法
多くのしこりにおいて、根治的な治療として手術による摘出が選択されます。手術には、局所麻酔下での日帰り手術から、全身麻酔が必要な入院手術まで、病変の性質や大きさに応じてさまざまな方法があります。
しこりの手術について
ここでは、しこりの手術療法について詳しく解説します。
手術の目的
しこりの手術には、以下のような目的があります。
第一に、病変の完全な除去による根治です。粉瘤や脂肪腫などは、手術により袋ごと完全に摘出することで再発を防ぐことができます。
第二に、確定診断の獲得です。摘出した組織を病理検査に提出することで、正確な診断が得られます。
第三に、症状の改善です。痛みや違和感、機能障害を引き起こしているしこりを除去することで、症状が改善されます。
第四に、美容的な改善です。目立つ部位のしこりは、美容上の問題となることがあり、手術により改善が期待できます。
手術適応の判断
手術が推奨されるのは、以下のような場合です。
悪性腫瘍が疑われる場合は、早急な手術が必要です。また、良性であっても大きさが増大傾向にある場合、痛みや機能障害を伴う場合、感染を繰り返す場合、美容上の問題が大きい場合などは、手術の適応となります。
一方で、全身状態が手術に耐えられない場合や、手術のリスクが利益を上回る場合などは、手術以外の治療法や経過観察が選択されることもあります。
手術の方法
しこりの手術法は、病変の種類や部位によって異なります。
最も一般的なのは、切開法による摘出術です。皮膚を切開し、しこりを周囲組織から剥離して摘出します。粉瘤の場合は、袋(嚢胞壁)を破らないように慎重に摘出することが重要です。袋が残ると再発の原因となります。
小さな粉瘤に対しては、くりぬき法(へそ抜き法)という方法も用いられます。これは、粉瘤の開口部から特殊な器具を用いて内容物と嚢胞壁を除去する方法で、切開創が小さく済むという利点があります。
脂肪腫の場合は、腫瘍を包む被膜ごと摘出します。境界が明瞭な場合は比較的容易に摘出できますが、大きなものや深部に及ぶものは、より広範な切開が必要になることがあります。
麻酔方法
多くのしこり手術は、局所麻酔で行われます。局所麻酔では、手術部位の周囲に麻酔薬を注射することで、痛みを感じなくします。意識は清明なまま手術を受けることができ、日帰り手術が可能です。
大きな病変や深部の病変、広範囲の切除が必要な場合などは、全身麻酔や静脈麻酔が選択されることもあります。
手術時間
手術時間は、しこりの大きさや部位、複雑さによって異なります。小さな粉瘤のくりぬき法では15分から30分程度、通常の切開摘出術では30分から1時間程度が目安です。
複数のしこりを同時に摘出する場合や、大きく複雑な病変の場合は、より長い時間を要することもあります。
入院の必要性
多くのしこり手術は日帰りで行われます。局所麻酔下での手術であれば、術後数時間の安静の後、問題がなければ帰宅できます。
ただし、全身麻酔を要する場合や、広範囲の切除が必要な場合、術後の経過観察が必要な場合などは、入院が必要になることもあります。
手術創の縫合と傷跡
手術後は、創部を縫合します。縫合には、吸収性の糸を用いる場合と、非吸収性の糸を用いて後日抜糸が必要な場合があります。
形成外科的な技術を用いて丁寧に縫合することで、傷跡を目立ちにくくすることが可能です。顔面など目立つ部位では、特に繊細な縫合が求められます。
病理検査
摘出した組織は、病理検査に提出されます。顕微鏡で組織の詳細な観察を行い、最終的な診断が確定します。結果が出るまでには、通常1週間から2週間程度かかります。
術後の経過とケア
手術後の適切なケアは、合併症の予防と良好な治癒のために重要です。
術直後の注意点
手術当日は、患部の安静を保ち、激しい運動や入浴は避けます。シャワーは許可されることが多いですが、患部を濡らさないよう注意が必要です。
麻酔が切れると痛みを感じることがあります。処方された鎮痛薬を適切に使用しましょう。腫れや内出血が生じることもありますが、通常は数日で改善します。
創部の管理
術後は、創部を清潔に保つことが重要です。医師の指示に従って、適切に処置を行います。ガーゼ交換が必要な場合は、定期的に行います。
化膿や感染の兆候(発赤の拡大、熱感の増強、膿の排出、発熱など)があれば、速やかに医療機関に連絡してください。
抜糸
非吸収性の糸で縫合した場合は、術後1週間から2週間程度で抜糸を行います。抜糸のタイミングは、創部の部位や状態によって異なります。
吸収性の糸を使用した場合は、抜糸は不要です。糸は徐々に体内で分解され、数週間から数ヶ月で自然に消失します。
傷跡のケア
抜糸後は、傷跡のケアが重要です。紫外線は傷跡を色素沈着させる原因となるため、日焼け止めの使用や、衣類での保護が推奨されます。
傷跡を目立たなくするためのテープやクリームなどもあります。医師と相談しながら、適切なケア方法を選択しましょう。
傷跡は、時間の経過とともに徐々に目立たなくなっていきます。完全に落ち着くまでには、数ヶ月から1年程度かかることもあります。
再発の可能性
粉瘤などの嚢胞性病変は、不完全な摘出では再発する可能性があります。経験豊富な医師による適切な手術であれば、再発率は低く抑えられます。
再発を疑う症状があれば、早めに医療機関を受診してください。
日常生活への復帰
多くの場合、手術翌日からデスクワークなどの軽作業は可能です。ただし、患部に負担がかかる重労働や激しい運動は、抜糸後または医師の許可が出るまで控えることが推奨されます。
入浴は、抜糸後から許可されることが一般的です。それまではシャワーを使用し、患部を濡らさないようにします。
渋谷でしこりの手術を受けるメリット
渋谷エリアは、東京の中心地として交通アクセスが非常に優れており、多様な医療機関が集積しています。しこりの手術を受ける場所として、渋谷には多くのメリットがあります。
アクセスの良さ
渋谷駅は、JR、東京メトロ、東急電鉄、京王電鉄などが乗り入れる一大ターミナル駅です。都内各地はもちろん、神奈川県や埼玉県からのアクセスも良好で、通院の負担が少ないのが特徴です。
仕事帰りや買い物のついでに受診することも可能で、日常生活に手術や通院を無理なく組み込むことができます。
医療機関の選択肢
渋谷エリアには、皮膚科、形成外科、美容外科など、しこりの治療に対応できる多様な医療機関があります。自分のニーズに合った医療機関を選択できる環境が整っています。
最新の医療設備と技術
都心部の医療機関では、最新の医療機器や技術が導入されていることが多く、質の高い診断と治療を受けることができます。
周辺施設の充実
渋谷エリアには、商業施設や飲食店なども充実しており、受診前後の時間を有効に活用できます。待ち時間を利用した買い物や、術後の休憩場所にも困りません。
アイシークリニック渋谷院の特徴
アイシークリニック渋谷院は、しこりの診断と治療に特化した専門性の高い医療機関です。
専門性の高い診療
当院では、粉瘤、脂肪腫をはじめとする皮下腫瘍の診断と手術治療に豊富な経験を有しています。正確な診断に基づいた、適切な治療方針を提案いたします。
日帰り手術への対応
多くのしこり手術は、日帰りで対応可能です。忙しい方でも、生活への影響を最小限に抑えながら治療を受けていただけます。
丁寧な説明とインフォームドコンセント
治療前には、しこりの状態、治療方法、手術のリスクと利益、術後のケアなどについて、丁寧にご説明いたします。患者さんが十分に理解し、納得した上で治療を受けていただけるよう努めています。
形成外科的配慮
手術に際しては、機能面はもちろん、美容面にも配慮した治療を心がけています。できる限り傷跡が目立たないよう、丁寧な手術手技と適切な術後ケアを提供いたします。
充実したアフターケア
術後の経過観察や創部のケア、傷跡の管理まで、きめ細やかなフォローアップを行っています。何か心配なことがあれば、いつでもご相談いただけます。
しこり手術の費用について
しこりの手術費用は、診断名、手術方法、保険適用の有無などによって異なります。
保険診療の場合
医学的に治療が必要と判断される良性腫瘍や、悪性の疑いがある病変の手術は、健康保険が適用されます。患者さんの自己負担割合に応じて、実際の支払い額が決まります。
粉瘤や脂肪腫などの良性腫瘍の摘出術は、多くの場合、保険診療で行われます。厚生労働省が定める診療報酬点数に基づいて費用が算定されます。
自由診療の場合
美容目的のみの場合や、保険適用外の特殊な治療法を希望される場合は、自由診療となります。費用は医療機関によって設定が異なります。
費用の目安
具体的な費用については、診察時に医師や受付スタッフにお尋ねください。診断や治療方針が確定した後、詳細な費用説明を受けることができます。

よくある質問
しこりの手術に関して、患者さんからよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
良性のしこりであれば、直ちに生命に危険が及ぶことはありません。しかし、大きくなったり、感染を起こしたり、悪性の可能性が否定できない場合もあります。気になるしこりがあれば、まずは医療機関で診察を受けることをお勧めします。
局所麻酔を使用するため、手術中の痛みはほとんどありません。麻酔の注射時にチクッとした痛みを感じることはありますが、その後は痛みを感じずに手術を受けられます。術後は、麻酔が切れると多少の痛みを感じることがありますが、処方される鎮痛薬で対処可能です。
手術当日は仕事を休む必要がありますか
デスクワークなど、体に負担の少ない仕事であれば、手術当日や翌日から可能な場合もあります。ただし、患部の場所や手術の規模によっては、数日間の安静が必要な場合もあります。個別の状況について、医師と相談してください。
傷跡は残りますか
手術である以上、傷跡が全く残らないということはありません。しかし、形成外科的な技術を用いて丁寧に縫合することで、傷跡を目立ちにくくすることは可能です。時間の経過とともに、傷跡は徐々に目立たなくなっていきます。
再発することはありますか
粉瘤などの嚢胞性病変は、袋を完全に摘出すれば再発することはほとんどありません。ただし、不完全な摘出や、複数の病変が存在する場合には、再発や新たな病変の出現の可能性があります。
悪性かどうかはいつわかりますか
手術で摘出した組織を病理検査に提出し、顕微鏡で詳しく調べることで、良性か悪性かの最終診断が確定します。結果が出るまでには、通常1週間から2週間程度かかります。
手術前に準備することはありますか
特別な準備は必要ありませんが、服用中の薬がある場合は事前に医師に伝えてください。特に、血液をサラサラにする薬(抗凝固薬、抗血小板薬)を服用している場合は、手術前に中止や変更が必要な場合があります。
また、手術当日は、患部周辺のメイクやヘアスタイリング剤の使用を控えることをお勧めします。
複数のしこりを同時に手術できますか
可能な場合が多いです。ただし、手術時間が長くなること、患部の範囲が広がることなどから、患者さんの負担も大きくなります。個別の状況に応じて、医師と相談の上、最適な治療計画を立てます。
しこりの予防について
すべてのしこりを予防することは困難ですが、以下のような点に注意することで、リスクを減らすことができます。
皮膚の清潔を保つ
日常的に皮膚を清潔に保つことで、毛穴の詰まりや炎症を防ぎ、粉瘤などの発生リスクを低減できます。
外傷に注意する
打撲や切創などの外傷は、血腫や瘢痕組織の形成につながることがあります。日常生活での怪我には注意しましょう。
生活習慣の改善
バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠など、健康的な生活習慣は、免疫機能を維持し、様々な疾患の予防につながります。
定期的な自己チェック
自分の体を定期的に観察し、新たなしこりの出現や、既存のしこりの変化に早く気づくことが重要です。変化を感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。
専門医に相談すべきタイミング
以下のような場合は、速やかに医療機関を受診することをお勧めします。
新しいしこりを見つけたときは、自己判断せずに専門医の診察を受けましょう。特に、短期間で急速に大きくなる場合は、早急な受診が必要です。
しこりに痛みや発赤、熱感などの炎症症状を伴う場合も、感染の可能性があるため、早めの受診が推奨されます。
硬く不整形で可動性が乏しいしこり、潰瘍を形成しているしこり、リンパ節腫脹を伴う場合なども、悪性の可能性を考慮して精査が必要です。
以前から存在するしこりでも、大きさや性状に変化が見られた場合は、再度診察を受けることが重要です。
まとめ
しこりは身近な症状ですが、その原因は多岐にわたり、適切な診断と治療が重要です。多くは良性ですが、中には悪性腫瘍や早期治療が必要な疾患も含まれるため、気になるしこりがあれば自己判断せず、専門医の診察を受けることをお勧めします。
渋谷エリアは、アクセスの良さと医療機関の充実度から、しこりの診断と治療を受けるのに適した環境です。アイシークリニック渋谷院では、しこりの診療に豊富な経験を有する医師が、正確な診断と適切な治療を提供いたします。
手術は、多くのしこりにおいて根治的な治療法となります。局所麻酔での日帰り手術が可能な場合も多く、日常生活への影響を最小限に抑えながら治療を受けることができます。手術方法、リスクと利益、術後のケアなどについて、十分な説明を受け、納得した上で治療を選択することが大切です。
しこりでお悩みの方は、ぜひ一度、専門医にご相談ください。早期の適切な対応が、良好な治療結果につながります。
参考文献
- 日本皮膚科学会 https://www.dermatol.or.jp/
- 日本形成外科学会 https://www.jsprs.or.jp/
- 厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/
- MSDマニュアル家庭版 https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務