ワキの汗やニオイに悩み、「ミラドライ」という治療法にたどり着いた方も多いのではないでしょうか。ミラドライは、メスを使わずにワキガや多汗症を改善できる画期的な治療法として注目を集めています。特に渋谷エリアは交通アクセスが良く、多くのクリニックが集まっているため、治療を検討される方にとって選択肢が豊富です。しかし、同じミラドライでもクリニックや医師によって効果に差が出ることがあるため、どのクリニックで誰に施術してもらうかは非常に重要なポイントとなります。
本記事では、ワキガや多汗症でお悩みの方に向けて、ミラドライの仕組みや効果、名医の選び方、渋谷で治療を受ける際のポイントまで、詳しく解説していきます。この記事を読むことで、ミラドライ治療に対する不安を解消し、自分に合ったクリニック選びができるようになるでしょう。
目次
- ワキガ・多汗症とは何か
- ミラドライとはどのような治療法か
- ミラドライの効果と仕組み
- ミラドライと他の治療法との比較
- ミラドライの施術の流れ
- ミラドライの名医の選び方
- 渋谷でミラドライを受ける際のポイント
- ダウンタイムと術後の注意事項
- ミラドライのよくある質問
- まとめ
1. ワキガ・多汗症とは何か
ワキガ(腋臭症)について
ワキガは医学的には「腋臭症(えきしゅうしょう)」と呼ばれ、ワキの下から特有のニオイを発する状態を指します。このニオイの原因となるのは、皮膚に存在する「アポクリン汗腺」から分泌される汗です。
人間の体には「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」という2種類の汗腺があります。エクリン汗腺は全身に分布しており、主に体温調節のためにサラサラとした汗を分泌します。一方、アポクリン汗腺はワキの下、耳の中、乳輪、陰部など限られた部位にのみ存在し、脂質やタンパク質、アンモニアなどを含んだ粘性のある汗を分泌します。
アポクリン汗腺から分泌された汗自体は無臭ですが、汗に含まれる脂肪酸が皮膚表面に存在する常在菌(主に表皮ブドウ球菌)によって分解されることで、ワキガ特有のニオイが発生します。ワキガ体質の方は、アポクリン汗腺の数が多く、一つひとつの汗腺が大きいため、分泌される汗の量も多くなり、結果としてニオイが強くなるのです。
ワキガは遺伝的な要因が大きく関係しています。両親のどちらかがワキガ体質である場合は約50%、両親ともにワキガ体質である場合は約80%の確率で子どもに遺伝するとされています。また、ワキガはABCC11遺伝子が関与していることが近年の研究で明らかになっており、耳垢が湿っている(軟耳垢)タイプの方はワキガ体質である可能性が高いとされています。
欧米では人口の約70〜100%がワキガ体質であるのに対し、日本人では約10%程度と少数派です。そのため、日本ではワキガに対する周囲の目が厳しく、悩みが深刻化しやすい傾向があります。ワキガの発症時期は主に思春期(第二次性徴期)からで、性ホルモンの影響によってアポクリン汗腺の活動が活発になることが原因です。女性では初潮の頃、男性では18歳前後に発症することが多く、20代でピークを迎えるとされています。
多汗症について
多汗症とは、体温調節に必要な量を超えた過剰な発汗がみられる疾患です。日常生活に支障をきたすほどの汗をかいてしまい、汗ジミや手の汗による不快感などに悩まされます。
多汗症には、全身に汗が出る「全身性多汗症」と、体の特定の部位に汗が出る「局所多汗症」があります。さらに、明らかな原因が存在しない「原発性多汗症」と、病気や服用している薬が原因となる「続発性多汗症」に分類されます。
ワキの多汗症は「原発性腋窩多汗症(げんぱつせいえきかたかんしょう)」と呼ばれ、日本人の約20人に1人(約5.9%)が罹患しているとされています。2020年に日本で実施された大規模なWebアンケート調査では、原発性局所多汗症の有病率は10.0%にも上ることが報告されています。しかし、医療機関への受診経験率はわずか4.6%と低く、多くの方が「体質の問題」と考えて放置しているのが現状です。
原発性腋窩多汗症の診断基準は、日本皮膚科学会の「原発性局所多汗症診療ガイドライン」に基づいて行われます。具体的には、原因不明の過剰な局所性発汗が6ヶ月以上持続していることに加え、以下の6項目のうち2項目以上を満たす場合に診断されます。
- 最初に症状が出たのが25歳以下であること
- 左右両方で同じように発汗がみられること
- 睡眠中は発汗が止まっていること
- 1週間に1回以上多汗のエピソードがあること
- 家族歴があること
- それらによって日常生活に支障をきたすこと
多汗症の原因となる汗腺は主にエクリン汗腺であり、ワキガの原因であるアポクリン汗腺とは異なります。しかし、臨床の現場ではワキガと多汗症を合併しているケースも少なくありません。両方の症状に悩んでいる方も多く、そのような場合にはエクリン汗腺とアポクリン汗腺の両方にアプローチできる治療法が有効です。
2. ミラドライとはどのような治療法か
ミラドライの概要
ミラドライは、マイクロ波(電磁波)を利用してワキの汗腺を破壊する医療機器です。アメリカのMiramar Labs社(現在はBioventus社傘下)によって開発され、皮膚を切開することなくワキガや多汗症を治療できる画期的な方法として、世界40ヶ国以上で累計20万症例以上の実績があります。
日本では2018年6月に厚生労働省より「重度の原発性腋窩多汗症」に対する治療機器として薬事承認を取得しています。また、開発国であるアメリカではFDA(米国食品医薬品局)から、腋窩多汗症、腋臭症(ワキガ)、減毛の3つの適応で承認を受けています。
ミラドライの最大の特徴は、メスを使わない「切らない治療」でありながら、手術に近い長期的な効果が期待できることです。従来のワキガ治療では、皮膚を切開して汗腺を除去する手術が主流でしたが、傷跡が残る、ダウンタイムが長いといったデメリットがありました。ミラドライはこれらの問題を解決し、日帰りで受けられる治療法として多くの方に選ばれています。
ミラドライの仕組み
ミラドライが照射するマイクロ波は、周波数5.8GHzの電磁波です。このマイクロ波は、電子レンジと同じ原理で水分子に選択的に吸収されて熱に変換される性質を持っています。
ワキの皮膚構造を見ると、エクリン汗腺とアポクリン汗腺はともに真皮深層から皮下組織浅層(皮膚表面から約2〜3mmの深さ)に集中して存在しています。ミラドライのマイクロ波はこの層に集中して熱エネルギーを発生させ、水分を多く含む汗腺をピンポイントで破壊します。
施術時には、ミラドライ専用のハンドピースで皮膚を吸引しながら固定し、表皮を冷却システムで保護しながらマイクロ波を照射します。この冷却システムにより、皮膚表面はヤケドから守られ、熱エネルギーは汗腺のある深部にのみ到達する設計になっています。
一度破壊された汗腺は再生しないため、ミラドライの効果は半永久的に持続するとされています。1回の施術で約70〜80%の汗腺が破壊され、汗やニオイが20〜30%程度にまで減少することが期待できます。
3. ミラドライの効果と仕組み
期待できる効果
ミラドライ治療によって期待できる主な効果は以下の通りです。
まず、ワキガのニオイの軽減についてです。アポクリン汗腺を破壊することで、ニオイの原因となる汗の分泌が大幅に減少します。多くの患者様が施術直後からニオイの軽減を実感されています。
次に、ワキ汗の減少です。エクリン汗腺も同時に破壊されるため、多汗症の症状も改善されます。汗ジミを気にせずに服を選べるようになったという声も多く聞かれます。
さらに、副次的な効果としてワキ毛の減毛効果があります。マイクロ波の熱が毛根にもダメージを与えるため、ワキ毛が薄くなることがあります。ただし、完全な脱毛効果ではなく、約60%程度の減毛にとどまることが多いです。
厚生労働省の薬事承認を取得する際に実施された国内臨床試験では、ミラドライ治療後にワキの発汗が抑えられ、日常生活での支障が改善された患者の割合は90.3%に達しました。また、その効果は治療1年後においても継続することが確認されており、全体的な患者満足度は90%以上を示しています。
効果が安定するまでの経過
ミラドライの効果は施術直後から実感できますが、最終的な効果が安定するまでには約6ヶ月程度かかります。この間に、効果の変動を感じる方もいらっしゃいます。
施術直後は、破壊された汗腺だけでなく、ダメージを受けた汗腺も一時的に活動を停止するため、汗やニオイがほとんど感じられなくなることがあります。しかし、施術から1〜3ヶ月程度経過すると、破壊しきれなかった汗腺がダメージから回復し、再び活動を始めます。このため、「ミラドライの効果が薄れてきた」「再発したのではないか」と感じる方もいらっしゃいます。
しかし、これは汗腺が復活したわけではなく、正常な経過です。一度破壊された汗腺は再生しませんので、最終的には施術前と比較して70〜80%程度の汗やニオイが軽減された状態で安定します。半年後の状態がミラドライの「本当の効果」と考えていただくとよいでしょう。
ダブル照射による効果の向上
近年では、より高い効果を得るために「ダブル照射」を行うクリニックも増えています。ダブル照射とは、通常の1回照射(シングル照射)に加えて、同じ範囲を2回照射する方法です。
国内で行われた研究によると、シングル照射での汗腺破壊率が73.2%であったのに対し、ダブル照射では92.2%と大幅に効果が向上することが示されています。また、この研究ではシングル照射とダブル照射のいずれにおいても、表皮や神経への損傷は認められませんでした。
ダブル照射は、1回の治療でより確実な効果を得たい方や、汗やニオイの症状が重度の方に特におすすめです。クリニックによって施術方法が異なりますので、カウンセリング時に確認することをおすすめします。
4. ミラドライと他の治療法との比較
ワキガや多汗症の治療法には、ミラドライ以外にもいくつかの選択肢があります。それぞれの治療法のメリット・デメリットを理解し、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
手術療法(剪除法)
剪除法(せんじょほう)は、ワキの皮膚を切開し、目視で確認しながらアポクリン汗腺を一つひとつ除去する手術です。保険適用となる唯一のワキガ治療法であり、効果の確実性が高いのが特徴です。
メリットとしては、アポクリン汗腺を約80〜90%除去できるため、最も高い効果が期待できること、保険適用により費用負担が軽減されることが挙げられます。
一方、デメリットとしては、ワキに3〜5cm程度の傷跡が残ること、術後に腕を固定する期間が必要でダウンタイムが長いこと、入院が必要な場合があること、まれに皮膚の壊死や拘縮などの合併症リスクがあることが挙げられます。
ボトックス注射(ボツリヌス製剤治療)
ボトックス注射は、ボツリヌス菌が産生する毒素を精製した製剤をワキに注入し、汗腺の活動を一時的に抑制する治療法です。原発性腋窩多汗症に対しては保険適用となっています。
メリットとしては、注射のみで手軽に受けられること、ダウンタイムがほとんどないこと、保険適用で費用を抑えられることが挙げられます。
デメリットとしては、効果の持続期間が4〜6ヶ月程度と短く、繰り返し治療が必要なこと、主に多汗症に効果があり、ワキガのニオイへの効果は限定的であることが挙げられます。
外用薬治療
近年、原発性腋窩多汗症に対する外用薬として「エクロックゲル」や「ラピフォートワイプ」が保険適用となりました。これらは汗腺の「汗を出す指令」をブロックする抗コリン作用を持つ薬剤です。
メリットとしては、自宅で手軽に使用できること、保険適用で費用負担が少ないこと、小児(9〜12歳以上)でも使用可能なことが挙げられます。
デメリットとしては、毎日の継続使用が必要なこと、主に多汗症に効果があり、ワキガへの効果は補助的であること、人によっては皮膚のかぶれなどの副作用が出る場合があることが挙げられます。
ミラドライの位置づけ
ミラドライは、手術とボトックス注射の「良いとこ取り」ができる治療法と言えます。手術のような長期的な効果が期待でき、かつボトックス注射のようにメスを使わない低侵襲な治療です。
ミラドライのメリットをまとめると、皮膚を切開しないため傷跡が残らないこと、1回の治療で長期的な効果が期待できること、ダウンタイムが短く翌日から日常生活に復帰できること、入院や通院が不要なこと、多汗症とワキガの両方に効果があることが挙げられます。
デメリットとしては、保険適用外のため費用が高額になること(一般的に20〜50万円程度)、完全にすべての汗腺を破壊できるわけではなく、一部の汗やニオイが残る可能性があること、まれに2回目の治療が必要になる場合があることが挙げられます。
日本皮膚科学会の「原発性局所多汗症診療ガイドライン2023年改訂版」では、治療は患者にとって侵襲が少なく、治療費用負担が少ないものから段階的に進めることが推奨されています。しかし、保険適用外であっても推奨度の高い治療法が存在することや、治療方針を単に保険適用の有無だけで判断するのは難しいことも指摘されています。最終的には、患者自身の希望や症状の程度、生活スタイルなどを考慮して総合的に判断することが大切です。
5. ミラドライの施術の流れ
ミラドライ治療は、一般的に以下のような流れで行われます。クリニックによって多少の違いはありますが、基本的な流れを把握しておくと安心です。
事前準備
施術を受ける前に、カウンセリングと診察を受けます。医師がワキガや多汗症の症状を確認し、ミラドライ治療が適しているかどうかを判断します。カウンセリングでは、施術の内容、期待できる効果、副作用やリスク、費用などについて詳しい説明を受けます。
施術日が決まったら、事前にワキ毛の剃毛を行います。施術当日はワキをきれいに洗浄し、デオドラントスプレーなどは使用せずに来院します。
施術当日の流れ
まず、汗腺が存在する範囲を特定するためのマーキングを行います。ヨードでんぷん反応(ミノール法)を用いて発汗部位を可視化したり、患者様のワキの形状に合わせてテンプレートを使用したりして、照射範囲を決定します。
次に、局所麻酔を行います。麻酔の注射時にチクッとした痛みを感じることがありますが、麻酔が効いた後のミラドライ照射中は痛みを感じることはほとんどありません。麻酔液の量は、皮膚の伸縮によるマーキングのずれを考慮して医師が慎重に決定します。
その後、ミラドライの照射を行います。ハンドピースを皮膚に当て、皮膚を吸引しながら冷却し、マイクロ波を照射します。約3秒間の吸引・冷却の後にマイクロ波が照射され、照射後も冷却が行われます。この手順を繰り返し、マーキングした範囲全体に照射していきます。施術時間は、両ワキで約60〜90分程度です。
施術後は、患部を冷却パックで冷やして炎症を抑えます。アイスパック、痛み止め、塗り薬などが処方されることが一般的です。施術後は入院の必要はなく、そのまま帰宅できます。
施術を受けられない方
以下に該当する方は、ミラドライの施術を受けられない場合があります。事前のカウンセリングで必ず申告してください。
- ペースメーカーなどの電子機器を体内に入れている方
- ワキに金属製のインプラントがある方
- 局所麻酔にアレルギーがある方
- 妊娠中または授乳中の方
- 免疫を抑える薬を服用している方
- 血液をサラサラにする薬を服用している方
- 過去にワキの手術を受けたことがある方(要相談)
- 重度の皮膚疾患がある方
6. ミラドライの名医の選び方
ミラドライは医療機器を使用した治療ですが、「どのクリニックで受けても同じ」というわけではありません。医師の技術や経験、施術方法によって効果や副作用に差が出ることがあります。満足のいく結果を得るためには、信頼できる名医を選ぶことが重要です。
ミラドライ公式認定医かどうか
ミラドライには、開発元であるMiramar Labs社による「公式認定医制度」があります。公式認定医とは、一定の症例経験数と実技審査をクリアした医師に対して発行される認定書を持つ医師のことです。
公式認定医であることは、ミラドライに関する専門的な知識と豊富な施術経験を有する医師であることの証明となります。クリニックを選ぶ際には、ミラドライ公式認定医が在籍しているか、そして実際に施術を担当するのが認定医かどうかを確認しましょう。
ただし、認定医であることはあくまで一定の経験と技術力を判断するための目安であり、「認定医=名医」とは限りません。症例数や患者様の満足度なども含めて総合的に判断することが大切です。
医師が最初から最後まで担当するか
ミラドライの治療では、カウンセリング、診察、マーキング、麻酔、照射、アフターケアまで、すべての工程を医師が一貫して担当するクリニックを選ぶことをおすすめします。
クリニックによっては、コストを抑えるために認定医以外の医師や看護師が施術を担当するケースもあります。しかし、ミラドライの効果を最大限に引き出すためには、患者様の症状や体質を見極めた上で、適切な出力や照射範囲を決定する必要があります。これには医師の専門的な判断が不可欠です。
また、医師の資格を持たないカウンセラーがカウンセリングを行い、医師による診察がないクリニックには注意が必要です。適切な診断なしに施術を受けると、十分な効果が得られなかったり、思わぬ副作用が生じたりする可能性があります。
症例数と実績
ミラドライの治療効果を引き出すためには、照射エリアの正確な設定や出力の最適な調整、術後の経過観察に至るまで、細やかな判断と技術が求められます。これらのスキルは、数多くの症例を通じて積み重ねられる臨床経験の中で養われるものです。
クリニックのホームページで症例数や実績を確認したり、「ミラドライアワード」(ミラドライ開発元が日本国内で特に多くの治療を行った上位10施設に授与する賞)の受賞歴があるかどうかを確認したりするのも一つの方法です。
適切な施術内容
ミラドライの効果は、照射範囲(面積)と照射出力(強さ)に大きく左右されます。名医と呼ばれるクリニックでは、以下のような施術を行っていることが多いです。
まず、広範囲照射について。ワキの形や大きさは人それぞれ異なりますが、できるだけ広い範囲をカバーすることで、取りこぼしを防ぎ、より高い効果が期待できます。
次に、最大出力照射について。ミラドライには照射レベル1〜5の設定がありますが、最大出力(レベル5)での照射が推奨されています。出力が低いと汗腺を十分に破壊できない可能性があります。
さらに、ダブル照射について。前述の通り、同じ範囲を2回照射することで、汗腺破壊率が大幅に向上することが研究で示されています。
カウンセリング時に、どのような施術内容で行うのかを具体的に確認しましょう。
料金体系の透明性
ミラドライは自由診療のため、クリニックによって料金設定が異なります。一般的な相場は20〜50万円程度ですが、料金の安さだけでクリニックを選ぶのは危険です。
料金に含まれる内容を確認しましょう。カウンセリング料、麻酔代、施術代、術後の薬代、アフターフォロー代など、すべて含まれた総額なのか、それとも追加料金が発生するのかを明確にしてもらいましょう。
また、極端に安い料金を提示しているクリニックには注意が必要です。照射範囲が狭い、出力が低い、経験の浅い医師が担当するなど、何らかの理由で費用を抑えている可能性があります。
アフターフォロー体制
施術後の経過観察やフォロー体制が整っているかどうかも重要なポイントです。ミラドライ治療後には腫れや痛みなどのダウンタイムがあり、不安を感じる方も少なくありません。
術後の診察が無料で受けられるか、電話やメールでの相談窓口があるか、万が一効果が不十分だった場合の再治療制度があるかなど、アフターフォローの内容を確認しておきましょう。
口コミや評判
実際にそのクリニックでミラドライ治療を受けた方の口コミや体験談を参考にするのも有効です。医師の対応やスタッフの様子、クリニックの雰囲気、施術の効果など、実体験に基づいた情報を得ることができます。
ただし、口コミは個人の主観であり、効果の感じ方には個人差があることを念頭に置いておきましょう。また、過度に良い口コミばかりのサイトには、広告目的の可能性もあるため注意が必要です。
7. 渋谷でミラドライを受ける際のポイント
渋谷は東京の主要ターミナル駅の一つであり、JR、東京メトロ、東急、京王など複数の路線が乗り入れています。そのため、渋谷エリアには多くの美容クリニックや皮膚科が集まっており、ミラドライ治療を提供している医療機関も多数存在します。
渋谷エリアの特徴
渋谷駅周辺は、都内だけでなく神奈川県や埼玉県からのアクセスも良好です。日帰りで治療を受けることができるため、遠方からでも通いやすいというメリットがあります。
また、渋谷は美容医療の激戦区でもあるため、各クリニックがサービスの質を競い合っています。最新の医療機器を導入していたり、経験豊富な医師が在籍していたり、アフターケアが充実していたりと、高いレベルの医療サービスを受けられる可能性が高いです。
一方で、クリニックの数が多いため、どこを選べばいいか迷ってしまうこともあるかもしれません。前述した名医の選び方のポイントを参考に、自分に合ったクリニックを選びましょう。
クリニック選びのチェックリスト
渋谷でミラドライ治療を受けるクリニックを選ぶ際には、以下のポイントをチェックすることをおすすめします。
第一に、駅からのアクセスを確認しましょう。渋谷駅は広いため、クリニックの最寄り出口を確認しておくとスムーズです。施術後は腫れや痛みがある状態で帰宅するため、駅から近いほうが負担は少なくなります。
第二に、診療日・診療時間を確認しましょう。土日も診療しているクリニックであれば、平日に仕事がある方でも通いやすいです。また、夜間診療を行っているクリニックもあります。
第三に、予約の取りやすさを確認しましょう。人気のクリニックでは予約が取りにくい場合もあります。カウンセリングから施術までの待ち時間がどれくらいかも確認しておきましょう。
第四に、プライバシーへの配慮を確認しましょう。ワキガや多汗症はデリケートな悩みです。完全個室でのカウンセリングや施術が可能か、他の患者様と顔を合わせにくい動線になっているかなど、プライバシーへの配慮も大切なポイントです。
カウンセリングで確認すべきこと
実際にカウンセリングに行った際には、以下の点を確認しましょう。
まず、自分の症状に対する診断について。医師がワキガや多汗症の程度を適切に診断し、ミラドライが本当に最適な治療法かどうかを判断してくれるかを確認します。
次に、施術内容の詳細について。照射範囲、出力レベル、ダブル照射の有無など、具体的な施術内容を説明してもらいましょう。
さらに、期待できる効果と限界について。ミラドライですべての汗やニオイがなくなるわけではないことを、正直に説明してくれるかどうかも重要です。過度な期待を持たせるような説明をするクリニックは要注意です。
また、副作用やリスクについて。考えられる副作用やリスクについて、きちんと説明を受けましょう。リスクを隠すようなクリニックは信頼できません。
そして、費用の総額について。追加料金がないか、支払い方法はどのようになっているかを確認します。
医師やスタッフの対応を見て、信頼できると感じられるかどうかも大切な判断材料です。疑問や不安に丁寧に答えてくれるか、無理な勧誘をしてこないかなど、自分の目で確かめましょう。
8. ダウンタイムと術後の注意事項
ミラドライは「切らない治療」であるため、手術と比べてダウンタイムは短いですが、全くないわけではありません。術後の経過を理解しておくことで、安心して治療を受けることができます。
ダウンタイムの目安
ミラドライ治療後のダウンタイムの目安は、翌日から1週間程度とされています。多くの方が施術の翌日から日常生活に復帰されていますが、症状の程度には個人差があります。
施術直後は麻酔が効いているため、痛みをほとんど感じません。施術後3〜4時間程度で麻酔が切れ始めると、ヒリヒリとした痛みや皮膚のつっぱり感、赤み、腫れを感じることがあります。痛みの種類は、強い日焼けをしたときのような感覚に近いです。
施術当日の夜から翌日にかけてが痛みや腫れのピークとなります。この時期は、アイスパックでワキを冷やし、処方された痛み止めを服用しながら安静に過ごすことをおすすめします。痛みの強さには個人差があり、施術当日の夜は寝つきが悪くなる方もいらっしゃいます。
施術後1週間程度で、腫れや痛み、内出血などの症状はほとんど落ち着きます。ワキを触ったときや腕を伸ばしたときに軽い痛みや硬さを感じる程度になり、日常生活に支障をきたすことはほとんどありません。
施術後1〜3ヶ月程度経過すると、痛みや腫れはほぼ完全になくなります。ただし、ワキの感覚が鈍くなる(感覚鈍麻)ことがあります。これはマイクロ波の熱によって汗腺付近の感覚神経末端がダメージを受けるためですが、末梢神経は再生するため、3ヶ月前後で感覚は戻ることがほとんどです。
施術後半年程度で、ミラドライの効果が安定します。この時期に、施術前と比べてどれくらい汗やニオイが軽減されたかを評価することができます。
術後の注意事項
ダウンタイムを短くし、副作用を最小限に抑えるためには、以下の点に注意して過ごしましょう。
施術当日については、入浴は避けてシャワー浴にします。体が温まると血流が良くなり、痛みや腫れが悪化する可能性があります。シャワーを浴びる際も、ワキを重点的に濡らしたり温めたりしないように注意しましょう。アイスパックでワキを冷やし、処方された痛み止めと塗り薬を使用します。激しい運動と飲酒は避けます。
施術翌日以降については、入浴は可能ですが、長時間湯船に浸かることは避けましょう。一般的な日常生活や軽いデスクワークは可能です。激しい運動は痛みや腫れが落ち着くまで(1週間程度)控えます。ワキを強くこすったり、刺激を与えたりすることは避けます。
施術後1週間以降については、徐々に通常の活動に戻して大丈夫です。ワキのマッサージを推奨しているクリニックもありますが、痛みがある場合は無理に行わなくても構いません。
起こりうる副作用
ミラドライ治療後に起こりうる副作用には以下のようなものがあります。いずれも一時的なもので、重篤な副作用はほとんど報告されていませんが、症状が長引く場合や気になる場合は、治療を受けたクリニックに相談してください。
一般的に見られる副作用としては、赤み・腫れ(数日〜1週間程度で軽減)、痛み・ヒリヒリ感(数日〜2週間程度で軽減)、内出血(数日〜数週間で消失)、ワキのつっぱり感・硬さ(数週間〜数ヶ月で軽減)、感覚鈍麻・しびれ(数週間〜3ヶ月程度で回復)があります。
まれに見られる副作用としては、小さな水膨れ、腕や指先の不快感、ワキ周辺のむくみ、皮膚の隆起や硬縮があります。これらも時間の経過とともに改善していきます。
副次的な効果として、ワキ毛の減毛が起こることがあります。これを望む方には好都合ですが、事前に理解しておくことが大切です。

9. ミラドライのよくある質問
ミラドライ治療を検討されている方からよく寄せられる質問にお答えします。
施術前に局所麻酔を行うため、ミラドライ照射中の痛みはほとんどありません。麻酔注射時にチクッとした痛みを感じることがありますが、麻酔自体にも痛みを軽減する工夫をしているクリニックもあります。施術後、麻酔が切れてくるとヒリヒリとした痛みを感じますが、痛み止めと冷却で対処できます。痛みの感じ方には個人差がありますので、不安な方は事前に医師に相談してください。
ほとんどの方が1回の治療で効果を実感されています。1回の施術で約70〜80%の汗腺が破壊され、汗やニオイが大幅に軽減されます。ただし、症状の程度や個人差によっては、2回目の治療を希望される方もいらっしゃいます。2回目の治療を行う場合は、1回目から最低6ヶ月以上の間隔を空ける必要があります。
効果は永久に続きますか?
一度破壊された汗腺は再生しないため、ミラドライの効果は半永久的に持続するとされています。ただし、施術直後に感じる「ほとんど汗が出ない」状態がそのまま続くわけではありません。破壊しきれなかった汗腺が回復して活動を再開するため、最終的には施術前の70〜80%程度の改善で安定します。
ワキガが完全に治りますか?
ミラドライはワキガのニオイを大幅に軽減しますが、完全に無臭になるわけではありません。すべての汗腺を100%破壊することはできないため、わずかな汗やニオイは残る可能性があります。ただし、多くの方が日常生活で気にならないレベルまで改善されています。完璧を求める方には、手術療法(剪除法)の方が適している場合もあります。
子どもでも受けられますか?
ミラドライは、成長期を過ぎた方(目安として高校生以上)であれば受けることができます。思春期に入るとアポクリン汗腺が発達し始めますが、成長期の途中で治療を受けると、その後に新たな汗腺が発達してニオイが出てくる可能性があります。お子様の治療を検討されている場合は、医師とよく相談の上、治療のタイミングを決めることをおすすめします。未成年の方は保護者の同意が必要です。
仕事や学校は何日休む必要がありますか?
ミラドライ治療の翌日から日常生活に復帰される方がほとんどです。デスクワークであれば、翌日からの出勤も可能です。ただし、激しく体を動かす仕事や運動は、1週間程度控えることをおすすめします。また、施術当日は麻酔の影響があるため、車やバイクの運転は避けてください。
他の部位の汗が増えることはありますか?
ミラドライの施術が原因で、ワキ以外の部位(背中、顔など)の発汗量が増える「代償性発汗」が起こることは、基本的に考えられません。代償性発汗は、胸腔鏡下交感神経遮断術(ETS手術)などで交感神経を切除した場合に起こる現象ですが、ミラドライは局所的に汗腺を破壊する治療であり、交感神経には影響を与えないためです。
ミラドライと他の機器の違いは何ですか?
近年、ミラドライ以外にも「切らないワキガ・多汗症治療」を謳う機器がいくつか登場しています。しかし、日本の厚生労働省から薬事承認を受けているのは、現時点でミラドライのみです。他の機器については、治療効果や安全性を示すデータが不十分である場合がありますので、検討の際には十分にご注意ください。
10. まとめ
本記事では、渋谷でミラドライ治療を検討されている方に向けて、ワキガ・多汗症の基礎知識からミラドライの効果、名医の選び方、ダウンタイムまで幅広く解説してきました。
ミラドライは、メスを使わずにワキガや多汗症を改善できる画期的な治療法です。厚生労働省から薬事承認を受けた安全性の高い医療機器であり、1回の治療で長期的な効果が期待できます。ダウンタイムも短く、翌日から日常生活に復帰できるため、忙しい現代人にとって受けやすい治療と言えるでしょう。
しかし、同じミラドライでも、クリニックや医師によって効果に差が出ることがあります。満足のいく結果を得るためには、ミラドライ公式認定医が在籍しているか、医師が一貫して施術を担当するか、症例数や実績が十分か、適切な施術内容(広範囲・最大出力・ダブル照射)で行っているか、料金体系が透明か、アフターフォロー体制が整っているかなど、複数のポイントを確認してクリニックを選ぶことが大切です。
渋谷は交通アクセスが良く、多くのクリニックが集まっているため、ミラドライ治療を受けるのに適したエリアです。ぜひ本記事を参考に、信頼できるクリニックを見つけ、長年のワキの悩みから解放される第一歩を踏み出していただければ幸いです。
ワキガや多汗症は、決して恥ずかしいことではありません。適切な治療を受けることで、自信を持って日常生活を送れるようになります。気になる症状がある方は、まずは専門医に相談することから始めてみてください。
参考文献
- 原発性局所多汗症診療ガイドライン2023年改訂版 – 日本皮膚科学会雑誌
- 原発性局所多汗症診療ガイドライン2015年改訂版 – 日本皮膚科学会雑誌
- 原発性腋窩多汗症 – 兵庫医科大学病院 みんなの医療ガイド
- 腋臭症 – みんなの家庭の医学 WEB版
- ワキガの悩みとさようなら!今すぐ試せるケア方法 – 済生会
- ワキガ(腋臭症)の治療〜ニオイの診断と手術〜 – 日本医科大学武蔵小杉病院
- (旧版)原発性局所多汗症診療ガイドライン 2015年改訂版 – Mindsガイドラインライブラリ
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務