頬骨のあたりに左右対称に広がる、境界がはっきりしない茶褐色のシミ——それが「肝斑(かんぱん)」です。30〜50代の女性を中心に多くみられるこの肌悩みは、一般的なシミとは異なる特徴を持ち、原因や対処法も異なります。「日焼け止めを丁寧に塗っているのになかなか薄くならない」「スキンケアを変えてもひどくなる一方」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。肝斑を正しくケアするためには、まず「なぜできるのか」「なぜ女性に多いのか」を理解することが大切です。本記事では、肝斑の原因を多角的に掘り下げ、悪化させないための日常ケアや治療の選択肢についてもわかりやすくご説明します。
目次
- 肝斑とはどんなシミ?基本的な特徴
- 一般的なシミと肝斑の違い
- 肝斑の主な原因① 女性ホルモンのバランス乱れ
- 肝斑の主な原因② 紫外線ダメージの蓄積
- 肝斑の主な原因③ 摩擦・物理的な刺激
- 肝斑の主な原因④ ストレスと自律神経の乱れ
- 肝斑の主な原因⑤ スキンケアによる肌への負担
- 肝斑が女性に多い理由をまとめると
- 肝斑を悪化させるNG習慣
- 肝斑に対する日常ケアのポイント
- クリニックで受けられる肝斑治療の種類
- まとめ
この記事のポイント
肝斑は女性ホルモンの乱れ・紫外線・摩擦・ストレスが複合的に絡む色素沈着で、自己判断のレーザー治療は悪化リスクがある。アイシークリニックでは正確な診断のもと、内服薬・外用薬・レーザートーニングを組み合わせた治療を提供している。
🎯 1. 肝斑とはどんなシミ?基本的な特徴
肝斑は、顔の皮膚に生じる色素沈着の一種で、医学的には「後天性メラノサイトーシス」に分類されます。漢字で「肝斑」と書きますが、これは肝臓の色に似ているという意味からきており、肝臓の病気とは直接関係ありません。
肝斑には、他のシミとは区別される特有の見た目があります。
まず、左右の頬骨周辺に対称的に現れるのが最大の特徴です。両方の頬にほぼ同じ形・同じ位置で広がることが多く、目尻から頬にかけて広がるケースもあります。色は均一な茶褐色で、境界線がぼんやりとしているため、「なんとなく顔全体がくすんでいる」と感じる方も少なくありません。
また、頬以外にも額・上唇・鼻の下などに現れることがあります。一方で、鼻の頭には出にくいという特徴も知られており、これはシミと区別する際の一つの目安になります。
肝斑は30代以降の女性に多く発症し、閉経後には自然に薄くなることもありますが、紫外線や摩擦によって何度でも悪化するため、放置するだけでは改善しないことがほとんどです。
Q. 肝斑の見た目の特徴を教えてください
肝斑は両頬の頬骨周辺に左右対称に広がる茶褐色の色素沈着で、境界線がぼんやりしているのが特徴です。額や上唇・鼻の下に現れることもありますが、鼻の頭には出にくい傾向があります。この左右対称性と境界の不明瞭さが、他のシミと見分ける際の重要な目安となります。
📋 2. 一般的なシミと肝斑の違い
顔にできるシミには、肝斑のほかにも「老人性色素斑」「そばかす」「炎症後色素沈着」などさまざまな種類があります。それぞれ原因や見た目が異なるため、正しく見分けることがケアの第一歩になります。
老人性色素斑は、紫外線の長年にわたる蓄積が主な原因で、境界がはっきりとした茶色〜濃い褐色のシミです。頬や額、手の甲などに単独または複数できることが多く、年齢とともに数が増えやすいのが特徴です。
そばかす(雀卵斑)は遺伝的な要素が強く、鼻から頬にかけて小さな点状の斑点が散在します。子どものころから現れることも多く、紫外線によって濃くなる傾向があります。
炎症後色素沈着は、ニキビや擦り傷、湿疹などの炎症が治った後に残る色素沈着で、ターンオーバーが進むにつれて自然に薄くなっていくことも多いです。
これらに対して肝斑は、ホルモンの影響を強く受けること、摩擦などの刺激によって悪化すること、そしてレーザー治療を誤った方法で行うとかえって濃くなるリスクがあることが大きな違いです。見た目だけでは判断が難しい場合もあるため、気になる方は皮膚科や美容皮膚科での診断を受けることが重要です。
💊 3. 肝斑の主な原因① 女性ホルモンのバランス乱れ
肝斑の原因として最も広く知られているのが、女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)のバランスの乱れです。肝斑が「女性特有のシミ」と呼ばれるゆえんがここにあります。
エストロゲンやプロゲステロンは、メラノサイト(色素細胞)の活動を促進する働きを持っています。ホルモン分泌が活発になったり、バランスが崩れたりすると、メラニンの生成が過剰になり、色素沈着として皮膚に現れやすくなります。
特に肝斑が悪化しやすい時期として、以下が挙げられます。
妊娠中は、エストロゲンとプロゲステロンの分泌が急激に増加するため、メラニンが過剰に産生されやすい状態になります。「妊娠性肝斑」とも呼ばれ、分娩後に薄くなることもありますが、消えずに残るケースも少なくありません。
経口避妊薬(ピル)を服用している期間も、ホルモン量が変動するため肝斑が出やすくなることが報告されています。特に低用量ピルであっても、肌への影響がゼロとは言えません。
また、更年期前後(プレ更年期〜更年期)にもホルモンバランスが大きく揺らぎます。この時期に初めて肝斑が気になり始める女性も多く、30〜50代にピークがある理由の一つとなっています。
さらに、生理周期に合わせて肝斑の色の濃さが変わることもあります。生理前はプロゲステロンの分泌が高まるため、一時的に肝斑が目立つことがあります。これも女性ホルモンと肝斑の深い関係を示すエピソードの一つです。
Q. 肝斑が女性に多い主な理由は何ですか
肝斑が女性に多い最大の理由は、女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)がメラノサイトを活性化させてメラニンを過剰産生させるためです。生理・妊娠・ピル服用・更年期といったライフイベントのたびにホルモンバランスが変動する女性は、男性に比べて肝斑が発症しやすい状態に置かれやすいといえます。
🏥 4. 肝斑の主な原因② 紫外線ダメージの蓄積
女性ホルモンと並んで重要な原因が、紫外線によるダメージです。紫外線はメラノサイトを刺激し、肌を守るためにメラニンを産生させます。これ自体は皮膚を守るための防御反応ですが、過剰になると色素沈着として残ってしまいます。
肝斑は単独で紫外線だけが原因でできるシミとは少し異なり、「ホルモンバランスの乱れ+紫外線」という複合的な要因によって悪化しやすいと考えられています。ホルモンの影響でメラノサイトが敏感になっている状態に紫外線が加わることで、通常よりも多くのメラニンが作られてしまうのです。
紫外線にはUVA(紫外線A波)とUVB(紫外線B波)の2種類があります。UVBは肌の表面を焼いて日焼けを起こす波長で、即座に皮膚にダメージを与えます。一方、UVAは肌の奥深く(真皮層)まで到達し、コラーゲンの分解やメラニン生成を促進します。曇りの日や室内にいても窓ガラスを通して届くため、油断できません。
日常的に紫外線対策を怠っていると、メラニンの蓄積が進み、肝斑が濃くなりやすい状態が続きます。また、一度形成された肝斑は紫外線によって繰り返し刺激されるため、春から夏にかけて「急に濃くなった」と感じる方も多いです。
⚠️ 5. 肝斑の主な原因③ 摩擦・物理的な刺激
肝斑のケアを難しくしている原因の一つが、日常的な「摩擦や物理的な刺激」です。皮膚に繰り返し加わる摩擦は、皮膚の防御反応としてメラノサイトを活性化させ、メラニンの過剰産生につながります。
特に注意が必要なのが、洗顔時の強いこすりです。泡立てずにそのまま洗ったり、タオルで強く拭いたりする習慣は、肌にとって非常に大きな刺激になります。また、クレンジングやマッサージを力強く行うことも摩擦の原因となります。
メイクを落とす際に、ポイントメイクリムーバーなどで目元・口元をゴシゴシとこするのも肌への摩擦になります。頬骨のあたりに肝斑が多い理由の一つとして、クレンジング時に頬を中心に摩擦が加わりやすいことが指摘されています。
また、マスクによる摩擦も見逃せません。コロナ禍以降、長時間マスクを着用する機会が増えた結果、マスクと肌が擦れる頬骨付近に肝斑や色素沈着が悪化したという声がクリニックでも多く聞かれます。
さらに、ファンデーションやクッションファンデーションを何度も重ね塗りしたり、パフで強く押さえながら塗る動作も肌への物理的な刺激になります。「スキンケアを頑張っているのにシミが薄くならない」という方の中には、スキンケアの方法そのものが刺激となっているケースも少なくありません。
🔍 6. 肝斑の主な原因④ ストレスと自律神経の乱れ
精神的なストレスや自律神経の乱れも、肝斑の原因・悪化要因として注目されています。
ストレスを受けると、副腎皮質からコルチゾール(ストレスホルモン)が分泌されます。コルチゾールはホルモンバランス全体に影響を与え、エストロゲンやプロゲステロンの分泌にも変動をもたらします。その結果、メラノサイトの活性が高まり、肝斑が悪化しやすい状態になると考えられています。
また、ストレスによって自律神経が乱れると、血流が悪化し肌のターンオーバーが滞りやすくなります。ターンオーバーが遅くなると、通常なら代謝されるはずのメラニンが皮膚の表層に蓄積し、シミや肝斑が目立ちやすくなります。
特に現代の女性は、仕事・育児・家事・人間関係など多くのプレッシャーにさらされることが多く、慢性的なストレス状態にある方も少なくありません。「ストレスが溜まると肌の調子が悪くなる」という感覚は、医学的にも根拠のあることといえます。
睡眠の質の低下もターンオーバーを妨げます。成長ホルモンは深い睡眠中に分泌され、肌の修復・再生を促す重要な役割を担っています。睡眠が浅くなると肌の回復力が低下し、シミが薄くなりにくい肌環境をつくってしまいます。
Q. 日常の摩擦が肝斑に与える影響は?
洗顔・クレンジング時のこすり過ぎやマスクとの摩擦は、皮膚の防御反応としてメラノサイトを活性化させ、メラニンの過剰産生を引き起こします。頬骨周辺に肝斑が多い理由の一つとして、クレンジング時に頬への摩擦が集中しやすいことが挙げられます。ファンデーションのパフによる強い押さえも同様の刺激となります。
📝 7. 肝斑の主な原因⑤ スキンケアによる肌への負担
意外に思われるかもしれませんが、スキンケアそのものが肝斑を悪化させる原因になることもあります。
まず、肌に合わない化粧品や刺激の強い成分が含まれた製品を使い続けることで、接触性皮膚炎(かぶれ)が生じ、それが炎症後色素沈着として残るケースがあります。また、肌のバリア機能が低下している状態で刺激の強いスキンケアを行うと、肌が防御反応としてメラニンを過剰産生することがあります。
過度なピーリングや角質除去も肝斑には逆効果になることがあります。角質を削りすぎると肌のバリア機能が失われ、紫外線や外的刺激に対して無防備な状態になってしまいます。肌が敏感になった結果、かえって色素沈着が進むことがあります。
また、ビタミンC誘導体やレチノールなどの有効成分は、正しく使えばシミへのアプローチに有効ですが、高濃度のものや相性の悪い組み合わせで使用すると肌トラブルのリスクがあります。自己判断でセルフケアを行う際は、成分の濃度や使い方を確認することが大切です。
スキンケアの「やりすぎ」が肌への負担となることを念頭に置き、シンプルかつ肌に優しいケアを心がけることが肝斑の悪化予防につながります。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、「日焼け止めをしっかり使っているのにシミが薄くならない」とお悩みになって来院される方の中に、肝斑を一般的なシミと混同されているケースが少なくありません。肝斑はホルモンバランスや摩擦など複合的な要因が絡み合う繊細なシミであり、自己判断でのレーザー治療がかえって悪化を招いてしまうこともあるため、まず正確な診断を受けることをお勧めしています。お一人おひとりの肌状態やライフスタイルを丁寧に確認した上で、内服薬・外用薬・レーザートーニングを組み合わせた治療プランをご提案しておりますので、長年肝斑にお悩みの方はどうぞお気軽にご相談ください。」
💡 よくある質問
肝斑は両頬に左右対称に広がる茶褐色のシミで、境界線がぼんやりしているのが特徴です。一方、老人性色素斑は境界がはっきりしており、そばかすは小さな点状です。鼻の頭には出にくいことも肝斑の目安になります。ただし自己判断は難しいため、皮膚科・美容皮膚科での診断をおすすめします。
最大の原因は女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)の存在です。これらのホルモンはメラノサイトを活性化させる働きがあり、生理・妊娠・ピル服用・更年期などライフイベントのたびにバランスが変動します。その結果、男性と比べてメラニンが過剰産生されやすく、肝斑が発症しやすい状態になります。
肝斑は紫外線だけでなく、ホルモンバランスの乱れ・日常的な摩擦・ストレスなど複合的な要因で悪化します。洗顔やクレンジング時のこすり過ぎ、スキンケアの刺激などが原因となっているケースも少なくありません。紫外線対策に加え、低刺激なスキンケアや生活習慣の改善も併せて取り組むことが大切です。
一般的なシミ向けの高出力レーザーは、肝斑に使用するとかえって悪化するリスクがあります。肝斑に適しているのは、低出力で広範囲に照射する「レーザートーニング」です。自己判断での治療は危険なため、まず専門医による正確な診断を受けた上で、適切な治療法を選ぶことが重要です。
主な治療として、メラニン産生を抑えるトラネキサム酸などの内服薬、美白効果のあるハイドロキノンクリームなどの外用薬、レーザートーニングが挙げられます。アイシークリニックでは、これらを組み合わせた「コンビネーション治療」を患者さん一人ひとりの肌状態に合わせてご提案しています。まずはカウンセリングでご相談ください。
✨ 8. 肝斑が女性に多い理由をまとめると
ここまで解説した内容を踏まえて、肝斑が男性よりも圧倒的に女性に多い理由を整理してみましょう。
最も大きな要因は、女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)の存在です。男性にも男性ホルモンがありますが、女性ホルモンのようにメラノサイトを直接活性化させる性質は男性ホルモンには強くありません。そのため、女性のほうが生理・妊娠・避妊薬・更年期といったライフイベントを通じて、繰り返しホルモンバランスの変動を経験します。
また、一般的に女性のほうが男性よりも日常的にスキンケアやメイクをする機会が多く、その分だけ肌への摩擦やケミカル成分への接触も増えます。特にクレンジングや洗顔を毎日行う女性は、正しい方法で行わないと継続的な肌への刺激となり得ます。
さらに、女性は紫外線に敏感な時期(妊娠中や経口避妊薬服用中)に紫外線を浴びることで、通常よりも強く色素沈着が起きやすくなります。ホルモンの影響でメラノサイトが過敏な状態のところに紫外線が加わると、肝斑が急速に進行することがあります。
これらの要素が複合的に重なり合うことで、女性に肝斑が発症しやすくなっているのです。男性にも肝斑はみられることがありますが、その頻度は女性と比較するとかなり低い傾向があります。
Q. クリニックでの肝斑治療にはどんな種類がありますか
肝斑の主なクリニック治療には、メラニン産生を抑えるトラネキサム酸などの内服薬、ハイドロキノンクリームなどの外用薬、低出力で照射するレーザートーニングがあります。アイシークリニックではこれらを組み合わせたコンビネーション治療を、患者さん一人ひとりの肌状態に合わせて提案しており、自己判断での高出力レーザー使用は悪化リスクがあるため注意が必要です。
📌 9. 肝斑を悪化させるNG習慣

肝斑を薄くするためには、悪化させる習慣を見直すことが非常に重要です。以下に挙げるNG習慣に心当たりがある方は、今日から少しずつ改善を始めましょう。
洗顔・クレンジングでのこすり過ぎは最も避けたい習慣の一つです。強くこすることで摩擦が生じ、メラノサイトが刺激されます。洗顔はたっぷりの泡で優しく包み込み、すすぎも丁寧に行いましょう。
日焼け止めを塗らずに外出することも大きなリスクです。曇りの日や冬でも紫外線は降り注いでいます。特に肝斑が気になる方は、SPF・PAともに十分な数値の日焼け止めを毎日塗布することが欠かせません。
不規則な生活習慣も肝斑には悪影響です。睡眠不足・食事の乱れ・運動不足は、ホルモンバランスやターンオーバーに影響します。特に睡眠は肌の修復・再生に直接関わるため、質の良い睡眠を確保することが大切です。
レーザー治療を自己判断で受けることも注意が必要です。肝斑は通常のシミと異なり、レーザーによって炎症が生じると逆に悪化することがあります。肝斑に適した治療を選ぶためには、専門医の正確な診断が不可欠です。
ストレスを放置することも慢性的な肝斑悪化につながります。完全にストレスをなくすことは難しいですが、適度な運動・趣味の時間・十分な休息などでストレスをコントロールする工夫をしましょう。
🎯 10. 肝斑に対する日常ケアのポイント
肝斑は正しいセルフケアを続けることで、悪化を防ぎ、改善をサポートすることができます。日常的に実践できるケアのポイントをご紹介します。
紫外線対策を徹底することは、肝斑ケアの基本中の基本です。日焼け止めはSPF30以上・PA+++以上のものを毎日使用し、2〜3時間おきに塗り直すことが理想的です。また、帽子・サングラス・日傘なども活用して、物理的に紫外線を遮断することも効果的です。
洗顔・クレンジングは摩擦を最小限に抑えることを意識してください。洗顔料はしっかり泡立てて泡で包み込むように洗い、クレンジングは肌になじませてから静かに除去します。タオルで顔を拭く際も、軽く押さえる程度にとどめましょう。
保湿をしっかり行うことも重要です。肌のバリア機能を整えることで、外的刺激からの防御力が高まります。セラミドやヒアルロン酸を含む保湿剤を活用し、乾燥を防ぎましょう。
ビタミンCを含む食品やサプリメントを積極的に取り入れることも有用です。ビタミンCはメラニンの生成を抑制し、既に沈着したメラニンを還元する働きがあります。レモン・イチゴ・キウイ・ブロッコリーなどに多く含まれます。また、ビタミンE(抗酸化作用)やトランサミン(抗炎症・メラニン抑制作用)なども肝斑ケアに関連する成分として注目されています。
肌に優しいスキンケアアイテムを選ぶことも大切です。アルコールや合成香料が多く含まれた製品は肌への刺激になることがあります。敏感肌向けや低刺激処方の製品を選ぶことで、肌への負担を減らせます。
生活習慣の改善も欠かせません。規則正しい睡眠・バランスのとれた食事・適度な運動を心がけることで、ホルモンバランスと肌のターンオーバーが整います。禁煙も皮膚の血流改善に有効です。
📋 11. クリニックで受けられる肝斑治療の種類
セルフケアで改善が見られない場合や、より早く確実に肝斑を薄くしたい場合は、クリニックでの治療を検討することが選択肢のひとつです。ただし、肝斑はその性質上、治療法の選択を誤るとかえって悪化するリスクもあるため、専門医の診断のもとで行うことが重要です。
内服薬による治療は、肝斑に対して非常に有効なアプローチです。代表的な薬剤として、トラネキサム酸(トランサミン)があります。トラネキサム酸はメラノサイトの活性化を抑制し、メラニン産生を抑える働きがあります。また、ビタミンC・ビタミンE・シナールなどの内服薬もメラニン抑制や抗酸化作用を目的として処方されます。
外用薬による治療としては、ハイドロキノンクリームが広く用いられています。ハイドロキノンはメラニン合成を阻害する成分で、高い美白効果が期待できます。ただし、刺激性があるため使用量や頻度を守ることが大切です。より刺激が少ない選択肢としてアゼライン酸クリームなども活用されています。
レーザー治療については、肝斑に対しては通常の高出力レーザーではなく、低出力で照射する「レーザートーニング」が適していると言われています。レーザートーニングは、QスイッチNd:YAGレーザーを弱いパワーで広範囲に均一に照射することで、色素細胞の過活動を抑える治療法です。一度で劇的に変わるというよりも、複数回の施術を重ねることで徐々に肝斑が薄くなっていく治療です。
光治療(IPL)も肝斑に活用される場合があります。IPLはさまざまな波長の光を照射するため、シミ・くすみ・毛穴など複合的な肌悩みにアプローチできます。ただし、肝斑に対してはパラメーターの設定が非常に重要で、適切でない照射では悪化するリスクもあります。経験豊富な医師によって丁寧に行われることが前提です。
ケミカルピーリングは、肌の表面の角質を化学的に除去することでターンオーバーを促進し、メラニンの排出を助ける治療です。グリコール酸・乳酸・サリチル酸などの酸を使用します。肝斑に直接効果があるとは言えませんが、スキンケアの効果を高めるためのベースを整える目的で取り入れられることがあります。
これらの治療は単独で行うよりも、内服薬と外用薬の組み合わせ、または内服薬とレーザートーニングを組み合わせた「コンビネーション治療」として行われることが多く、より高い効果が期待されます。治療内容・回数・費用については、カウンセリングで医師に詳しく確認することをおすすめします。
💊 まとめ
肝斑は、女性ホルモンのバランス・紫外線ダメージ・日常的な摩擦・ストレス・スキンケアによる負担など、複数の要因が重なり合って生じる複雑な色素沈着です。特に女性に多いのは、ライフイベントを通じてホルモンバランスが大きく変動することが最大の理由であり、それが肝斑を「女性特有のシミ」たらしめています。
肝斑は一般的なシミとは性質が異なるため、正確な診断なしに自己判断でレーザー治療などを行うと悪化するリスクがあります。まずは皮膚科や美容皮膚科でシミの種類を確認することが大切です。その上で、紫外線対策・低刺激のスキンケア・生活習慣の改善といった日常ケアを丁寧に継続し、必要に応じてクリニックでの治療を組み合わせることが、肝斑を改善に導く最善の方法といえます。
肝斑は根気強くケアを続けることで確実に改善できるシミです。「いつか薄くなるだろう」と放置せず、正しいアプローチで向き合っていきましょう。アイシークリニック渋谷院では、肌の状態を丁寧に診断した上で、一人ひとりに合った治療プランをご提案しています。肝斑のお悩みがある方は、ぜひ一度ご相談ください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 肝斑の診断基準・分類・治療ガイドラインに関する情報(シミの種類の鑑別、レーザートーニングや内服薬・外用薬による治療法の根拠として参照)
- 厚生労働省 – ハイドロキノンやトラネキサム酸など美白成分・医薬品の承認情報および安全性に関する情報(外用薬・内服薬治療の説明根拠として参照)
- PubMed – 肝斑の病態・女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)とメラノサイト活性化の関係、紫外線・摩擦との複合要因に関する国際的な査読論文群(原因解説の科学的根拠として参照)
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務