⚡ 帯状疱疹と診断されて「家族にうつる?」と不安になっていませんか?
この記事を読めば、感染リスクのある期間・やるべき対策・受診のタイミングがすべてわかります。
読まずにいると、知らないうちに家族へ感染を広げてしまうかもしれません。
「先生、帯状疱疹って家族にうつりますか?子どもがいるので心配で…」
帯状疱疹そのものはうつりません。ただし、水疱の中のウイルスが、免疫のない方に「水ぼうそう」としてうつる可能性があります。正しく知って、正しく対策しましょう!
目次
- 帯状疱疹とはどんな病気か
- 帯状疱疹はうつるのか?感染経路を理解する
- 帯状疱疹が感染しやすい期間はいつ?
- 家族・同居者への感染リスクと注意点
- 特に感染リスクに気をつけるべき人
- 家庭内でできる感染予防対策
- 帯状疱疹になったときの日常生活での注意点
- ワクチン接種による予防という選択肢
- 帯状疱疹の治療と早期受診の重要性
- まとめ
💡 この記事のポイント
- 📌 帯状疱疹そのものはうつらないが、水疱内のウイルスが免疫のない人に水ぼうそうとして感染する可能性がある
- 📌 感染リスク期間は水疱形成からかさぶたまでの約7〜10日間
- 📌 早期の抗ウイルス薬投与・病変部位の被覆・手洗い・日用品の非共有が有効
- ⚡ 妊婦・乳児・免疫低下者は特に注意が必要
- ✅ 50歳以上にはワクチン接種が推奨される
💡 帯状疱疹とはどんな病気か
帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(Varicella-Zoster Virus、VZV)の再活性化によって引き起こされる皮膚疾患です。このウイルスは、幼少期に水ぼうそう(水痘)にかかったときに初めて感染し、症状が治まった後も体内の神経節に潜伏し続けます。多くの場合、免疫力が十分に保たれている間は潜伏したまま問題を起こしませんが、加齢や疲労、ストレス、病気などによって免疫機能が低下したときに再び活性化し、帯状疱疹として症状が現れます。
帯状疱疹の主な症状は、体の片側に沿って現れる帯状の皮疹(発疹)と、その周囲に生じる強い痛みです。発疹が出る前から皮膚のピリピリした感覚や灼熱感、かゆみが数日続くことがあり、その後に赤みを帯びた小さな水疱が集まって現れます。発疹は顔、体幹、腕や脚など全身のどこにでも出ることがありますが、左右どちらか一方の神経に沿った分布を示すのが特徴です。
日本では50歳代以降に発症者が増加し、80歳までに約3人に1人が発症するといわれるほど身近な感染症です。特に高齢者では、皮疹が治癒した後も「帯状疱疹後神経痛」と呼ばれる痛みが長期間続くことがあり、生活の質に大きな影響を及ぼします。発症年齢が高いほど後遺症のリスクが上がるため、早期の治療と予防が重要とされています。
Q. 帯状疱疹は家族にうつる可能性がありますか?
帯状疱疹そのものが人にうつることはありません。ただし、水疱内のウイルスが、水ぼうそうへの免疫を持っていない人に接触感染や飛沫感染することで、「水ぼうそう」として発症する可能性があります。妊婦・1歳未満の乳児・免疫機能が低下している方は特に注意が必要です。
📌 帯状疱疹はうつるのか?感染経路を理解する
帯状疱疹について最もよく誤解されている点の一つが、「帯状疱疹そのものが他の人にうつる」という認識です。実際には、帯状疱疹という病態(神経に沿った発疹と痛み)は人から人へうつるものではありません。帯状疱疹は、あくまでも体内に潜伏していたウイルスが再活性化したものであり、他の人の帯状疱疹が自分にうつって帯状疱疹になるということは起きません。
ただし、帯状疱疹の水疱の中には活性化した水痘・帯状疱疹ウイルスが含まれており、過去に水ぼうそうに感染したことがない人や、ウイルスに対する免疫を持っていない人が水疱の液に直接触れたり、水疱が破れた際に飛び散ったウイルスを吸い込んだりすると、「水ぼうそう(水痘)」として発症する可能性があります。つまり、帯状疱疹の患者さんから他の人へうつるのは帯状疱疹ではなく、水ぼうそうとしての初感染です。
感染経路は大きく二つに分けられます。一つは接触感染で、水疱や皮膚の傷口に直接触れることでウイルスが移ります。もう一つは飛沫・空気感染で、水疱が破れた際にウイルスを含む飛沫が空気中に漂い、それを吸い込むことで感染が起こります。後者は主に帯状疱疹が顔や体の広範囲に広がっているケースや、免疫不全の患者さんで病変が多数あるケースで問題になりやすいとされています。
なお、水疱が完全にかさぶたになってしまえばウイルスの感染力はほぼなくなります。かさぶたになった病変からは感染は起きないとされていますので、皮疹の状態を観察することが感染管理において重要なポイントとなります。
✨ 帯状疱疹が感染しやすい期間はいつ?
帯状疱疹の感染力が最も高い期間は、水疱が現れてから、すべての水疱がかさぶたになるまでの時期です。一般的に、帯状疱疹の水疱は発疹が出始めてから約3〜5日間で新しい水疱の形成がピークとなり、その後1〜2週間程度かけてかさぶたへと変化していきます。つまり、皮膚に水疱がある状態が続く期間が感染リスクの高い時期ということになります。
具体的な時系列を確認してみましょう。まず、発疹が現れる数日前から皮膚の違和感や痛みが始まりますが、この前駆症状の段階では外見上は病変が見えないため、感染リスクは低いとされています。次に、赤みや水疱が形成されて皮疹が現れる段階が最も感染力の強い時期です。その後、水疱が乾燥してかさぶたになり始める段階になると感染力は徐々に低下します。そして、すべての病変がかさぶたになった段階では感染力はほぼなくなります。
発疹が出始めてからすべての水疱がかさぶたになるまでの期間は、個人差がありますが一般的に7〜10日程度です。帯状疱疹の症状が軽い方では早期にかさぶたになることもありますが、広範囲に渡っている方や免疫機能が低下している方では治癒に時間がかかり、感染可能な期間も長くなる場合があります。
抗ウイルス薬による治療を開始すると、ウイルスの増殖が抑えられるため、水疱が早期にかさぶたとなり、感染可能な期間が短縮される効果が期待できます。これは患者さん自身の回復を早めるだけでなく、周囲への感染拡大を防ぐ意味でも重要です。発症後できるだけ早く医療機関を受診することが推奨される理由の一つはここにあります。
Q. 帯状疱疹の感染リスクが高い期間はいつですか?
帯状疱疹の感染リスクが最も高い期間は、水疱が現れてからすべての水疱がかさぶたになるまでの7〜10日間程度です。かさぶたになればウイルスの感染力はほぼなくなります。抗ウイルス薬を発症後72時間以内に服用開始すると、この期間を短縮できる効果が期待できます。
🔍 家族・同居者への感染リスクと注意点
帯状疱疹の患者さんが家庭にいる場合、最も注意が必要なのは水ぼうそうに免疫を持っていない家族や同居者です。現代の日本では、水ぼうそうのワクチン接種が定期予防接種に組み込まれているため、若い世代を中心に接種済みの方が増えています。また、50歳以上の方の多くは幼少期に水ぼうそうに罹患しているため、すでに免疫を持っていることが多いです。
家族の中で特に感染リスクを意識すべきケースとしては、まず水ぼうそうに罹患したことがなく、ワクチン接種も受けていない人が挙げられます。子どもの場合、1歳未満の乳児はワクチン接種の対象年齢に達していないため免疫がない状態です。また、妊婦さんは水ぼうそうに感染すると重症化リスクがあり、胎児への影響も懸念されるため特に注意が必要です。
家族内での感染を防ぐための基本的な考え方は、水疱に直接触れないこと、そして水疱の液が付着した衣類や寝具などを共有しないことです。患者さんが使用したタオルや衣類は個人で管理し、洗濯する際はできれば単独で洗うのが安全です。お風呂については、水疱がある状態での入浴は皮疹の悪化を招く可能性もあるため、主治医の指示に従いながら、シャワーに切り替えるなど配慮することが勧められます。
なお、帯状疱疹は基本的に水疱との接触によって感染するため、患者さんが発疹部位を清潔なガーゼや包帯で覆い、外部への露出を最小限にすることが感染拡大を防ぐうえで効果的です。病変部位をしっかりカバーした状態であれば、同じ空間で生活することによる空気感染のリスクは比較的低いとされています。
職場や学校など家庭外での感染については、帯状疱疹の病変を衣服で十分に覆えている場合は通常の社会生活を続けられることが多いです。ただし、顔や手など覆いにくい部位に発疹が出ている場合、あるいは職場や学校に免疫のない子どもや妊婦さん、免疫不全の方がいる場合は、感染症専門家や主治医に相談のうえで対応を決めることが望ましいでしょう。
💪 特に感染リスクに気をつけるべき人
帯状疱疹の患者さんの周囲にいる人全員が感染するわけではありません。感染リスクが高いのは、水痘・帯状疱疹ウイルスに対する免疫を持っていない人です。以下のような方は特に注意が必要です。
まず、水ぼうそうにかかったことがなく、ワクチン接種も受けていない人です。特に若い世代でも、ワクチン接種の機会がなかった方や、1回しか接種していない方は十分な免疫が形成されていない可能性があります。水ぼうそうのワクチンは2回接種が推奨されており、1回のみの場合は2回接種に比べて免疫が不十分なケースがあります。
次に、妊娠中の女性です。妊婦さんが水ぼうそうに感染すると、成人における重症化(肺炎など)のリスクが高まるほか、妊娠初期であれば先天性水痘症候群として胎児に影響が出る可能性があり、出産直前の感染では新生児水痘のリスクもあります。妊婦さんは特に帯状疱疹の患者さんとの密接な接触を避けることが重要です。
1歳未満の乳児もリスクが高いグループです。ワクチン接種が開始される前の乳児は免疫を持っておらず、感染した場合は重症化することがあります。母乳を通じた免疫移行もありますが、それだけで十分な感染予防ができるわけではないため、注意が必要です。
また、免疫機能が低下している人も高リスクグループに含まれます。具体的には、がんの治療(特に化学療法や放射線療法)を受けている方、臓器移植後に免疫抑制剤を服用している方、ステロイドを長期にわたって使用している方、HIV感染症の方などが該当します。こうした方が水痘・帯状疱疹ウイルスに感染すると、重症化したり、感染が全身に広がる播種性感染を起こしたりするリスクがあります。
このようなハイリスクな方が帯状疱疹の患者さんと接触した可能性がある場合は、速やかに医療機関に相談することをお勧めします。場合によっては、曝露後の予防接種や免疫グロブリン投与などの対処法が検討されることがあります。
Q. 帯状疱疹の家庭内感染を防ぐ方法を教えてください。
家庭内での感染予防には主に3つの対策が有効です。①水疱部位をガーゼや衣類でしっかり覆い外部への露出を最小限にする、②発疹部位に触れた後は石けんと流水で丁寧に手洗いをする、③タオル・衣類・寝具などの日用品を患者専用とし他の家族と共有しない、以上を徹底することが重要です。

🎯 家庭内でできる感染予防対策
帯状疱疹の患者さんが家庭にいる場合、完全に感染を防ぐことは難しいこともありますが、いくつかの対策を実践することでリスクを大幅に下げることができます。
最も基本的かつ効果的な対策は、病変部位を清潔に覆うことです。患者さんは水疱が出ている部位を清潔なガーゼや包帯、あるいは衣類でしっかりと覆い、家族が誤って触れることがないようにしましょう。特に水疱が破れると、内部のウイルスが外部に出てくるため、破れた水疱には特に注意が必要です。
手洗いの徹底も重要な対策です。患者さんは発疹部位に触れた後は必ず石けんと流水で手をよく洗います。また、家族も患者さんの身の回りの世話をした後や、患者さんが触れた物に接触した後は丁寧に手を洗うことが大切です。アルコール系手指消毒剤も有効ですが、ウイルスに汚染された可能性のある部位を洗い流すには流水による手洗いが基本となります。
日用品の共有を避けることも有効な予防策です。タオル、衣類、寝具など皮膚に直接触れるものは患者さん専用のものを使い、他の家族と共有しないようにします。特に水疱が破れた液が付着している可能性があるものは注意して取り扱い、洗濯する際は60度以上の熱湯やウイルスに有効な洗剤を使用するのが理想的です。
患者さんが使用した物品の消毒にも気を配りましょう。アルコール消毒はエンベロープを持つウイルスに有効であり、水痘・帯状疱疹ウイルスはエンベロープを持つため、アルコール消毒が効果的です。ただし、有機物(汚れや体液)があるとアルコールの効果が下がるため、まず汚れを取り除いてからアルコール消毒を行うのが正しい手順です。
患者さん自身は爪を清潔に短く保ち、かゆくても発疹を掻かないよう心がけることも感染拡大防止につながります。掻いてしまうと水疱が破れてウイルスが広がるだけでなく、細菌の二次感染のリスクも高まります。かゆみが強い場合は、主治医に相談して適切な薬を処方してもらいましょう。
妊婦さんや1歳未満の乳児、免疫機能が低下している家族がいる場合は、患者さんとの接触を最小限にすることを考慮してください。必要であれば、同室での生活を一時的に見直すことや、病変部位を徹底的に覆った状態での生活を実践することも選択肢となります。こうした方へのケアを担当する場合は、使い捨て手袋の着用も有効です。
💡 帯状疱疹になったときの日常生活での注意点
帯状疱疹と診断された場合、治療を続けながら日常生活を送ることになりますが、いくつかの点に注意することが重要です。
まず、入浴については、水疱が破れていない状態であれば清潔に保つためにシャワーは可能なケースが多いですが、長時間の入浴は避け、発疹部位をゴシゴシ擦らないようにします。共同入浴施設(銭湯や温泉など)の利用は、水疱がある間は控えることが推奨されます。感染させるリスクがあることと、免疫力が低下した状態での体への負担を考えると、自宅でのシャワーが最も安全です。
運動については、軽度の活動は問題ないとされることが多いですが、激しい運動は免疫力の回復を妨げる可能性があるため、急性期(発症から2週間程度)は控えめにすることが望ましいです。十分な睡眠と休息を取ることが、ウイルスへの免疫応答を高め、回復を促します。
食事については、特別な制限は設けられていませんが、バランスのよい食事を心がけ、免疫機能の維持に必要なビタミン類(特にビタミンC、ビタミンD、ビタミンB群)や亜鉛などの微量栄養素を意識的に摂るとよいでしょう。また、アルコールの摂取は免疫機能に影響を与え、薬との相互作用も考えられるため、治療期間中は控えることをお勧めします。
ストレス管理も帯状疱疹の回復において重要な要素です。精神的なストレスは免疫機能を低下させる一因となります。仕事や家事など無理のない範囲で活動しながら、十分な休養をとることがポイントです。
職場や学校への登校・出勤については、感染拡大のリスクが低い状況(病変が衣服でしっかり覆える部位にある場合)であれば続けることが可能なケースが多いですが、職場や学校の環境(免疫のない人の有無など)や発疹の状態によって判断が異なります。主治医に相談のうえ、職場や学校の担当者とも連携して判断するのが最善です。なお、すべての水疱がかさぶたになれば感染リスクはほぼなくなるため、それを一つの目安として活動再開を判断することができます。
また、帯状疱疹の症状は目に見えない痛みが強く、精神的な負担が大きくなりがちです。家族が患者さんの痛みを理解し、精神的なサポートをすることも回復を助けるうえで大切な要素です。
Q. 帯状疱疹の予防にワクチンは有効ですか?
ワクチンは帯状疱疹予防に有効な手段です。50歳以上には帯状疱疹専用ワクチンが推奨されており、不活化ワクチンは発症リスクを約90%以上低減できると報告されています。水ぼうそうへの免疫がない方には水痘ワクチンが有効です。具体的な接種の適応については、アイシークリニックにご相談ください。
📌 ワクチン接種による予防という選択肢
帯状疱疹の感染予防と発症予防において、ワクチンは非常に有効な手段です。帯状疱疹に関連するワクチンとしては、主に水ぼうそうワクチン(水痘ワクチン)と帯状疱疹専用ワクチンの二種類があります。
水ぼうそうワクチンは、水痘・帯状疱疹ウイルスに対する免疫を持っていない人、特に子どもや成人で接種歴のない方に有効です。このワクチンを接種することで、帯状疱疹の患者さんから水ぼうそうとして感染するリスクを大幅に低下させることができます。日本では1歳から12歳を対象として定期接種が行われており、2回接種が推奨されています。成人でも任意接種として接種することが可能です。
帯状疱疹専用ワクチンとしては、生ワクチンタイプと不活化ワクチンタイプの2種類が日本でも使用されています。生ワクチンは50歳以上の方を対象として任意接種で受けることができ、帯状疱疹の発症リスクを約50〜60%、帯状疱疹後神経痛のリスクを約65%程度低下させる効果が報告されています。不活化ワクチンはより新しいタイプで、2回接種が必要ですが、より高い予防効果(発症リスクを約90%以上低減)と長期間の免疫持続効果が報告されており、免疫機能が低下した方にも使用できるという利点があります。
帯状疱疹ワクチンは、すでに水痘・帯状疱疹ウイルスへの免疫を持っている(過去に水ぼうそうにかかった)方を対象に、体内に潜伏しているウイルスの再活性化を防ぐために接種するものです。帯状疱疹ワクチンを接種することで、自分自身が帯状疱疹を発症するリスクを下げるとともに、万が一発症しても症状を軽くする効果が期待できます。
家族への感染予防という観点では、家族内で水ぼうそうの免疫がない方がいれば水痘ワクチンを接種してもらうことが有効です。特に妊娠を予定している女性や、免疫不全の方の周囲にいる家族は、自分の免疫状態を確認し、必要であれば予防接種を検討することが望ましいでしょう。
ワクチンの適応や禁忌(接種できない条件)については個人差があるため、具体的な接種については医療機関にご相談ください。50歳以上の方で帯状疱疹が心配な方は、ぜひかかりつけ医に帯状疱疹ワクチンについて相談することをお勧めします。
✨ 帯状疱疹の治療と早期受診の重要性

帯状疱疹の治療の主軸となるのは、抗ウイルス薬の投与です。現在、日本で使用されている主な抗ウイルス薬はアシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビルなどで、ウイルスの増殖を抑制することで症状の期間を短縮し、合併症(特に帯状疱疹後神経痛)の発生リスクを低減させる効果があります。
抗ウイルス薬の効果は発症からの時間に大きく左右されます。一般的に、発疹が出始めてから72時間以内(3日以内)に投与を開始するほど効果が高いとされており、遅れるほど治療効果が下がります。これが帯状疱疹を疑う症状が現れたら、できるだけ早く医療機関を受診するべきといわれる最大の理由です。
帯状疱疹が疑われる症状としては、体の片側にのみ現れるピリピリした痛みや違和感、その後に続く赤みを帯びた水疱の集まりが挙げられます。発疹が出る前の段階では帯状疱疹と気づきにくいこともありますが、片側の皮膚の違和感や痛みが続く場合には早めに皮膚科や内科を受診することが大切です。
抗ウイルス薬に加えて、痛みを和らげるための鎮痛剤(非ステロイド性抗炎症薬や神経障害性疼痛に対する薬など)も使用されます。痛みが強い場合は、適切な鎮痛療法を組み合わせることで生活の質を保ちながら治療を続けることが可能です。
発疹部位のケアも治療の一環です。水疱を清潔に保ち、二次感染(細菌感染)を防ぐためのケアが重要です。外用薬として抗ウイルス薬含有のクリームや、症状に応じてステロイド外用薬が使用されることもあります。自己判断でケアをすると症状を悪化させる可能性があるため、医師の指示に従ったケアを行うことが基本です。
高齢者や免疫機能が低下している方では、帯状疱疹が重症化したり、合併症(目の障害、顔面神経麻痺、髄膜炎など)を起こしたりするリスクが高いため、特に早期受診と適切な治療が重要です。また、帯状疱疹後神経痛は発症後も長期間(時に数ヶ月から数年)続くことがあり、生活の質に深刻な影響を与えるため、早期治療によってその発生リスクを下げることに大きな意義があります。
受診科については、皮膚科が専門的に対応できますが、内科や総合診療科でも帯状疱疹の診断・治療は行われています。顔(特に目の周囲)に症状がある場合は眼科との連携が必要となることもあります。どこに受診すればよいかわからない場合は、かかりつけ医に相談するのが最善の方法です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、帯状疱疹と診断された患者様から「家族にうつってしまうのでは」と不安のお声を多くいただきますが、正しくは帯状疱疹そのものがうつるのではなく、免疫のない方に水ぼうそうとして感染する可能性があるという点を丁寧にご説明するよう心がけています。最近の傾向として、早期に受診された方は抗ウイルス薬の効果が高く、感染可能な期間の短縮や帯状疱疹後神経痛の予防にもつながるケースが多いため、少しでも疑わしい症状があれば躊躇わずにご来院いただきたいと思います。ご自身の回復はもちろん、大切なご家族を守るためにも、ワクチン接種を含めた予防策についてもお気軽にご相談ください。」
🔍 よくある質問
帯状疱疹そのものが家族にうつるわけではありません。ただし、水疱の中に含まれるウイルスが、水ぼうそうへの免疫を持っていない方に対して「水ぼうそう」として感染する可能性があります。妊婦・乳児・免疫機能が低下している方は特に注意が必要です。
水疱が現れてから、すべての水疱がかさぶたになるまでの期間が感染リスクの高い時期です。一般的に7〜10日程度が目安となります。抗ウイルス薬による早期治療を行うと、かさぶたになるまでの期間が短縮され、感染リスクを早めに下げることが期待できます。
病変部位を衣服でしっかり覆えている場合は、通常の社会生活を続けられるケースが多いです。ただし、顔や手など覆いにくい部位に発疹がある場合や、職場・学校に免疫のない方がいる場合は、主治医に相談のうえ対応を判断することをお勧めします。
主な対策は3つです。①患者さんの水疱部位をガーゼや衣類でしっかり覆う、②発疹部位に触れた後は石けんと流水で丁寧に手洗いをする、③タオル・衣類・寝具などの日用品を共有しない。これらを徹底することで、家族への感染リスクを大幅に下げることができます。
50歳以上の方には帯状疱疹専用ワクチンの接種が推奨されており、発症リスクを大幅に低減できます。また、水ぼうそうの免疫がない方(特に妊娠を予定している女性や乳幼児の周囲にいる方)は水痘ワクチンの接種が有効です。具体的な適応はアイシークリニックにご相談ください。
💪 まとめ
帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化によって起こる病気で、帯状疱疹そのものが他の人にうつるわけではありません。ただし、水疱の中に含まれるウイルスが、免疫を持っていない人に対して水ぼうそうとして感染する可能性があります。感染リスクが高い期間は水疱が形成されてからすべてかさぶたになるまでの7〜10日間程度であり、抗ウイルス薬による早期治療でその期間を短縮することが期待できます。
家族への感染を防ぐためには、病変部位を覆う、手洗いを徹底する、日用品を共有しない、といった基本的な感染予防対策が有効です。特に妊婦さん、1歳未満の乳児、免疫機能が低下している方には感染リスクが高いため、より慎重な対応が必要です。
帯状疱疹の予防には、帯状疱疹ワクチン(特に50歳以上の方)や水ぼうそうワクチン(免疫のない方)の接種が有効な手段として挙げられます。また、帯状疱疹を疑う症状が出た場合は、発症から72時間以内の受診が治療効果を最大化するために重要です。
帯状疱疹について不安なことがある方、症状が気になる方は、ぜひ早めにアイシークリニック渋谷院にご相談ください。正確な診断と適切な治療、そして感染管理について専門的なアドバイスを提供することで、患者さんご自身の回復と家族の安全を共にサポートしてまいります。
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📚 参考文献
- 厚生労働省 – 帯状疱疹の感染経路・予防接種・感染予防対策に関する公式情報(ワクチン接種の推奨、感染症としての位置づけを含む)
- 国立感染症研究所 – 水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の感染経路・感染力・感染可能期間・ハイリスクグループに関する疫学的情報
- 日本皮膚科学会 – 帯状疱疹の診断・治療(抗ウイルス薬の早期投与・帯状疱疹後神経痛の予防)および日常生活上の注意点に関する専門的情報
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務