その他

環境変化によるストレスが肌荒れを引き起こす仕組みと改善策

引越しや転職、季節の変わり目など、生活環境が大きく変わるタイミングに、突然肌荒れが始まったという経験はないでしょうか。「スキンケアは変えていないのになぜ?」と首をかしげる方も少なくありません。実は、肌の状態は心身のストレス状態と密接に関係しており、環境変化によって生じるさまざまなストレスが、肌のバリア機能や皮脂分泌に影響を与えることがわかっています。この記事では、環境変化がなぜストレスになるのか、そのストレスがどのようなメカニズムで肌荒れを引き起こすのか、そして日常生活の中でできる改善策について、医学的な観点からわかりやすく解説します。


目次

  1. 環境変化がストレスになるのはなぜか
  2. ストレスが肌荒れを引き起こすメカニズム
  3. 環境変化で起こりやすい肌トラブルの種類
  4. 季節の変わり目と肌の関係
  5. 転居・引越しによる肌荒れの原因
  6. 職場環境の変化と肌への影響
  7. ストレス性肌荒れを改善するための生活習慣
  8. 肌荒れを悪化させるNG習慣
  9. スキンケアで意識したいポイント
  10. 皮膚科・美容皮膚科への相談を検討すべきタイミング
  11. まとめ

この記事のポイント

環境変化によるストレスはコルチゾール過剰分泌を通じて肌のバリア機能・皮脂分泌・ターンオーバーを乱し、ニキビや乾燥・湿疹を引き起こす。改善には睡眠・食事・運動・保湿ケアの徹底が基本で、2〜3週間改善しない場合は皮膚科への相談が推奨される

🎯 環境変化がストレスになるのはなぜか

人間の身体は、変化に対して常に適応しようとする機能を持っています。しかし、変化が急激であったり、複数の変化が同時に重なったりすると、身体はその適応に多大なエネルギーを消費し、その結果として「ストレス反応」が引き起こされます。

ストレスというと精神的なものをイメージしやすいですが、医学的には身体に負荷をかけるあらゆる刺激をストレスと呼びます。温度・湿度・気圧の変化、新しい人間関係への適応、睡眠リズムの乱れ、食生活の変化なども、すべて身体にとってのストレス要因になりえます。

特に日本では、春の新年度に伴う転勤・進学・引越し、夏から秋・冬への季節の移行など、ライフイベントと気候変動が重なる時期に、多くの人が複合的なストレスにさらされます。こうした状況では、一つひとつのストレスは小さくても、積み重なることで身体全体へのダメージが大きくなります。

また、ストレスへの反応には個人差があります。同じ環境変化でも、ストレスを強く感じる人とそうでない人がいるのは、遺伝的素因や過去の経験、社会的サポートの有無などが影響しているためです。肌荒れが出やすい体質の方は、ストレス耐性と皮膚のバリア機能の両面から対策を考えることが重要です

Q. ストレスが肌荒れを起こす仕組みは?

環境変化などのストレスを身体が感知すると、副腎皮質からコルチゾールが過剰分泌される。このホルモンは肌のバリア機能を低下させ、皮脂分泌を乱し、自律神経の乱れによって皮膚への血流も減少させる。その結果、にきび・乾燥・赤みなど多様な肌トラブルが引き起こされる。

📋 ストレスが肌荒れを引き起こすメカニズム

ストレスが肌に影響を与える経路は一つではなく、複数のメカニズムが複雑に絡み合っています。主な経路を順を追って説明します。

🦠 コルチゾールの過剰分泌

身体がストレスを感知すると、脳の視床下部から信号が送られ、副腎皮質からコルチゾールというホルモンが分泌されます。コルチゾールは本来、ストレスに対処するために必要なホルモンですが、慢性的に過剰分泌が続くと、皮膚のコラーゲン合成を妨げ、肌のバリア機能を低下させることがわかっています。

バリア機能が低下した肌は、外部からの刺激(紫外線・乾燥・花粉・ほこりなど)に対して過敏になり、赤みやかゆみ、湿疹などが起きやすくなります。また、水分を保持する力も弱まるため、乾燥による小じわや粉吹き肌も生じやすくなります。

👴 皮脂分泌の乱れ

コルチゾールの影響を受けて、男性ホルモン(アンドロゲン)の作用が相対的に高まると、皮脂腺が刺激されて皮脂分泌が増加します。過剰な皮脂は毛穴を詰まらせ、アクネ菌(Cutibacterium acnes)の増殖を促進するため、にきびや吹き出物の発生につながります。

一方で、ストレスによって肌のターンオーバーが乱れると、毛穴の出口に角質が厚く積み重なり、皮脂が外に出られなくなって白にきびや黒にきびが増えることもあります。

🔸 免疫システムへの影響

慢性ストレスは免疫機能にも影響を与えます。免疫が過剰に反応するとアレルギー反応や炎症が悪化し、アトピー性皮膚炎や接触性皮膚炎が悪化する場合があります。逆に免疫が低下すると、ウイルスや細菌への抵抗力が落ち、口唇ヘルペスや皮膚感染症が起きやすくなります。

💧 自律神経の乱れ

ストレスによって自律神経のバランスが崩れると、交感神経が優位になった状態が続き、末梢血管が収縮して皮膚への血流が減少します。血流が悪くなると、皮膚の細胞に届く酸素や栄養素が減り、細胞の新陳代謝(ターンオーバー)が滞ります。これが、くすみや乾燥、回復の遅さにつながります。

✨ 掻き壊しや触れすぎによる二次的ダメージ

ストレスを感じているとき、無意識に肌を触ったり掻いたりする行動が増えることがあります。これ自体が肌への刺激となり、炎症を悪化させる悪循環を生みます。また、睡眠の質が低下することで夜間の皮膚修復が不十分になり、肌荒れが長引く要因にもなります

💊 環境変化で起こりやすい肌トラブルの種類

環境変化とストレスが複合的に作用したとき、肌に現れるトラブルはさまざまです。代表的なものを紹介します。

📌 にきび・吹き出物

ストレスによる皮脂分泌増加とターンオーバーの乱れが重なり、特に顎や頬、額にニキビが集中して発生することがあります。成人のニキビ(大人ニキビ)は、思春期のものとは異なり、ストレスや生活習慣の乱れが主因であることが多いです。

▶️ 乾燥・肌荒れ

バリア機能の低下によって水分が蒸発しやすくなり、肌がカサカサしたり、粉吹き状態になったりします。特に引越し先の水質や湿度が異なる場合は、乾燥が加速することがあります。

🔹 赤みやかゆみ・湿疹

バリア機能が低下した肌は刺激に敏感になり、普段は問題なかったスキンケア製品や洗剤でも赤みやかゆみを感じるようになることがあります。接触性皮膚炎(かぶれ)が悪化するケースもあります。

📍 アトピー性皮膚炎の悪化

もともとアトピー性皮膚炎の素因がある方は、環境変化のストレスによって症状が一時的に悪化することが少なくありません。新しい生活に慣れるまでの数週間から数か月間は、特にケアを意識することが大切です

💫 口唇ヘルペスの再発

過去に単純ヘルペスウイルスに感染したことがある方は、免疫力の低下によってウイルスが再活性化し、口唇ヘルペスが再発することがあります。環境変化が重なる春先や秋口に再発しやすい傾向があります。

🦠 くすみ・血色不良

自律神経の乱れによる血行不良や、睡眠不足によるターンオーバーの乱れが積み重なると、肌全体がくすんで見えたり、血色が悪くなったりします。目の下のクマも悪化しやすいです。

Q. 引越し後に肌荒れが起きやすい原因は?

引越し後の肌荒れは、地域ごとの水道水の硬度の違い、湿度・気温の変化、花粉やダニなど環境アレルゲンの変化が主な原因となる。加えて、荷造りや手続きによる睡眠不足・疲労、見知らぬ土地での孤立感といった精神的ストレスも重なり、肌トラブルが集中しやすい状況が生まれる。

🏥 季節の変わり目と肌の関係

日本は四季の変化が明確なため、季節の移り変わりが肌への負担になりやすい環境です。各季節の変わり目に特有の肌トラブルと、その原因を整理します。

👴 冬から春(2〜4月)

気温と湿度が急激に変動する時期です。寒暖差が大きいと、皮脂分泌のリズムが乱れやすくなります。また、花粉の飛散が始まるため、花粉症による目や鼻周りの肌荒れ、花粉が直接肌に付着することで起こる「花粉皮膚炎」が発生しやすくなります。さらに、春は新年度のスタートで心理的なストレスが高まる時期でもあり、肌トラブルが多発しやすい条件が重なります。

🔸 春から夏(5〜7月)

気温と湿度が上昇し、紫外線量が急増する時期です。皮脂分泌が増えてべたつきやすくなる一方、エアコンの使用による室内の乾燥も始まります。紫外線によるダメージが蓄積されると、肌のバリア機能が低下するため、日焼け止めのこまめな塗り直しが重要です

💧 夏から秋(8〜10月)

夏に受けた紫外線ダメージが顕在化してくる時期です。シミや肌のくすみが気になるほか、急激な気温低下によって皮脂分泌が抑えられる一方で、肌の水分量も低下し、インナードライ(内側は乾燥しているのに表面が脂っぽく見える状態)になる方が増えます。

✨ 秋から冬(11〜1月)

乾燥と寒さが最も肌に負担をかける時期です。湿度が大幅に低下することで、肌の角質層の水分量が急減し、かゆみや粉吹きが生じやすくなります。暖房の使用がさらに室内の湿度を下げるため、加湿器の活用が効果的です。

⚠️ 転居・引越しによる肌荒れの原因

引越しは、生活環境が一度に大きく変わるため、肌トラブルが集中的に起こりやすいイベントです。その主な原因を見ていきましょう。

📌 水質の違い

日本の水道水は地域によって硬度が異なります。硬水(カルシウム・マグネシウムが多い)を使用すると、石鹸や洗顔料の泡立ちが悪くなり、洗い残しが増えてニキビや毛穴詰まりが起きやすくなります。逆に、軟水の地域から硬水の地域に引っ越した場合、使い慣れたスキンケア製品が合わなくなることもあります。

▶️ 湿度・気温の違い

北から南へ、あるいは内陸から沿岸へなど、気候帯をまたいだ引越しでは、湿度や気温の大きな違いが肌に影響します。乾燥した地域から湿度の高い地域への移動では、皮脂分泌が増えてベタつきやニキビが増えることがあります。逆の場合は急激な乾燥肌に悩まされるケースが多いです。

🔹 環境アレルゲンの変化

新居周辺の花粉の種類・量、ほこりやダニの状況が変わることで、これまで出なかったアレルギー症状が出現したり、既存のアレルギーが悪化したりすることがあります。新居のカーペットや壁紙などに使われる素材も、皮膚炎のきっかけになる場合があります。

📍 引越し作業による疲労・睡眠不足

引越し前後は荷造りや各種手続きで多忙になり、睡眠不足や不規則な食事が続くことがあります。こうした身体的疲労も、免疫低下やホルモンバランスの乱れを招いて肌荒れを悪化させます。

💫 心理的な孤立感・不安感

見知らぬ土地での生活は、人によっては孤立感や不安感を強く感じさせます。友人や家族と離れ離れになる場合はなおさらです。こうした精神的なストレスがコルチゾール分泌を促し、肌荒れとして現れます。

🔍 職場環境の変化と肌への影響

転職・部署異動・リモートワークへの移行など、職場環境の変化も肌に大きな影響を与えます。

🦠 新しい人間関係によるストレス

新しい職場では、上司や同僚との関係を一から構築する必要があります。この適応過程で生じる緊張感や気疲れが、慢性的な心理的ストレスになりやすいです。特に最初の数か月間は精神的負荷が高く、肌トラブルが起きやすい時期と言えます

👴 室内環境の違い

職場によって、エアコンの強さや照明の種類、換気の状況などが異なります。乾燥した空調の中で長時間過ごすと、肌の水分が蒸発して乾燥肌や敏感肌の症状が悪化します。

🔸 生活リズムの変化

通勤時間が変わったり、勤務時間のシフトが変わったりすると、睡眠・食事・運動のリズムが崩れやすくなります。睡眠リズムの乱れは特に肌への影響が大きく、成長ホルモンの分泌が減ることでターンオーバーが遅延します

💧 リモートワークの影響

テレワークへの移行によって、外出機会が減り紫外線の影響は少なくなりますが、運動不足や孤立感から精神的ストレスが高まることがあります。また、スキンケアが疎かになるケースもあり、肌荒れに気づいたときには悪化しているというパターンも見られます。

Q. ストレス期のスキンケアで最も大切なことは?

ストレスで肌が敏感になっている時期は、「保湿の徹底」と「低刺激製品の使用」を最優先にすることが基本である。セラミド配合の保湿剤を朝晩使用し、無香料・無着色の製品を選ぶことが推奨される。レチノールなど刺激性の高い美容成分は一時的に使用を控え、日焼け止めは毎日使い続けることが重要である。

📝 ストレス性肌荒れを改善するための生活習慣

ストレスそのものをゼロにすることは難しいですが、生活習慣を整えることで肌荒れのリスクを大幅に下げることができます。

✨ 睡眠の質を高める

肌の修復は睡眠中に行われます。特に入眠後の3〜4時間に分泌される成長ホルモンは、コラーゲン生成と細胞修復に深く関わっています。毎日同じ時間に就寝・起床する習慣をつけ、寝室の環境(温度・湿度・光・音)を整えましょう。就寝前のスマートフォン使用は、ブルーライトによってメラトニン(睡眠ホルモン)の分泌が抑制されるため、就寝1時間前には画面から離れることが推奨されます。

📌 バランスのよい食事

肌の健康を保つためには、特定の栄養素を意識的に摂取することが重要です。

ビタミンCはコラーゲン合成に不可欠で、ブロッコリー・パプリカ・キウイなどに多く含まれます。ビタミンEは抗酸化作用があり、ナッツ類や植物油に豊富です。亜鉛は皮膚の修復と免疫機能を支える微量ミネラルで、牡蠣や牛肉、豆腐などから摂取できます。また、腸内環境と肌の状態は密接に関連しており(腸皮膚軸:gut-skin axis)、発酵食品(ヨーグルト・味噌・ぬか漬けなど)を積極的に取り入れることも効果的です。

逆に、過剰な糖質・脂質、カフェイン、アルコールは皮脂分泌を増やしたり、腸内環境を乱したりするため、控えめにすることが望ましいです。

▶️ 適度な運動

有酸素運動はコルチゾールの過剰分泌を抑え、セロトニン(幸福ホルモン)の分泌を促進します。ウォーキングやジョギング、ヨガなどを週に3〜4回、30分程度続けると、ストレス耐性が高まり肌荒れの予防につながります。ただし、激しすぎる運動は逆にコルチゾールを増加させることがあるため、適度な強度を保つことが大切です。

🔹 ストレスマネジメント

深呼吸や瞑想(マインドフルネス)、入浴による温熱効果は、副交感神経を活性化してリラックス状態をつくります。これらは短時間でも効果があるため、毎日のルーティンに取り入れることをおすすめします。

また、友人や家族との会話もストレス発散に有効です。環境変化によって孤立感を感じている場合は、意識的にコミュニケーションの機会を作ることが、精神的健康ひいては肌の健康にもつながります。

📍 水分補給

肌の水分保持のためには、体内からの水分補給も欠かせません。1日に1.5〜2リットルを目安に、こまめに水や麦茶などを飲む習慣をつけましょう。カフェインの多い飲み物は利尿作用があるため、水分補給の主力にはなりません。

💡 肌荒れを悪化させるNG習慣

改善策と並んで、悪化させる行動を知っておくことも大切です。環境変化のストレス期に特に気をつけたいNG習慣をまとめます。

💫 洗顔のしすぎ

皮脂が気になるからといって、1日に何度も洗顔したり、洗浄力の強いクレンジングを使いすぎたりすると、必要な皮脂まで落としてしまいます。皮脂は肌のバリア機能を担うため、過度な除去はバリア機能低下につながります。洗顔は1日2回(朝・夜)を基本とし、低刺激・弱酸性の洗顔料を選ぶことが基本です

🦠 スキンケアの急な変更

肌荒れが気になるとき、次々と新しい製品を試したくなる気持ちはわかりますが、ストレスで敏感になっている肌には逆効果になる場合があります。複数の新製品を同時に使用すると、どれが原因で肌荒れが起きているかもわからなくなります。新製品は1種類ずつ試し、最低2週間は継続して反応を見ることが基本です

👴 肌を触りすぎる・掻く

ストレスを感じているときに無意識に肌を触る行動は、雑菌の付着や物理的刺激によって炎症を悪化させます。かゆみを感じても掻かず、冷やしたタオルを当てるなどの対処をしましょう。

🔸 喫煙・過度なアルコール

タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、皮膚への血流を減らします。また、タバコの煙には活性酸素を大量に発生させる物質が含まれており、コラーゲン分解を加速させます。アルコールは利尿作用によって体内の水分を失わせ、肌の乾燥を促進します。ストレス発散のために喫煙や飲酒が増えてしまうと、肌荒れが長期化します。

💧 過度なダイエット

環境変化で体型が変わることを気にして急激なダイエットをすると、ビタミン・ミネラル・良質な脂質の不足が生じ、肌のバリア機能やターンオーバーに必要な栄養素が不足します。極端な食事制限はホルモンバランスの乱れも引き起こすため、肌荒れを招きます。

Q. 肌荒れで皮膚科を受診すべき目安は?

適切なセルフケアを続けても2〜3週間以上改善が見られない場合、または赤みや腫れが急激に悪化している場合は、早めに皮膚科を受診することが推奨される。アイシークリニックでは、環境変化やストレスによる肌荒れに対して、皮膚科的知識に基づいたカウンセリングと治療を提供している。

✨ スキンケアで意識したいポイント

環境変化によるストレス期には、スキンケアの考え方もシンプルさと低刺激性を重視することが有効です。

✨ 保湿を最優先にする

肌のバリア機能を守る基本は保湿です。セラミドを主成分とした保湿剤は、角質層の水分を保持する機能を補う効果があり、敏感肌や乾燥肌の方に特に適しています。朝の洗顔後・夜の洗顔後の2回は必ず保湿を行い、特に乾燥を感じる時期には日中も保湿クリームを足しましょう。

📌 日焼け止めを毎日使う

紫外線はバリア機能の低下した肌に対して、特にダメージを与えやすいです。曇りの日でも紫外線の約80%は地表に届くため、季節を問わず日焼け止めを使用する習慣が重要です。刺激の少ないノンケミカル(紫外線散乱剤)タイプの日焼け止めを選ぶと、敏感な肌にも使いやすいです。

▶️ 刺激の強い成分を避ける

アルコール(エタノール)・合成香料・着色料などが多く含まれる製品は、敏感になっている肌への刺激になりやすいです。ストレス期には「無香料・無着色・低刺激」を謳う製品を選ぶと安心です。

🔹 美容成分の追加は落ち着いてから

レチノールやビタミンC誘導体などの美容成分は肌へのアプローチとして有効ですが、刺激性があるため、肌が敏感になっているストレス期には一時的に使用を控えるか、使用頻度を下げることを検討しましょう。

📍 室内の湿度管理

肌の角質層が適切な水分量を保つためには、室内の湿度も重要な要素です。快適な湿度の目安は50〜60%とされています。冬や乾燥した環境では加湿器を活用し、エアコン使用時には特に意識して湿度を調整しましょう。

📌 皮膚科・美容皮膚科への相談を検討すべきタイミング

セルフケアを続けても肌荒れが改善しない場合、あるいは症状が悪化している場合は、専門家への相談を検討する必要があります。以下に該当する場合は、皮膚科や美容皮膚科の受診をおすすめします。

💫 2〜3週間以上改善がない場合

適切なセルフケアを行っていても、2〜3週間以上肌荒れが改善しない場合は、接触性皮膚炎・アトピー性皮膚炎・脂漏性皮膚炎・酒さなど、皮膚疾患の可能性があります。これらは適切な診断と治療が必要です。

🦠 急激に悪化している場合

赤み・腫れ・かゆみが急激に悪化している場合や、広範囲に広がっている場合は、アレルギー反応や感染症の可能性があります。自己判断でケアを続けることは危険なこともあるため、早めに受診しましょう。

👴 ニキビが多発・重症化している場合

市販のニキビ対策製品では改善が見られない場合や、炎症性の赤いニキビが多発している場合は、皮膚科でのアクネ治療が有効です。近年では外用薬だけでなく、内服薬や医療機器を使ったニキビ治療も選択肢があります。

🔸 色素沈着・ニキビ跡が気になる場合

炎症後色素沈着(ニキビ跡の黒ずみ)は放置すると長期間残ることがあります。美容皮膚科では、ケミカルピーリング・レーザートーニング・ビタミンC導入などのメニューによって、より積極的なアプローチが可能です。

アイシークリニック渋谷院では、肌の状態に合わせた丁寧なカウンセリングと、皮膚科的な知識に基づいた美容医療を提供しています。環境変化やストレスによる肌荒れに悩んでいる方も、まずはお気軽にご相談ください。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、引越しや転職などの環境変化をきっかけに肌荒れを訴えて来院される患者様が非常に多く、特に春の新年度シーズンにその傾向が顕著です。ストレスによるコルチゾールの過剰分泌やバリア機能の低下は、セルフケアだけでは対処しきれないケースも少なくないため、「いつもと同じケアをしているのに改善しない」と感じたら、自己判断で様子を見続けず早めにご相談いただくことをおすすめします。環境が変わることは心身ともに大きな負荷がかかることを忘れず、スキンケアと生活習慣の両面から丁寧にサポートしてまいりますので、どうぞお一人で悩まないでください。」

🎯 よくある質問

環境変化で肌荒れが起きやすいのはなぜですか?

引越しや転職などの環境変化は、身体にとってのストレス要因となり、副腎皮質からコルチゾールが過剰分泌されます。このホルモンが肌のバリア機能を低下させ、皮脂分泌を乱し、自律神経のバランスも崩すことで、にきびや乾燥・赤みなど多様な肌トラブルが引き起こされます。

ストレス性の肌荒れに効果的な生活習慣はありますか?

睡眠・食事・運動・ストレスマネジメントの4つが基本です。毎日同じ時間に就寝・起床し、ビタミンC・亜鉛・発酵食品を積極的に摂取しましょう。週3〜4回の有酸素運動や深呼吸・瞑想も、コルチゾールの過剰分泌を抑えるのに効果的です。

引越し後に肌荒れが悪化しやすい具体的な原因は何ですか?

地域による水質(硬度)の違い、湿度・気温の変化、環境アレルゲンの変化が主な原因です。加えて、引越し作業による睡眠不足や疲労、見知らぬ土地での孤立感などの精神的ストレスも重なるため、肌トラブルが集中して発生しやすくなります。

スキンケアで意識すべき最重要ポイントを教えてください。

ストレス期には「保湿の徹底」と「低刺激製品の使用」が最優先です。セラミド配合の保湿剤を朝晩使用し、無香料・無着色の製品を選びましょう。また、日焼け止めは毎日使用し、肌が敏感な時期はレチノールなどの刺激性の高い成分は一時的に控えることをおすすめします。

セルフケアをしても改善しない場合、いつ受診すべきですか?

適切なセルフケアを続けて2〜3週間以上改善が見られない場合、または赤みや腫れが急激に悪化している場合は早めの受診をおすすめします。アイシークリニックでは、環境変化やストレスによる肌荒れに対し、皮膚科的な知識に基づいた丁寧なカウンセリングと治療を提供しています。

📋 まとめ

環境変化によるストレスは、コルチゾールの過剰分泌・自律神経の乱れ・免疫機能の変化などを通じて、肌のバリア機能・皮脂分泌・ターンオーバーに多面的な影響を与えます。引越し・転職・季節の変わり目など、生活の節目に肌トラブルが集中しやすいのはこのためです。

対策の基本は、睡眠・食事・運動・ストレスマネジメントという生活習慣の整備と、保湿と低刺激を重視したスキンケアの継続です。環境が変わっても、身体が新しい状況に適応するまでの期間(おおよそ1〜3か月)を丁寧にケアし続けることが、肌荒れの長期化を防ぐ鍵となります

セルフケアで改善しない肌荒れには、専門医への相談が早道です。皮膚の状態を正確に評価し、それぞれの原因に合った治療を受けることで、早期の改善が期待できます。肌の悩みを一人で抱え込まず、適切なサポートを活用しながら、新しい環境での生活を健やかに送っていただければ幸いです。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – ストレスによるバリア機能低下、アトピー性皮膚炎・接触性皮膚炎・ニキビ(尋常性痤瘡)などの診療ガイドラインおよび皮膚疾患に関する医学的根拠の参照
  • 厚生労働省 – ストレスと生活習慣病・皮膚健康との関連、睡眠・栄養・運動に関する生活習慣改善のガイドライン情報の参照
  • PubMed – コルチゾール過剰分泌による皮膚バリア機能低下、腸皮膚軸(gut-skin axis)、ストレスと皮脂分泌・免疫への影響に関する国際的な査読済み医学論文の参照

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
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