アレルギー性鼻炎や蕁麻疹などの治療に用いられる第二世代抗ヒスタミン薬は、従来の第一世代抗ヒスタミン薬と比較して眠気などの副作用が軽減されています。しかし、完全に眠気がないわけではなく、薬の種類や個人差により眠気を感じる方もいらっしゃいます。本記事では、第二世代抗ヒスタミン薬による眠気のメカニズムや対策方法について、医学的根拠に基づいて詳しく解説いたします。
目次
- 抗ヒスタミン薬とは何か
- 第一世代と第二世代抗ヒスタミン薬の違い
- 第二世代抗ヒスタミン薬の眠気のメカニズム
- 主な第二世代抗ヒスタミン薬と眠気の程度
- 眠気を軽減するための対策方法
- 服用時の注意点と安全な使用方法
- 医師への相談が必要なケース
- まとめ

この記事のポイント
第二世代抗ヒスタミン薬は第一世代より眠気が少ないが、10〜20%の患者に眠気が生じる。フェキソフェナジンやロラタジンが最も眠気が少なく、服用タイミング調整や薬剤変更で対策可能。アイシークリニックでは個別のライフスタイルに合わせた治療調整を行っている。
🎯 抗ヒスタミン薬とは何か
抗ヒスタミン薬は、アレルギー反応の原因となるヒスタミンという物質の働きを抑制する薬剤です。ヒスタミンは、体内に侵入したアレルゲン(花粉、ダニ、食物など)に対して免疫系が反応する際に放出される化学物質で、くしゃみ、鼻水、かゆみ、蕁麻疹などのアレルギー症状を引き起こします。
ヒスタミンは体内の特定の受容体(ヒスタミンH1受容体)に結合することで、これらの症状を発現させます。抗ヒスタミン薬は、このH1受容体への結合を阻害することで、アレルギー症状を緩和する効果を発揮します。
抗ヒスタミン薬は、開発された時期や特性により第一世代と第二世代に分類されます。現在、多くの医療現場では副作用の少ない第二世代抗ヒスタミン薬が第一選択薬として使用されています。
これらの薬剤は、アレルギー性鼻炎(花粉症)、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなど、様々なアレルギー疾患の治療に用いられています。また、風邪に伴う鼻水やくしゃみの症状緩和にも使用されることがあります。
Q. 第一世代と第二世代抗ヒスタミン薬の眠気の差は?
第一世代抗ヒスタミン薬は脂溶性が高く血液脳関門を通過しやすいため、90%以上の患者に眠気が生じる。一方、第二世代は分子構造の改良により脳内移行が抑制され、眠気の発現頻度は10〜20%程度に軽減されている。
📋 第一世代と第二世代抗ヒスタミン薬の違い
第一世代抗ヒスタミン薬は1940年代から使用されている歴史の長い薬剤群です。代表的なものには、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、ヒドロキシジンなどがあります。これらの薬剤は確実な抗ヒスタミン作用を示しますが、脂溶性が高く血液脳関門を通過しやすいため、中枢神経系に影響を与え、強い眠気や集中力の低下を引き起こしやすいという特徴があります。
一方、第二世代抗ヒスタミン薬は1980年代以降に開発された新しい薬剤群です。これらの薬剤は第一世代と同等のアレルギー症状改善効果を持ちながら、分子構造の改良により脳内への移行が大幅に抑制されています。そのため、眠気などの中枢神経系の副作用が大幅に軽減されているのが最大の特徴です。
第二世代抗ヒスタミン薬の主な利点として、以下のような点が挙げられます。まず、眠気の発現頻度が低いことです。第一世代では90%以上の患者に眠気が認められるのに対し、第二世代では10-20%程度に留まります。次に、服用回数が少ないことです。多くの第二世代抗ヒスタミン薬は1日1回の服用で24時間効果が持続するため、コンプライアンスの向上が期待できます。
さらに、抗コリン作用が弱いため、口渇、便秘、尿閉などの副作用も少なく、高齢者にも比較的安全に使用できます。また、心毒性のリスクも第一世代と比較して低く設定されています。
ただし、第二世代抗ヒスタミン薬にも完全に副作用がないわけではありません。薬剤の種類や個人差により、軽度の眠気や倦怠感を感じる場合があります。また、一部の薬剤では心電図異常のリスクが報告されているため、適切な使用が重要です。
Q. 第二世代抗ヒスタミン薬で眠気が起きるメカニズムは?
第二世代抗ヒスタミン薬でも微量が血液脳関門を通過し、覚醒維持に関わる脳内のヒスタミンH1受容体を阻害することで眠気が生じる。遺伝的要因・年齢・肝腎機能などにより脳内移行量に個人差があるため、眠気の感じ方にも差が出る。
💊 第二世代抗ヒスタミン薬の眠気のメカニズム
第二世代抗ヒスタミン薬で眠気が生じるメカニズムを理解するためには、まず脳内でのヒスタミンの役割を知る必要があります。脳内のヒスタミンは覚醒維持に重要な役割を担っており、ヒスタミン神経系は睡眠・覚醒サイクルの調節に深く関与しています。
第二世代抗ヒスタミン薬は、第一世代と比較して血液脳関門の透過性が大幅に低下するよう設計されています。血液脳関門とは、血液と脳組織の間にある選択的透過性を持つ生体バリアで、有害物質や大きな分子が脳内に侵入することを防ぐ重要な機能を持っています。
第二世代抗ヒスタミン薬の分子は、極性が高い、分子量が大きい、蛋白結合率が高いなどの特性により、血液脳関門の透過が困難になっています。しかし、完全に脳内への移行が阻止されるわけではありません。薬剤により程度は異なりますが、少量の薬剤が脳内に移行し、中枢のH1受容体を阻害することで軽度の眠気が生じる可能性があります。
また、個人差により血液脳関門の透過性に違いがあることも知られています。遺伝的要因、年齢、併用薬、肝機能、腎機能などの影響により、同じ薬剤を同じ用量服用しても、脳内への移行量に個人差が生じ、眠気の感じ方にも差が現れます。
さらに、一部の第二世代抗ヒスタミン薬では、ヒスタミンH1受容体以外の受容体への親和性も眠気に影響する可能性があります。セロトニン受容体、α1アドレナリン受容体、ムスカリン受容体などへの作用により、眠気や鎮静作用が増強される場合があります。
薬物動態学的な要因も眠気の発現に関与します。薬剤の血中濃度が最高値に達する時間、半減期、代謝経路などにより、眠気の発現時間や持続時間が決まります。一般的に、血中濃度が高い時間帯に眠気を感じやすくなる傾向があります。
🏥 主な第二世代抗ヒスタミン薬と眠気の程度
現在日本で使用されている主な第二世代抗ヒスタミン薬について、それぞれの特徴と眠気の程度を詳しく解説します。これらの薬剤は、血液脳関門透過性の違いにより、眠気の発現頻度に差があります。
フェキソフェナジン(アレグラ)は、眠気の発現頻度が最も低い薬剤の一つです。血液脳関門の透過性が極めて低く、臨床試験では眠気の発現頻度がプラセボと同程度であることが報告されています。そのため、運転や機械操作を行う方にも比較的安全に使用できる薬剤として位置づけられています。効果の持続時間は12時間程度で、1日2回の服用が必要です。
ロラタジン(クラリチン)も眠気の少ない薬剤として知られています。血液脳関門透過性が低く、眠気の発現頻度は5-10%程度とされています。1日1回の服用で24時間効果が持続し、服薬コンプライアンスの向上が期待できます。代謝産物であるデスロラタジンも抗ヒスタミン作用を有するため、安定した効果が得られます。
デスロラタジン(デザレックス)は、ロラタジンの活性代謝産物として開発された薬剤です。ロラタジンと同様に眠気の発現頻度が低く、1日1回の服用で効果が持続します。肝代謝を受けにくいため、他の薬剤との相互作用のリスクも低いとされています。
セチリジン(ジルテック)は、比較的古くから使用されている第二世代抗ヒスタミン薬です。血液脳関門透過性は他の第二世代薬剤と比較してやや高く、眠気の発現頻度は10-15%程度とされています。しかし、抗ヒスタミン作用は強力で、重症のアレルギー症状に対しても良好な効果を示します。
レボセチリジン(ザイザル)は、セチリジンの活性異性体として開発された薬剤です。セチリジンと比較して、同等の効果を半分の用量で得ることができ、眠気などの副作用も軽減されています。1日1回の服用で効果が持続し、花粉症などの季節性アレルギーに広く使用されています。
オロパタジン(アレロック)は、抗ヒスタミン作用に加えて、アレルギー反応の初期段階を抑制する作用も有する薬剤です。眠気の発現頻度は10%程度とされており、1日2回の服用が必要です。皮膚症状に対して特に良好な効果を示すことが知られています。
エピナスチン(アレジオン)は、1日1回の服用で24時間効果が持続する薬剤です。眠気の発現頻度は5-10%程度で、比較的使いやすい薬剤として評価されています。食事の影響を受けにくく、服用のタイミングを選ばない利点があります。
これらの薬剤の選択は、患者さんの症状の重症度、生活スタイル、併存疾患、他の服用薬剤などを総合的に考慮して決定されます。眠気に対する感受性には個人差があるため、実際の使用感を確認しながら最適な薬剤を選択することが重要です。
Q. 眠気が最も少ない第二世代抗ヒスタミン薬はどれか?
フェキソフェナジン(アレグラ)とロラタジン(クラリチン)が眠気の少ない薬剤として知られる。フェキソフェナジンは眠気の発現頻度がプラセボと同程度、ロラタジンは5〜10%程度とされており、どちらも運転や機械操作を行う方に比較的安全に使用できる。
⚠️ 眠気を軽減するための対策方法
第二世代抗ヒスタミン薬による眠気を軽減するためには、いくつかの効果的な対策があります。これらの方法を組み合わせることで、治療効果を維持しながら眠気の影響を最小限に抑えることが可能です。
まず、服用タイミングの調整が重要です。多くの抗ヒスタミン薬は服用後1-2時間で血中濃度が最高値に達し、この時期に眠気を感じやすくなります。日中の活動に影響を与えないよう、就寝前の服用を検討することで、眠気の影響を回避できる場合があります。特に1日1回服用の薬剤では、夕食後や就寝前の服用が効果的です。
薬剤の種類の変更も有効な対策の一つです。現在服用している薬剤で眠気を強く感じる場合は、より眠気の少ない薬剤への変更を医師に相談してみてください。フェキソフェナジンやロラタジンなど、血液脳関門透過性の特に低い薬剤への変更により、眠気が軽減される可能性があります。
用量の調整も検討すべき選択肢です。症状が軽度の場合は、医師の指導のもとで用量を減らすことで、効果を維持しながら眠気を軽減できる場合があります。ただし、自己判断での用量変更は避け、必ず医師と相談してください。
生活習慣の見直しも眠気対策に有効です。十分な睡眠時間の確保は基本となります。睡眠不足の状態では薬剤による眠気がより強く現れる傾向があるため、規則正しい睡眠習慣を心がけることが重要です。一般的に成人では7-8時間の睡眠が推奨されています。
カフェインの適量摂取も眠気軽減に役立ちます。コーヒーや緑茶に含まれるカフェインには覚醒作用があり、抗ヒスタミン薬による軽度の眠気を相殺する効果が期待できます。ただし、過剰摂取は不安や不眠の原因となるため、1日あたりカフェイン400mg以下(コーヒー4-5杯程度)に留めることが推奨されます。
適度な運動も眠気対策に有効です。軽い有酸素運動は覚醒度を高め、日中の眠気を軽減する効果があります。散歩、ストレッチ、軽いジョギングなど、無理のない範囲で身体活動を取り入れることをお勧めします。
食事のタイミングと内容も眠気に影響します。薬剤服用前後の食事は、血中濃度や副作用の発現に影響する可能性があります。薬剤ごとに食事との関係は異なるため、服薬指導に従って適切なタイミングで服用してください。また、過度の飲酒は抗ヒスタミン薬の鎮静作用を増強するため避けるべきです。
環境的要因の調整も重要です。明るい照明のもとで活動する、換気の良い場所にいる、適切な室温を保つなどの環境調整により、眠気を軽減できる場合があります。特に午後の眠気が強い場合は、明るい光を浴びることで覚醒度を高めることができます。
🔍 服用時の注意点と安全な使用方法
第二世代抗ヒスタミン薬を安全に使用するためには、いくつかの重要な注意点を理解し、適切な服用方法を守ることが必要です。これらの注意点を遵守することで、治療効果を最大化し、副作用のリスクを最小限に抑えることができます。
運転や機械操作に関する注意は特に重要です。第二世代抗ヒスタミン薬は第一世代と比較して眠気の発現頻度が低いものの、完全にゼロではありません。服用開始時や用量変更時は、眠気の程度を確認するまで運転や危険を伴う機械操作は避けることが推奨されます。特に、高所作業、重機操作、長時間運転などのリスクの高い作業では十分な注意が必要です。
アルコールとの併用は避けるべきです。アルコールは中枢神経系に対する抑制作用があり、抗ヒスタミン薬と併用することで眠気や鎮静作用が増強される可能性があります。少量のアルコールでも予想以上に強い眠気や判断力の低下を引き起こす場合があるため、服薬期間中の飲酒は控えることが安全です。
他の薬剤との相互作用にも注意が必要です。睡眠薬、抗不安薬、鎮痛薬、風邪薬などの中枢神経系に作用する薬剤と併用すると、眠気が増強される可能性があります。市販薬を含め、他の薬剤を服用している場合は、必ず医師や薬剤師に相談してください。
高齢者では特別な注意が必要です。加齢により肝機能や腎機能が低下し、薬剤の代謝・排泄が遅延する可能性があります。また、血液脳関門の機能も変化するため、若年者と比較して眠気を感じやすくなる場合があります。転倒リスクの増加にも注意が必要で、ふらつきや眠気により転倒事故が起こる可能性があります。
妊娠・授乳中の使用については、薬剤ごとに安全性が異なります。一般的に第二世代抗ヒスタミン薬の多くは比較的安全とされていますが、妊娠時期や個々の状況により判断が必要です。妊娠の可能性がある場合や授乳中の場合は、必ず医師に相談し、リスクと利益を十分に検討してから使用してください。
肝機能・腎機能障害のある方では、薬剤の代謝・排泄が正常に行われない可能性があるため、用量調整が必要な場合があります。定期的な血液検査により肝機能・腎機能をモニタリングし、必要に応じて用量の調整や薬剤の変更を行います。
心疾患のある方では、一部の抗ヒスタミン薬で心電図異常のリスクが報告されているため、慎重な使用が必要です。特に、QT延長症候群の既往がある方、電解質異常のある方、他のQT延長を引き起こす薬剤を服用している方では、定期的な心電図モニタリングが推奨される場合があります。
長期使用時の注意点として、効果の減弱(耐性)の可能性があります。長期間同じ薬剤を使用していると、徐々に効果が減少する場合があります。このような場合は、薬剤の変更や一時的な休薬などの対策を検討する必要があります。
服薬コンプライアンスの向上も重要です。症状が改善したからといって自己判断で服薬を中止すると、症状が再発する可能性があります。特にアレルギー性鼻炎では、花粉飛散期間中は継続的な服薬が必要です。医師の指示に従い、適切な期間服薬を継続してください。

Q. 抗ヒスタミン薬による眠気の対策方法を教えてください
眠気対策として、就寝前に服用するタイミング調整、眠気の少ない薬剤への変更、十分な睡眠確保、1日400mg以下の適量カフェイン摂取、適度な有酸素運動が有効である。アイシークリニックでは患者のライフスタイルに合わせた個別の治療調整を行っている。
📝 医師への相談が必要なケース
第二世代抗ヒスタミン薬を使用する際に、医師への相談が必要となる具体的なケースについて詳しく解説します。適切なタイミングで医師に相談することで、より安全で効果的な治療を受けることができます。
まず、日常生活に支障をきたすほどの眠気を感じる場合は、速やかに医師に相談してください。仕事や学習に集中できない、運転中に眠気を感じる、家事や育児に影響が出るなどの状況では、薬剤の変更や用量調整が必要な可能性があります。眠気の程度、発現時間、持続時間などの詳細な情報を医師に伝えることで、適切な対策を立てることができます。
期待した治療効果が得られない場合も医師への相談が必要です。適切な用量で数週間服用しても症状の改善が見られない、効果が不十分である、症状が悪化するなどの場合は、薬剤の変更や追加治療が必要かもしれません。アレルギー症状の原因や重症度により、最適な治療法は異なるため、個別の評価が重要です。
眠気以外の副作用が現れた場合も相談が必要です。頭痛、めまい、吐き気、口渇、便秘、動悸、発疹などの症状が現れた場合は、薬剤による副作用の可能性があります。特に、発疹や呼吸困難などのアレルギー反応を示唆する症状が現れた場合は、直ちに服薬を中止し、緊急受診が必要です。
他の薬剤を新たに服用することになった場合は、相互作用の確認が必要です。処方薬だけでなく、市販薬、サプリメント、漢方薬なども含めて、すべての服用薬剤について医師に報告してください。特に、睡眠薬、抗不安薬、抗うつ薬、てんかん治療薬、心疾患治療薬などとの併用では注意深いモニタリングが必要です。
妊娠を計画している、妊娠した可能性がある、授乳を開始する場合は、服薬継続の可否について医師と相談してください。妊娠時期により推奨される薬剤が異なる場合があり、母体と胎児の両方の安全性を考慮した治療選択が必要です。
慢性疾患の治療を受けている場合や、新たな病気が診断された場合も相談が必要です。肝疾患、腎疾患、心疾患、内分泌疾患などの併存により、抗ヒスタミン薬の使用に制限が生じる場合があります。また、手術予定がある場合は、麻酔との相互作用を避けるため、術前の服薬調整が必要な場合があります。
高齢者では、認知機能の変化、転倒リスクの増加、複数の薬剤服用による相互作用のリスクなどが懸念されるため、定期的な評価が重要です。家族が患者の状態変化に気づいた場合も、医師への相談を検討してください。
季節性アレルギーの治療では、毎年の症状パターンや治療効果を評価し、次のシーズンに向けた治療計画を立てることが重要です。前年の治療で十分な効果が得られなかった場合や、症状パターンが変化した場合は、治療戦略の見直しが必要です。
また、職業や生活環境の変化により、眠気に対する許容度が変わった場合も相談が必要です。新しい職種に就いた、夜勤が始まった、車の運転頻度が増加したなどの変化により、現在の薬剤では不適切になる場合があります。
定期的なフォローアップも重要です。長期間同じ治療を続けている場合でも、定期的に効果と副作用を評価し、必要に応じて治療の最適化を図ることで、より良い生活の質を維持することができます。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では約15%の患者様が第二世代抗ヒスタミン薬で軽度の眠気を訴えられますが、適切な薬剤選択により多くの方が日常生活に支障なく治療を継続されています。最近の傾向として、テレワークの普及により眠気への許容度が変化した方も多く、ライフスタイルに合わせた個別の治療調整を心がけております。眠気が気になる場合は遠慮なくご相談いただければ、より適した薬剤への変更や服用タイミングの調整で改善できることがほとんどです。」
💡 よくある質問
はい、第二世代抗ヒスタミン薬でも眠気が生じる可能性があります。第一世代では90%以上の患者に眠気が認められるのに対し、第二世代では10-20%程度に軽減されていますが、完全にゼロではありません。薬剤の種類や個人差により、軽度から中等度の眠気を感じる場合があります。
フェキソフェナジン(アレグラ)とロラタジン(クラリチン)が最も眠気の少ない薬剤です。フェキソフェナジンは眠気の発現頻度がプラセボと同程度で、ロラタジンは5-10%程度とされています。血液脳関門の透過性が極めて低いため、運転や機械操作を行う方にも比較的安全に使用できます。
いくつかの効果的な対策があります。就寝前の服用によるタイミング調整、より眠気の少ない薬剤への変更、十分な睡眠時間の確保、適量のカフェイン摂取、適度な運動などが有効です。アイシークリニックでは、患者様のライフスタイルに合わせた個別の治療調整を行っております。
服用開始時や用量変更時は眠気の程度を確認するまで運転や危険な機械操作を避けるでください。アルコールとの併用は眠気が増強される可能性があるため控えましょう。他の睡眠薬や風邪薬との併用時も注意が必要です。市販薬を含め、他の薬剤服用時は必ず医師に相談してください。
日常生活に支障をきたすほどの眠気を感じる場合、期待した治療効果が得られない場合、眠気以外の副作用(頭痛、めまい、発疹など)が現れた場合は速やかに相談してください。また、妊娠の可能性がある場合や他の薬剤を新たに服用する場合も、安全性確認のため医師への相談が必要です。

✨ まとめ
第二世代抗ヒスタミン薬は、アレルギー疾患の治療において中心的な役割を果たす重要な薬剤です。第一世代と比較して眠気などの副作用が大幅に軽減されているものの、完全になくなったわけではありません。薬剤の種類や個人の特性により、軽度から中等度の眠気を感じる場合があります。
眠気のメカニズムは、主に血液脳関門の透過性と脳内ヒスタミンH1受容体への結合に関連しています。フェキソフェナジンやロラタジンなど、血液脳関門透過性の特に低い薬剤では眠気の発現頻度が最も少なく、一方でセチリジンなどでは若干高くなる傾向があります。
眠気を軽減するための対策として、服用タイミングの調整、薬剤変更、用量調整、生活習慣の改善などが効果的です。十分な睡眠、適度な運動、適切なカフェイン摂取、環境調整などの非薬物的アプローチも重要な役割を果たします。
安全な使用のためには、運転や機械操作時の注意、アルコールとの併用回避、他の薬剤との相互作用への注意、高齢者や妊婦・授乳婦での慎重使用などが必要です。また、効果不十分、副作用の出現、他の薬剤の併用開始、妊娠・授乳、慢性疾患の併存などの場合は、適切なタイミングで医師に相談することが重要です。
現代の抗ヒスタミン薬治療は、個々の患者の症状、生活スタイル、職業、併存疾患などを総合的に考慮した個別化医療が基本となっています。適切な薬剤選択と使用方法により、アレルギー症状を効果的にコントロールしながら、質の高い日常生活を維持することが可能です。
治療効果と副作用のバランスを最適化するためには、患者と医療者の密なコミュニケーションが不可欠です。症状の変化、副作用の有無、生活への影響などについて率直に医師と相談し、最適な治療法を見つけていくことが重要です。アイシークリニック渋谷院では、患者様一人ひとりの状況に合わせた最適な抗ヒスタミン薬治療をご提案させていただいております。
📚 関連記事
- 花粉症で倦怠感やだるさを感じる理由と効果的な対処法
- 花粉症で咳が止まらない原因と対策|症状別の治療法を医師が解説
- 花粉症の重症度チェック:症状レベルを知って適切な治療を受けよう
- ピーナッツアレルギーの症状を詳しく解説|重篤化する前の対処法
- カカオアレルギーの症状と発症時間|注意すべき食品と対処法
📚 参考文献
- 厚生労働省 – 第二世代抗ヒスタミン薬の承認情報、安全性情報、適正使用に関する厚生労働省の公式見解と医薬品添付文書情報
- 日本皮膚科学会 – アレルギー性皮膚疾患診療ガイドライン:抗ヒスタミン薬の選択基準、効果・副作用の評価、適応疾患に関する学会推奨事項
- PubMed – 第二世代抗ヒスタミン薬の薬理学的特性、血液脳関門透過性、眠気発現機序に関する国際的な臨床研究論文と薬理学的エビデンス
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務