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ひょう疽にゲンタマイシンは効く?治療法と受診のタイミングを解説

🚨 指先がズキズキ・赤く腫れてきた… それ、放置すると骨や腱にまで炎症が広がる「ひょう疽」かもしれません。

🗨️ 「ゲンタマイシン塗っておけば治る?」
実はそれだけでは不十分なケースがほとんどです。
🗨️ 「自分で治せる?受診すべき?」
判断を間違えると、指の機能が失われるリスクも。

この記事を読めば…

  • ✅ ゲンタマイシンがひょう疽に効く範囲・限界がわかる
  • ✅ 自己治療でOKな段階と、絶対に受診すべきサインがわかる
  • ✅ 正しい治療の流れと予防策がわかる

⚠️ 読まないとこうなるかも…

ひょう疽を放置・誤った自己治療を続けると、痛みの悪化だけでなく、骨髄炎や腱鞘炎へと進行し、最悪の場合は指の切断が必要になることも。
早めの正しい対処が、指を守る最大の鍵です。


目次

  1. ひょう疽(瘭疽)とはどんな病気か
  2. ひょう疽の原因菌と感染経路
  3. ひょう疽の症状と進行段階
  4. ゲンタマイシンとはどのような薬か
  5. ひょう疽に対するゲンタマイシンの効果と限界
  6. ゲンタマイシン軟膏の正しい使い方
  7. ひょう疽の標準的な治療法
  8. 自己治療で対応できる範囲と注意点
  9. 受診すべきタイミングとサイン
  10. ひょう疽の予防策
  11. まとめ

💡 この記事のポイント

ひょう疽にゲンタマイシン軟膏は補助的効果があるが、皮膚深部への浸透限界や耐性菌の問題から単独治療は不十分。膿瘍形成時は切開排膿が必須であり、拍動性の痛みや炎症拡大のサインが現れたら早期に皮膚科・形成外科を受診することが指の機能を守る上で最重要。

💡 1. ひょう疽(瘭疽)とはどんな病気か

ひょう疽は漢字で「瘭疽」と書き、医学的には「化膿性爪囲炎(かのうせいそういえん)」や「爪周囲炎(そうしゅういえん)」とも呼ばれます。主に指先の爪の周囲や指腹部(指のはら側)に細菌が侵入し、皮下組織で化膿を起こす病気です。

手指に起きることが圧倒的に多く、特に爪の根元や脇(爪郭)に膿がたまるケースが典型的です。足の指に起きることもありますが、頻度としては手指のほうが多い傾向があります。

ひょう疽は日常的によくみられる疾患であり、特に以下のような方に起こりやすいとされています。

まず、爪を深く切りすぎる習慣がある方や、爪の周囲の皮膚をむしる癖(咬爪癖や爪周囲の皮膚をいじる習慣)がある方は、皮膚の防御バリアが破れやすく、細菌が侵入しやすい状態になります。また、水仕事が多い方は皮膚がふやけやすく、同様のリスクがあります。糖尿病など免疫機能が低下しやすい疾患をお持ちの方では、軽度の傷でも細菌感染が起きやすく、ひょう疽が重症化しやすい傾向があります。

ひょう疽を「たかが指先の化膿」と軽く考えてしまう方もいますが、指先は腱や骨が密集した繊細な部位です。感染が深部に及ぶと腱炎(けんえん)や骨髄炎(こつずいえん)へと進展する可能性があり、最悪の場合は指の機能に永続的な障害が残ることもあります。そのため、早期に適切な対応をすることが非常に重要です。

Q. ひょう疽の主な原因菌と感染経路は?

ひょう疽の主な原因菌は黄色ブドウ球菌で、皮膚の常在菌が爪切りの傷や逆むけ、刺し傷などの小さな傷口から侵入して発症します。口をなめる癖がある場合は口腔内嫌気性菌が原因となることもあり、治療薬の選択に影響します。

📌 2. ひょう疽の原因菌と感染経路

ひょう疽を引き起こす細菌として最も多いのが黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)です。黄色ブドウ球菌は皮膚の常在菌であり、健康な状態であれば皮膚の外側に存在するだけで害を及ぼしませんが、皮膚に傷が生じるとその傷口から侵入して感染を引き起こします。

その他の原因菌としては、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)も代表的な起炎菌として知られています。化膿連鎖球菌による感染は進行が速く、炎症が広がりやすい特徴があります。また、口の中の常在菌である口腔内嫌気性菌も原因となることがあり、これは爪をかむ癖がある方や指を口に含む習慣がある方に多くみられます。この場合、通常の黄色ブドウ球菌感染と異なる薬剤感受性を示すことがあるため、治療の選択にも影響します。

感染経路としては、爪を切った際の小さな傷、逆むけを無理に引っ張った際の皮膚の損傷、トゲや針などによる刺し傷、爪の周囲の皮膚をむしることによる傷などが挙げられます。これらの傷はごく小さなものであっても、細菌が侵入するには十分な入口となります。

なお、近年では抗菌薬への耐性を持つメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による感染も報告されています。MRSAに対してはゲンタマイシンが効果を示す場合もありますが、耐性パターンは個々の菌株によって異なるため、専門的な培養検査と薬剤感受性試験が必要です。

✨ 3. ひょう疽の症状と進行段階

ひょう疽は発症してから時間の経過とともに症状が変化し、進行段階によって適切な治療法も異なります。大まかには「炎症期」「化膿期」「重症期」の3つの段階に分けて考えることができます。

炎症期の症状としては、爪の周囲や指先の赤み、腫れ、熱感、痛みが主なものです。この段階では膿はまだ形成されていないか、ごく少量にとどまっています。痛みはズキズキとした拍動性の痛みが特徴的で、心臓の拍動に合わせて痛みが増すように感じられることがあります。

化膿期になると、皮膚の下に黄白色の膿がたまり、触ると波動感(ぶよぶよとした感触)が生じます。この段階では痛みも強くなり、日常生活や睡眠にも支障をきたすことがあります。膿がたまった状態を医学的には膿瘍(のうよう)といい、この段階になると抗菌薬だけでは治療が困難になることが多く、外科的な排膿処置が必要になります。

重症期では、感染が爪の下(爪下)や指の深部にまで及ぶことがあります。爪の下に膿がたまる状態を爪下膿瘍(そうかのうよう)といい、この場合は爪の除去を含む外科的処置が必要になることがあります。さらに炎症が深部に及ぶと、腱鞘炎(けんしょうえん)や骨髄炎へと進展するリスクがあります。骨髄炎にまで進行した場合は、長期間の入院治療や手術が必要になることもあります。

このような進行を防ぐためにも、初期の炎症期の段階で適切な治療を開始することが重要です。

Q. ゲンタマイシン軟膏はひょう疽に効きますか?

ゲンタマイシン軟膏は黄色ブドウ球菌に一定の抗菌効果を持ち、初期の炎症期には補助的な役割を担います。しかし皮膚深部への浸透性が低く、膿瘍形成後は外科的切開排膿が必要です。耐性菌が存在する場合は効果が得られないこともあります。

🔍 4. ゲンタマイシンとはどのような薬か

ゲンタマイシン(Gentamicin)は、アミノグリコシド系と呼ばれる抗生物質の一種です。1963年にシオボン・ハーシュ・ウェインスタインらによってMicromonospora purpureraという放線菌から発見され、その後臨床に広く応用されるようになりました。

ゲンタマイシンの作用機序は、細菌のリボソーム(タンパク質合成を行う細胞内の構造体)の30Sサブユニットに結合し、タンパク質の合成を阻害することで細菌を殺菌するというものです。静菌作用(菌の増殖を抑える)ではなく殺菌作用(菌そのものを殺す)を持つ点が特徴です。

ゲンタマイシンが効果を示す細菌(抗菌スペクトル)としては、大腸菌や緑膿菌などのグラム陰性桿菌が代表的です。また、黄色ブドウ球菌などのグラム陽性球菌に対しても一定の効果を示します。

医療の場ではゲンタマイシンは注射薬、点眼薬、軟膏(外用薬)などの形で使用されます。市販薬や処方薬として広く知られているのは外用のゲンタマイシン硫酸塩軟膏で、商品名としてはゲンタシン軟膏(処方薬)が代表的です。この軟膏は皮膚への細菌感染症に対して処方されることが多く、外傷・熱傷、膿皮症などへの使用が一般的です。

ただし、注射薬のゲンタマイシンは強い腎毒性(腎臓への毒性)と耳毒性(内耳への毒性)を持つため、全身投与の際には血中濃度のモニタリングが必要です。一方、軟膏として皮膚に外用する場合は全身への吸収が少ないため、これらの副作用のリスクは格段に低くなります。

💪 5. ひょう疽に対するゲンタマイシンの効果と限界

ゲンタマイシン軟膏はひょう疽に対して一定の効果を持ちますが、その効果には重要な限界があります。

まず効果の面から見ると、ひょう疽の主な原因菌である黄色ブドウ球菌に対してゲンタマイシンは感受性(効果を示すこと)を持つ場合があります。炎症期のごく初期であれば、ゲンタマイシン軟膏を患部に塗布することで細菌の増殖を抑え、感染の進行を遅らせる効果が期待できます。外用薬のため、患部への直接的な抗菌効果を発揮できる点もメリットといえます。

しかし、ゲンタマイシン軟膏の限界として最初に挙げるべきことは、皮膚への浸透性の問題です。軟膏として塗布したゲンタマイシンは皮膚表面での効果は期待できますが、皮膚の深部——すなわち炎症や化膿が起きている組織内部——には十分に到達しにくいという特性があります。ひょう疽は皮下組織で感染が起きているため、外用薬だけでは深部の感染をコントロールするのに不十分なケースが多くあります。

次に、耐性菌の問題があります。黄色ブドウ球菌の中にはゲンタマイシンに耐性を持つ株が存在します。特にMRSAはしばしばゲンタマイシンにも耐性を示すことがあり、ゲンタマイシンを使用しても効果が得られない場合があります。

また、膿瘍が形成されている段階(化膿期)では、外用の抗菌薬のみでの治療は難しくなります。膿瘍内部は血流が乏しく、抗菌薬が届きにくい環境であるうえ、膿の中には壊死した組織や細菌の産物が大量に含まれているため、抗菌薬の効果が中和されてしまうことがあります。この段階では外科的に膿を排出する処置(切開排膿)が優先されます。

さらに、感染初期に抗菌薬を不適切に使用することで、耐性菌を選択的に増殖させるリスクも無視できません。必要以上に長期間・高頻度で抗菌薬軟膏を使用することは避けるべきです。

以上のことから、ゲンタマイシン軟膏はひょう疽の補助的な治療として有用な場合はありますが、それだけで治療が完結するものではないと理解しておく必要があります。

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🎯 6. ゲンタマイシン軟膏の正しい使い方

ゲンタマイシン硫酸塩軟膏(ゲンタシン軟膏など)は処方薬であり、医師の指示のもとで使用するものです。自己判断で使用する際は以下の点を十分に理解したうえで行うことが重要です。

まず、患部の清潔を確保することが前提です。軟膏を塗布する前に、患部を流水でよく洗浄し、汚れや異物を取り除いてください。傷口がある場合は特に丁寧に洗うことが重要です。

次に、軟膏は患部に薄く塗布します。軟膏を大量に塗っても効果が高まるわけではありません。ガーゼや清潔な布で覆う場合は通気性を確保してください。密閉状態で軟膏を使用すると、かえって細菌が増殖しやすい環境を作ってしまうことがあります。

塗布の頻度と期間については、医師の指示に従うことが原則ですが、一般的には1日1〜数回の塗布が標準的です。使用する期間が長くなると耐性菌が生じるリスクが高まるため、症状の改善が得られない場合や症状が悪化する場合は使用を中止して医師に相談することが必要です。

ゲンタマイシン軟膏で注意すべき副作用としては、接触性皮膚炎(かぶれ)が挙げられます。まれにゲンタマイシン自体またはその基剤(ワセリンなど)にアレルギー反応を示す方がいます。使用後に皮膚の発赤や痒みが強くなった場合は使用を中止して医療機関を受診してください。

なお、ゲンタシン軟膏は処方薬であるため、市販の薬局では基本的に購入できません(OTC薬として販売されているゲンタマイシン含有製品はごく一部に限られます)。医師の処方なしに入手するのは難しく、これはすなわち「ひょう疽にゲンタマイシンを使いたいなら、まず医師を受診してください」ということを意味しています。

Q. ひょう疽で受診すべき症状のサインは?

患部に膿の貯留がある、ズキズキとした拍動性の痛みが出た、赤みや腫れが指を越えて広がっている、発熱など全身症状を伴う場合は速やかに受診が必要です。自己ケアを3〜4日続けても改善しない場合も受診の目安となります。

💡 7. ひょう疽の標準的な治療法

ひょう疽の治療は、症状の段階と重症度に応じて選択されます。ここでは標準的な治療の流れを解説します。

初期(炎症期)の治療としては、まず局所の安静と患部の挙上(心臓より高い位置に保つこと)が基本となります。挙上することで浮腫(むくみ)が軽減し、痛みの緩和にもつながります。抗菌薬については、外用薬(ゲンタマイシン軟膏など)の使用とともに、経口の抗菌薬(内服薬)が処方されることが多いです。

経口抗菌薬としては、黄色ブドウ球菌や連鎖球菌に対して効果のあるセフェム系抗菌薬(セファレキシンなど)やペニシリン系抗菌薬(アモキシシリンなど)が第一選択として用いられることが多いです。嫌気性菌の関与が疑われる場合(口をなめる癖がある方など)は、嫌気性菌にも効果のあるアモキシシリン・クラブラン酸の合剤が選択されることもあります。

膿瘍が形成された段階(化膿期)では、切開排膿(せっかいはいのう)が必要になります。これは局所麻酔下に患部を切開し、たまった膿を排出する処置です。膿を排出することで痛みが劇的に改善されることが多く、ひょう疽の治療において非常に重要な処置です。切開後は適切なドレナージ(排膿を促す処置)を行い、抗菌薬の投与を続けながら経過を観察します。

爪の下に膿がたまっている場合(爪下膿瘍)では、爪の一部または全部を除去して膿を排出する処置が行われることがあります。爪を除去することへの心理的抵抗を感じる方もいますが、適切な処置を行えば爪は再生してくることがほとんどです。

感染が深部に及んでいる場合や、外来での処置で改善が見られない場合は、入院のうえで静脈内投与の抗菌薬(点滴)による治療や、手術的な処置が必要になることもあります。腱鞘炎を合併している場合は手術(腱鞘切開・洗浄)が行われることがあります。

糖尿病をお持ちの方や免疫機能が低下している方では、通常よりも積極的な治療が求められる場合があります。血糖コントロールの状態が感染症の治癒に大きく影響するため、ひょう疽の治療と並行して血糖管理を行うことも重要です。

📌 8. 自己治療で対応できる範囲と注意点

ひょう疽に対して自己治療(セルフケア)で対応できる範囲は非常に限られています。「まだ軽症だから様子をみよう」「薬局で買える薬で何とかなるかもしれない」と思って対処が遅れることで、症状が悪化するリスクがあります。

自己治療が許容される可能性があるのは、ごく初期の炎症期であり、以下のすべての条件が揃っている場合に限られます。すなわち、痛みが比較的軽度であること、明らかな膿の形成がないこと、赤みや腫れが限局的であること、発熱など全身症状を伴っていないこと、糖尿病などの基礎疾患がないことです。

このような段階であれば、患部を清潔に保ち、市販の消毒薬や抗菌薬含有の外用薬を使用しながら経過を観察することが考えられます。ただし、この段階であっても医師を受診して適切な診断・治療を受けることが最善です。

自己治療において特に避けるべきことがあります。まず、自分で膿を絞り出したり、針で刺したりすることは絶対に避けてください。衛生状態が不十分な環境で自己処置を行うと、さらなる細菌の侵入や感染の拡大を招く危険があります。また、患部を温める(温湿布など)行為は炎症期には血流を促進して症状を悪化させることがあるため推奨されません。

逆に、冷やすことについては炎症の急性期において一時的な痛みの緩和には役立つことがありますが、過度に冷やすことも組織の回復を妨げる可能性があります。冷やす場合は冷水に浸す程度にとどめ、氷を直接当てることは避けてください。

抗菌薬について言えば、医師の処方なしに抗菌薬を入手して自己投与することは法律的にも医学的にも問題があります。適切な薬剤の選択、用量の設定、投与期間の決定はすべて専門的な判断が必要です。不適切な使用は治癒の遅延と耐性菌の出現をもたらします。

Q. ひょう疽を繰り返さないための予防法は?

ひょう疽の予防には、爪を深く切りすぎないスクエアカットが基本です。爪周囲の皮膚をむしる癖をやめ、逆むけはハサミで丁寧に切り取ることが重要です。水仕事の際は手袋を着用し、作業後は保湿で皮膚バリアを維持することも有効な対策です。

✨ 9. 受診すべきタイミングとサイン

ひょう疽の治療において非常に重要なのは、「いつ医療機関を受診するか」というタイミングの判断です。以下のような状況が見られる場合は、速やかに医療機関を受診してください。

まず、患部に明らかな膿の貯留(黄白色の膿が見える、触るとぶよぶよする)が認められる場合は受診のサインです。膿がたまった状態は自然に治ることは少なく、排膿処置が必要です。

痛みが日に日に強くなる、あるいは「ズキズキとした拍動性の痛み」が出てきた場合も受診が必要です。拍動性の痛みは組織内の圧力が高まっているサインであり、膿瘍形成の兆候として捉えることができます。

赤みや腫れが患部を越えて広がっている場合、特に指を越えて手の甲や手首方向へ炎症が広がっているように見える場合は、蜂窩織炎(ほうかしきえん、皮下組織の広範な細菌感染)へと進行している可能性があり、入院を含む積極的な治療が必要になることがあります。このような状態は緊急性が高いといえます。

発熱(37.5度以上)や悪寒、全身倦怠感といった全身症状を伴っている場合は、感染が全身に及んでいる可能性(敗血症)があり、直ちに医療機関を受診してください。

3〜4日間、市販薬や自己ケアで対応しても改善が見られない場合も受診の目安です。悪化していなくても改善がなければ、より適切な治療が必要な状態と判断すべきです。

糖尿病、免疫抑制薬の使用、HIV感染、悪性腫瘍の治療中など、免疫機能が低下している状態にある方は、軽症に見えても感染が急速に悪化する可能性があるため、早めに医療機関を受診することをお勧めします。

受診先としては、皮膚科や形成外科、整形外科(手の外科)が適切です。膿瘍の切開排膿などの処置が必要な場合は外科的処置に慣れた診療科での治療が望ましいといえます。症状が重篤な場合や夜間・休日の場合は救急外来を受診することも適切な選択です。

🔍 10. ひょう疽の予防策

ひょう疽は一度治癒しても、再発することがあります。また、同じような習慣や環境が続く限り、再度発症するリスクがあります。予防の観点から日常生活で心がけるべきことをまとめます。

爪の適切なケアが最も基本的な予防策です。爪は深く切りすぎず、爪の角は少し残す形(スクエアカットに近い形)で整えることが推奨されます。爪切りは清潔なものを使用し、爪の周囲の皮膚を傷つけないよう注意してください。爪切りを他の人と共有することは感染リスクを高めるため避けましょう。

爪の周囲の皮膚をむしる癖、爪をかむ癖がある方はこれらの習慣をやめることが重要です。これらの行為は皮膚の防御バリアを破壊し、細菌の侵入口を作ることになります。

逆むけ(ささくれ)が生じた場合は、無理に引っ張らず、清潔なハサミや爪切りで根元から丁寧に切り取ってください。引っ張ると皮膚が大きく裂け、傷が深くなることがあります。

水仕事や汚れを扱う作業の際は手袋を使用することで、皮膚のふやけや傷のリスクを軽減できます。手袋を外した後は手指をよく洗い、保湿クリームで皮膚のバリア機能を維持することも有効です。

小さな傷や刺し傷が生じた場合は、流水でよく洗浄し、清潔に保つことが感染予防の基本です。傷が深い場合や汚染が強い場合は医療機関での処置が必要なこともあります。

糖尿病のある方は、血糖コントロールを良好な状態に保つことが免疫機能の維持につながり、感染症全般のリスクを下げることができます。定期的な通院と適切な治療の継続が重要です。

また、ジェルネイルやアクリルネイルなど人工ネイルを使用している方は、爪と人工ネイルの間に水分や汚れがたまりやすく、感染のリスクが高まることがあります。ネイルケアの際には爪の周囲の衛生管理に特に注意してください。施術後に爪周囲の痛みや赤みが出た場合は早めに対処することが重要です。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、「市販の軟膏を塗っていたが一向に良くならない」という状態でご来院される患者様が少なくなく、受診時にはすでに膿瘍が形成されているケースも見受けられます。ゲンタマイシン軟膏を含む外用薬はあくまでも補助的な役割であり、膿がたまっている場合は切開排膿という外科的処置が治癒への近道となります。指先の腫れや拍動性の痛みを感じたら「様子をみるよりも早めの受診」を心がけていただくことが、指の機能を守るうえで何よりも大切です。

💪 よくある質問

ゲンタマイシン軟膏だけでひょう疽は治りますか?

ゲンタマイシン軟膏は補助的な効果はありますが、それだけで治療が完結するものではありません。軟膏は皮膚深部まで浸透しにくく、膿瘍が形成された段階では外科的な切開排膿が必要です。また耐性菌が存在する場合は効果が得られないこともあるため、症状が改善しない場合は早めに医療機関を受診してください。

ひょう疽になったら自分で膿を出してもよいですか?

自分で膿を絞り出したり針で刺したりすることは絶対に避けてください。衛生状態が不十分な環境での自己処置は、さらなる細菌の侵入や感染の拡大を招く危険があります。膿がたまっている場合は、皮膚科や形成外科などで局所麻酔下に適切な切開排膿処置を受けることが治癒への近道です。

ひょう疽はどのタイミングで受診すべきですか?

患部に膿の貯留がある、ズキズキとした拍動性の痛みが出てきた、赤みや腫れが指を越えて広がっている、発熱など全身症状を伴っている場合は速やかに受診してください。また自己ケアを3〜4日続けても改善が見られない場合も受診の目安です。アイシークリニックでも皮膚のトラブルに関するご相談を承っています。

糖尿病があるとひょう疽は重症化しやすいですか?

はい、糖尿病など免疫機能が低下しやすい疾患をお持ちの方は、軽度の傷でも細菌感染が起きやすく、ひょう疽が重症化しやすい傾向があります。軽症に見えても感染が急速に悪化する可能性があるため、通常より早めに医療機関を受診することをお勧めします。治療と並行して血糖コントロールを適切に行うことも重要です。

ひょう疽を繰り返さないための予防法はありますか?

爪を深く切りすぎない、爪の周囲の皮膚をむしる癖をやめる、逆むけは引っ張らずハサミで切るなどの日常ケアが基本です。水仕事の際は手袋を使用し、作業後は保湿で皮膚バリアを維持することも有効です。小さな傷が生じた際は流水でよく洗浄し、清潔に保つことが感染予防につながります。

🎯 まとめ

ひょう疽は指先に起こる細菌感染症であり、初期に適切に対処すれば多くの場合は回復しますが、放置や不適切な対処によって重症化するリスクがある疾患です。

ゲンタマイシン軟膏はひょう疽の原因菌に対して一定の抗菌効果を持ちますが、皮膚への浸透性の限界や耐性菌の問題から、これだけで治療が完結するものではありません。特に膿瘍が形成された段階では、外科的な切開排膿が必要であり、外用薬のみでの対応は不十分です。

ひょう疽の治療において大切なのは、自己判断による対処を長引かせず、適切なタイミングで医療機関を受診することです。膿の形成、強い拍動性の痛み、炎症の拡大、全身症状の出現などのサインが見られる場合は、速やかに皮膚科や形成外科などを受診してください。

「たかが指先の腫れ」と軽く見ずに、早期の受診と適切な治療で、指の機能を守ることが大切です。アイシークリニック渋谷院では、皮膚のトラブルに関するご相談を承っています。気になる症状がある場合はお気軽にご相談ください。

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📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – ひょう疽(化膿性爪囲炎)の診断基準・治療方針・抗菌薬選択に関する皮膚科領域のガイドライン情報
  • 国立感染症研究所 – ひょう疽の主要原因菌である黄色ブドウ球菌(MRSA含む)の特性・感染経路・薬剤耐性に関する情報
  • PubMed – ひょう疽(paronychia)に対するゲンタマイシンを含む抗菌薬治療の有効性・限界に関する国際的な臨床研究・エビデンス情報
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