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脂漏性角化症とは?原因・症状から治療法まで専門医が詳しく解説|渋谷で脂漏性角化症治療ならアイシークリニック

目次

  1. はじめに
  2. 脂漏性角化症とは?老人性イボとの違い
  3. 脂漏性角化症の症状と特徴
  4. 脂漏性角化症ができる原因
  5. 脂漏性角化症の診断方法
  6. 脂漏性角化症と間違えやすい疾患
  7. 脂漏性角化症の治療法
  8. 治療法ごとのメリット・デメリット比較
  9. 治療後のケアと注意点
  10. 脂漏性角化症の予防法
  11. 脂漏性角化症についてよくある質問
  12. 渋谷で脂漏性角化症の治療を受けるなら
  13. まとめ

1. はじめに

顔や首、手の甲などにできる茶色や黒っぽい盛り上がったできもの。鏡を見るたびに気になる方も多いのではないでしょうか。このようなできものの多くは「脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)」と呼ばれる良性の皮膚腫瘍です。

脂漏性角化症は「老人性イボ」という別名があることからもわかるように、加齢とともに発症しやすくなる皮膚の変化です。しかし、実際には20代後半から出現する方もおり、決して高齢者だけの悩みではありません。

本記事では、脂漏性角化症の原因や症状、診断方法から治療法まで、皮膚科専門医の知見をもとに詳しく解説します。渋谷エリアで脂漏性角化症の治療をお考えの方にも参考にしていただける内容となっています。


2. 脂漏性角化症とは?老人性イボとの違い

脂漏性角化症の定義

脂漏性角化症は、皮膚の表皮細胞(特に基底細胞と有棘細胞)が異常増殖することで発生する良性の皮膚腫瘍です。医学的には「老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)」とも呼ばれ、非常に受診頻度の高い疾患として知られています。

慶應義塾大学病院の医療情報サイトによれば、脂漏性角化症の発生原因は主に紫外線の影響や皮膚の老化であるとされています。高齢者の顔などに多く見られる、少し盛り上がった茶色から黒色の表面が少しざらついたできものが典型的な症状です。

老人性イボとの違い

「老人性イボ」という呼び名は一般的に使われていますが、医学的には厳密な意味での「イボ」ではありません。イボとは本来、ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することで発症するウイルス性の疾患を指します。代表的なものとしては、尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)や伝染性軟属腫(水イボ)などがあります。

一方、脂漏性角化症はウイルスが原因ではないため、他人に感染することはありません。見た目がイボに似ていることから俗称として「老人性イボ」と呼ばれていますが、発症のメカニズムは全く異なります。

良性腫瘍としての特徴

脂漏性角化症は良性腫瘍であり、基本的にがん化することはありません。そのため、健康上の観点からは必ずしも治療が必要な疾患ではありません。しかし、自然に消えることもないため、加齢とともに増大したり、数が増えたりすることがあります。

顔や首など目立つ部位にできた場合、見た目を気にして治療を希望される方が多いのが実情です。また、衣服やアクセサリーとの摩擦で不快感を感じる場合や、ひげ剃りの際に引っかかって気になる場合なども、治療を検討するきっかけとなります。


3. 脂漏性角化症の症状と特徴

見た目の特徴

脂漏性角化症の外観には以下のような特徴があります。

色調については、肌色に近いものから褐色、さらには黒色まで様々なバリエーションがあります。一般的には茶褐色のものが多く見られます。

大きさは数ミリメートルから2〜3センチメートル程度が一般的ですが、まれに5センチメートルを超える大きなものもあります。最初は小さくても、時間の経過とともに徐々に大きくなる傾向があります。

形状については、わずかに盛り上がったものから、顕著に突出したものまで様々です。表面は乾燥していてざらざらしており、触ると硬く感じます。指で削るとポロポロとかさぶたのように取れることもありますが、これは脂漏性角化症の特徴的な所見です。

好発部位

脂漏性角化症は手のひらと足の裏を除く全身のあらゆる部位に発生する可能性がありますが、特に紫外線を浴びやすい部位に好発します。

顔面は最も多い発生部位の一つです。こめかみ、頬、額などに見られることが多く、シミ(老人性色素斑)と混在していることも珍しくありません。

頭部も好発部位であり、特に頭髪が薄くなった部分に発生しやすいです。髪をとかす際に引っかかって気づくケースも多くあります。

首周りでは、小さな脂漏性角化症が多発することがあり、これは「首イボ」と呼ばれることもあります。アクロコルドンやスキンタッグと呼ばれる軟性線維腫と混在していることもあります。

体幹部では、胸部や背中にも発生することがあります。これらの部位は紫外線の影響が比較的少ないため、加齢による変化や遺伝的要因が主な原因と考えられています。

手の甲も紫外線にさらされやすい部位であり、脂漏性角化症が発生しやすい場所の一つです。

自覚症状

脂漏性角化症は通常、痛みやかゆみを伴いません。そのため、見た目の変化に気づかなければ放置されることも多い疾患です。

しかし、患部が衣服やアクセサリーに擦れる場合、炎症を起こしてかゆみや赤みを生じることがあります。また、時々軽いかゆみを感じるという方もいます。


4. 脂漏性角化症ができる原因

脂漏性角化症の正確な原因は完全には解明されていませんが、いくつかの要因が関係していると考えられています。

紫外線の影響

紫外線は脂漏性角化症の最も重要な原因因子の一つです。長年にわたって紫外線を浴び続けることで、表皮の基底細胞と有棘細胞が異常増殖を起こし、脂漏性角化症が発生すると考えられています。

紫外線の影響は蓄積されるため、若い頃から日光を多く浴びてきた方は、脂漏性角化症を発症しやすい傾向があります。顔、頭部、手の甲など、日常的に紫外線にさらされる部位に好発することも、この説を裏付けています。

また、紫外線はメラニン色素の産生を促進するため、脂漏性角化症は色素沈着を伴い、褐色や黒色を呈することが多いです。

加齢(皮膚の老化)

脂漏性角化症は皮膚の老化現象の一つとして捉えられており、加齢とともに発症率が高まります。80歳以上の高齢者ではほぼ全員に見られるとも言われています。

若い頃は皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)が活発で、メラニン色素は速やかに排出されます。しかし、加齢とともにこのサイクルが長くなり、メラニンが蓄積されてシミ(老人性色素斑)になります。このシミがさらに盛り上がってできたものが脂漏性角化症であるというケースも多く見られます。

遺伝的要因

同じ年齢層でも、脂漏性角化症の発生数には大きな個人差があります。これは遺伝的な体質が影響していることを示唆しています。

家族に脂漏性角化症ができやすい方がいる場合、発症リスクが高くなる可能性があります。特定の病型では遺伝子変異が同定されているという報告もあります。

遺伝的要因による発症は予防が難しいですが、紫外線対策を徹底することで進行を遅らせることは可能と考えられています。

その他の要因

物理的な刺激も脂漏性角化症の発生に関与する可能性があります。ネックレスなどのアクセサリーによる慢性的な摩擦や、やけどやケガによる皮膚障害が原因となることもあります。

また、ホルモンバランスの変化や免疫機能の変化も関係している可能性が指摘されていますが、詳細なメカニズムはまだ明らかになっていません。


5. 脂漏性角化症の診断方法

視診による診断

脂漏性角化症の診断は、多くの場合、皮膚科専門医による視診で可能です。典型的な症例では、盛り上がった褐色から黒色のざらざらした病変という特徴的な外観から診断がつきます。

ただし、脂漏性角化症は見た目だけではほくろや他の皮膚疾患と区別がつきにくいこともあります。そのような場合には、より詳細な検査が必要となります。

ダーモスコピー検査

ダーモスコピーは、ライト付きの特殊な拡大鏡(ダーモスコープ)を使用して皮膚の状態を詳しく観察する検査方法です。10倍程度に拡大して皮膚表面の色素沈着パターンや構造を確認することができます。

脂漏性角化症はダーモスコピーで観察すると特徴的な所見を呈するため、他の皮膚病変との鑑別に非常に有用です。良性と悪性の判断にも役立ち、多くの場合はこの検査で診断を確定することができます。

病理組織検査(生検)

ダーモスコピーでも診断が確定しない場合や、悪性腫瘍との鑑別が必要な場合には、皮膚の一部または全部を採取して顕微鏡で調べる病理組織検査(生検)を行います。

生検では、局所麻酔を行った後に病変の一部または全体を切除し、病理医が組織を詳しく調べます。これにより、確実な診断を得ることができます。

注意点として、電気焼灼や冷凍療法、レーザー照射などの治療を行った後は、組織が変性してしまうため正確な病理検査ができなくなります。そのため、悪性の可能性が疑われる場合は、治療前に生検を行うことが重要です。


6. 脂漏性角化症と間違えやすい疾患

脂漏性角化症は良性の腫瘍ですが、外見が似ている悪性腫瘍もあるため、正確な鑑別診断が重要です。

日光角化症

日光角化症は、長年の紫外線曝露によって生じる前がん病変(皮膚がんの前段階)です。放置すると有棘細胞がんに進行する可能性があるため、早期発見と治療が重要です。

日光角化症の外観は脂漏性角化症と似ていることがありますが、いくつかの違いがあります。日光角化症は通常ピンク色や赤色を呈し、表面がザラザラしていて鱗屑(うろこ状のくず)を伴います。また、周囲にわずかに赤みがかっていることが多いです。

一方、脂漏性角化症はろう様で皮膚面に張り付いているように見える傾向があり、日光角化症のような紅斑は伴いません。

悪性黒色腫(メラノーマ)

悪性黒色腫は最も悪性度の高い皮膚がんの一つで、早期発見が極めて重要です。黒色調を呈する脂漏性角化症はメラノーマとの鑑別が必要となることがあります。

メラノーマの特徴としては、形が非対称であること、境界が不整であること、色調が不均一であること、大きさが6ミリメートル以上であること、経時的に変化することなどが挙げられます(ABCDE基準)。

基底細胞がん

基底細胞がんは日本人に最も多い皮膚がんで、顔面に好発します。黒色調を呈する場合があり、脂漏性角化症との鑑別が問題になることがあります。

基底細胞がんは通常、表面に光沢があり、周囲に毛細血管の拡張が見られることがあります。

Bowen病

Bowen病は有棘細胞がんの表皮内がん(最も早期の段階)で、境界がはっきりした褐紅色の斑として現れます。脂漏性角化症と同様に表面がざらざらしていることがありますが、一部に紅色の部分が混在していることが多いです。

Leser-Trélat徴候

脂漏性角化症自体は良性ですが、短期間のうちに全身に脂漏性角化症が急増し、かゆみを伴う場合は「Leser-Trélat(レゼル・トレラ)徴候」と呼ばれ、内臓の悪性腫瘍(特に消化器がんやリンパ腫)が合併している可能性があります。このような症状が見られた場合は、速やかに医療機関を受診し、詳しい検査を受けることが重要です。


7. 脂漏性角化症の治療法

脂漏性角化症は良性腫瘍であるため、必ずしも治療は必要ありません。しかし、見た目が気になる場合や、症状がある場合には、いくつかの治療法があります。

液体窒素による凍結療法(冷凍凝固術)

液体窒素を用いた凍結療法は、最も一般的に行われている治療法です。マイナス196度の液体窒素を綿棒やスプレーで患部に当て、組織を凍結させて壊死させます。

治療後1〜2週間程度で、凍結された部分がかさぶたとなって自然にはがれ落ちます。ただし、1回の治療で完全に取れることは少なく、通常は数回の処置が必要です。保険適用で治療できるため、1回あたりの費用は3割負担で数百円から千円程度と比較的安価です。

凍結療法は麻酔を必要としないため簡便に行えますが、治療時に痛みを伴うことがあります。また、治療後に色素沈着が残ることがあり、特に顔面以外の部位ではこの傾向が強くなります。

炭酸ガスレーザー治療

炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)は、波長10,600ナノメートルの赤外線領域のレーザーを照射することで、皮膚内の水分を瞬時に蒸散させ、脂漏性角化症の組織を削り取る方法です。

局所麻酔を行ってから施術するため、治療中の痛みはほとんどありません。1回の治療で除去できることが多く、患部の深さを細かく調節できるため、きめ細かい治療が可能です。

外科的手術と比較して出血が少なく、治療時間も短いのが特徴です。また、液体窒素療法と比べて炎症後の色素沈着が起こりにくく、起こった場合も軽く済むことが利点です。

最新のスキャナー付き炭酸ガスレーザーでは、0.1ミリメートル単位で照射範囲をコンピューター制御できるため、病変周囲の健康な組織を傷つけることなく治療が可能です。顔や首などのデリケートな部位でも安心して治療を受けられます。

炭酸ガスレーザー治療は自費診療となることが多く、費用は病変の大きさによって異なりますが、1個あたり3,000円から10,000円程度が相場です。

外科的切除

局所麻酔を行った後、メスで病変を切除する方法です。切除した組織は病理検査に提出できるため、悪性腫瘍との鑑別が必要な場合には最も確実な方法となります。

外科的切除の最大の利点は、再発のリスクが極めて低いことです。目に見える病変だけでなく、周囲の潜在的な病変組織も一緒に除去できるため、治療後の再発率が低くなります。また、保険適用で治療が可能です。

一方、傷跡が残るというデメリットがあります。そのため、顔面など目立つ部位の治療には、他の方法が選択されることが多いです。

電気外科的治療(電気焼灼)

電気メスや高周波メス(ラジオ波メス)を用いて病変を焼灼・切除する方法です。局所麻酔を行ってから施術するため、痛みはほとんどありません。

高周波メスは止血と焼灼を同時に行えるため、通常のメスに比べて傷口が小さく、治りも早くなります。厚みのある脂漏性角化症や、顔にできたものに適した方法です。


8. 治療法ごとのメリット・デメリット比較

各治療法にはそれぞれメリットとデメリットがあり、患者さんの状態や希望に応じて最適な方法を選択することが重要です。

液体窒素凍結療法

メリットとしては、保険適用で費用が安いこと、麻酔が不要で簡便に行えること、ほとんどの皮膚科で受けられることが挙げられます。

デメリットとしては、複数回の通院が必要なこと、治療時や治療後に痛みを伴うこと、色素沈着が残りやすいこと、再発の可能性があることが挙げられます。

費用が抑えたい方や、目立たない部位の治療に適しています。

炭酸ガスレーザー治療

メリットとしては、1回で除去できることが多いこと、仕上がりがきれいなこと、色素沈着が起こりにくいこと、痛みが少ないことが挙げられます。

デメリットとしては、自費診療となることが多く費用が高いこと、専門的な設備のあるクリニックでしか受けられないことが挙げられます。

見た目を重視する方、顔や首など目立つ部位の治療に最適です。

外科的切除

メリットとしては、再発リスクが最も低いこと、病理検査ができること、保険適用であることが挙げられます。

デメリットとしては、傷跡が残ること、縫合が必要な場合は抜糸のための通院が必要なことが挙げられます。

悪性の可能性が否定できない場合や、大きな病変の治療に適しています。


9. 治療後のケアと注意点

治療直後のケア

どの治療法を受けた場合でも、治療後は患部を清潔に保つことが重要です。医師から処方された軟膏がある場合は、指示に従って塗布してください。

液体窒素治療後は、水ぶくれや血豆ができることがありますが、これは正常な反応です。無理に剥がしたりせず、自然にかさぶたになって剥がれ落ちるのを待ちましょう。

炭酸ガスレーザー治療後は、数日から1週間程度で傷が治癒していきます。治療部位にはテープを貼って保護し、軟膏を塗布する必要があることが多いです。

紫外線対策の重要性

治療後の患部は、紫外線に対して非常に敏感な状態になっています。紫外線を浴びると、色素沈着(日焼けのように茶色くなること)が起こりやすくなります。

治療後数か月間は、日焼け止めを塗る、帽子や日傘を使用するなど、徹底した紫外線対策を行ってください。時間が経過すれば色素沈着は薄くなっていきますが、紫外線対策をしっかり行うことで回復を早めることができます。

治療後の経過観察

治療後、出血や痛みが増す場合は、無理をせずに医療機関に相談してください。通常は時間の経過とともに症状は改善しますが、異常を感じた場合は早めに受診することが大切です。

また、治療後に新たな脂漏性角化症が発生することがあります。これは治療した箇所の再発ではなく、別の場所に新たにできたものです。紫外線対策や定期的な皮膚チェックを続けることで、早期発見と対処が可能です。


10. 脂漏性角化症の予防法

脂漏性角化症を完全に予防することは難しいですが、いくつかの対策で発症リスクを下げたり、進行を遅らせたりすることは可能です。

紫外線対策

紫外線対策は脂漏性角化症の予防において最も重要な要素です。紫外線によるダメージは蓄積されるため、若い頃からの対策が効果的です。

日焼け止めは、SPF50以上でPA+++以上のものを選び、外出時には必ず塗るようにしましょう。汗をかいた後はこまめに塗り直すことも大切です。

日傘や帽子、長袖の服など、物理的に紫外線を遮る方法も有効です。特に紫外線が強い時間帯(午前10時から午後2時頃)の外出を控えることも効果的です。

屋内にいる場合でも、窓ガラスを通して紫外線は入ってきます。窓際で過ごす時間が長い方は、屋内でも紫外線対策を意識しましょう。

肌の保湿

肌の乾燥は皮膚のバリア機能を低下させ、外部からの刺激に弱くなる原因となります。洗顔後や入浴後は、化粧水や保湿クリームで速やかに保湿を行いましょう。

保湿を継続することで、皮膚の健康状態を維持し、脂漏性角化症の発症リスクを下げることが期待できます。

ビタミン摂取

抗酸化作用のあるビタミンCやビタミンEが豊富な食品を積極的に摂取することも、皮膚の健康維持に役立ちます。これらのビタミンは、紫外線によって発生する活性酸素から皮膚を守る働きがあります。

柑橘類、キウイ、ブロッコリーなどにはビタミンCが、ナッツ類、アボカド、植物油などにはビタミンEが豊富に含まれています。

定期的な皮膚チェック

脂漏性角化症の早期発見と、悪性腫瘍との鑑別のためにも、定期的に自分の皮膚をチェックする習慣をつけましょう。鏡を使って、顔はもちろん、背中や頭皮など見えにくい部分もチェックすることが大切です。

既存のシミやイボの形や色が変わった場合、サイズが大きくなった場合、新たに気になる病変が出現した場合などは、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。


11. 脂漏性角化症についてよくある質問

Q1. 脂漏性角化症は自分で取れますか?

A. 脂漏性角化症を自分で取ろうとすることは避けてください。市販のイボ取り薬(イボコロリなど)は、ウイルス性のイボに対する治療薬であり、脂漏性角化症には効果がありません。
また、自己判断で無理に除去しようとすると、皮膚を傷つけて感染症を起こしたり、かえって悪化させたりする可能性があります。さらに重要なこととして、脂漏性角化症に見えて実は皮膚がんだったという場合、適切な治療が遅れてしまう危険性があります。
気になる皮膚の変化がある場合は、必ず専門医を受診して正確な診断を受けてください。

Q2. 脂漏性角化症に効く塗り薬や飲み薬はありますか?

A. 残念ながら、脂漏性角化症に効果のある塗り薬や飲み薬は現在のところありません。ヨクイニン(ハトムギエキス)などの漢方薬はウイルス性のイボには効果があるとされていますが、脂漏性角化症には効果がありません。

ハイドロキノンやトラネキサム酸などのシミに効果のある外用薬・内服薬も、盛り上がった脂漏性角化症を消失させることはできません。脂漏性角化症の除去には、医療機関での物理的な治療(液体窒素、レーザー、切除など)が必要です。

Q3. 脂漏性角化症は再発しますか?

A. 治療で完全に取り除いた脂漏性角化症が同じ場所に再発することは、適切な治療が行われていれば稀です。ただし、取り残しがあった場合や、厚みのある脂漏性角化症で基底細胞が残った場合には、数か月から数年後に再発する可能性があります。

また、別の場所に新たな脂漏性角化症が発生することは珍しくありません。これは再発ではなく、新規発症です。紫外線対策を継続し、定期的に皮膚をチェックすることで、新たな発症にも早期に対応できます。

Q4. 脂漏性角化症とほくろの違いは何ですか?

A. 脂漏性角化症とほくろ(色素性母斑)はどちらも良性の皮膚腫瘍ですが、発生のメカニズムが異なります。

ほくろはメラノサイト(色素細胞)が増殖してできたもので、表面は通常滑らかです。一方、脂漏性角化症は表皮細胞の増殖によってできたもので、表面がざらざらしていて硬いのが特徴です。また、脂漏性角化症は指で削るとポロポロと取れることがありますが、ほくろはそのような性質はありません。

見た目だけでは区別が難しいこともあるため、気になる場合は皮膚科専門医に相談することをおすすめします。

Q5. 脂漏性角化症は若い人でもできますか?

A. はい、脂漏性角化症は若い方にも発生します。一般的には40代以降に多く見られますが、20代後半から出現する方もいます。

若い方に発生する場合は、遺伝的な要因や、日焼けなどによる紫外線の蓄積が原因として考えられます。野外でのスポーツや仕事で紫外線を多く浴びている方は、比較的若い年齢でも発症する可能性があります。


12. 渋谷で脂漏性角化症の治療を受けるなら

渋谷エリアでの治療選択

渋谷は交通アクセスが良く、多くの皮膚科クリニックや美容皮膚科が集まるエリアです。脂漏性角化症の治療を受ける際には、以下のポイントを参考にクリニックを選ぶとよいでしょう。

まず、専門医が在籍しているかどうかを確認することが重要です。脂漏性角化症の診断には、悪性腫瘍との鑑別が必要な場合があり、専門的な知識と経験が求められます。

次に、ダーモスコピーなどの診断機器が整備されているかも確認しましょう。正確な診断があってこそ、適切な治療が可能になります。

治療法については、液体窒素凍結療法だけでなく、炭酸ガスレーザーなど複数の選択肢があるクリニックを選ぶと、自分に合った治療を受けやすくなります。

アイシークリニック渋谷院について

アイシークリニック渋谷院では、専門医による丁寧な診察と、患者さんお一人おひとりに合わせた治療プランをご提案しています。

脂漏性角化症の診断には、詳細な観察を行い、悪性腫瘍との鑑別を慎重に行っています。治療法については、液体窒素凍結療法から炭酸ガスレーザー治療、外科的切除まで幅広い選択肢をご用意しており、患部の状態やご希望に応じて最適な方法をご提案いたします。

渋谷駅からのアクセスも良好で、お仕事帰りやお買い物のついでにも通院しやすい立地です。脂漏性角化症でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。


13. まとめ

脂漏性角化症は、加齢や紫外線の影響によって発生する良性の皮膚腫瘍です。「老人性イボ」とも呼ばれますが、ウイルス性のイボとは異なり、他人に感染することはありません。

主な特徴は以下の通りです。

発症については、40代以降に多く見られますが、20代後半からも発症する可能性があります。80歳以上ではほぼ全員に見られる、非常に一般的な疾患です。

症状としては、褐色から黒色の盛り上がったできもので、表面がざらざらしています。通常は痛みやかゆみを伴いませんが、衣服との摩擦で不快感を生じることがあります。

原因については、紫外線の蓄積、加齢による皮膚の老化、遺伝的要因などが関与しています。

診断については、視診やダーモスコピー検査で診断可能です。悪性腫瘍との鑑別が必要な場合は病理組織検査を行います。

治療については、液体窒素凍結療法(保険適用)、炭酸ガスレーザー治療(自費診療が多い)、外科的切除(保険適用)などの方法があります。

予防については、日焼け止めの使用、帽子・日傘の活用、ビタミンの摂取、定期的な皮膚チェックが有効です。

脂漏性角化症は良性腫瘍であり、健康上は必ずしも治療が必要ではありません。しかし、見た目が気になる場合や、日常生活に支障がある場合には、適切な治療で改善が期待できます。

気になる皮膚の変化がある場合は、自己判断せずに専門医を受診し、正確な診断を受けることが大切です。特に、短期間で急に増えた場合や、形や色に変化がある場合は、早めの受診をおすすめします。


参考文献

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
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