鼻や鼻の横にあるほくろが気になっている方は少なくありません。顔の中心に位置する鼻は、人と話すときに自然と視線が集まる部位です。そのため、鼻にほくろがあると「コンプレックスに感じる」「メイクで隠すのが難しい」といったお悩みを抱える方も多くいらっしゃいます。
近年、ほくろ除去の技術は大きく進歩し、傷跡を最小限に抑えながら安全に治療を受けられるようになりました。本記事では、鼻のほくろ除去をご検討中の方に向けて、ほくろの基礎知識から治療法の選び方、費用の目安、術後のケアまで、専門医の視点から詳しく解説いたします。
目次
- ほくろとは何か？医学的な基礎知識
- 鼻にほくろができる原因
- 良性と悪性の見分け方（ABCDEルール）
- ダーモスコピー検査の重要性
- 鼻のほくろ除去の治療法
- レーザー治療と切除法の比較
- 治療の流れと所要時間
- 費用の目安と保険適用について
- ダウンタイムと術後の経過
- アフターケアの方法
- よくあるご質問
- アイシークリニック渋谷院のご案内
- まとめ
1. ほくろとは何か？医学的な基礎知識
ほくろは医学的には「色素性母斑（しきそせいぼはん）」または「母斑細胞母斑（ぼはんさいぼうぼはん）」と呼ばれる良性の皮膚腫瘍です。皮膚にはメラニン色素を作るメラノサイトという細胞があり、この細胞が変化した「母斑細胞」が皮膚の一部に集まることによって、ほくろが形成されます。
ほくろの色は、母斑細胞が作り出すメラニン色素の量や分布によって決まり、薄い茶色から濃い黒色まで様々です。形状も平らなものから盛り上がったものまであり、大きさは多くの場合6mm以下ですが、生まれつきあるほくろや幼少期にできたほくろでは、それ以上の大きさになることもあります。
ほくろの種類
ほくろは母斑細胞が存在する深さによって、以下の3つのタイプに分類されます。
まず「境界母斑」は、母斑細胞が表皮と真皮の境目に存在するタイプで、平らで色が濃いのが特徴です。次に「複合母斑」は、母斑細胞が境界部から真皮にかけて広がっているタイプで、やや盛り上がりが見られることがあります。最後に「真皮内母斑」は、母斑細胞が真皮内に存在するタイプで、ドーム状に盛り上がり、色は薄くなる傾向があります。
ほくろは時間の経過とともに「境界母斑→複合母斑→真皮内母斑」と変化していくことが多く、子どもの頃は平らだったほくろが、大人になるにつれて盛り上がってくるのはこのためです。
先天性と後天性のほくろ
ほくろには生まれつきある「先天性色素性母斑」と、成長過程で現れる「後天性色素性母斑」があります。圧倒的に多いのは後天性のほくろで、幼少期から増え始め、20代から30代にかけてピークを迎えるとされています。
2. 鼻にほくろができる原因
鼻や鼻の横は、顔の中でも特にほくろができやすい部位のひとつです。その主な原因として、以下のような要因が考えられています。
紫外線の影響
紫外線は、ほくろの発生や増加に最も大きな影響を与える環境因子のひとつです。強い紫外線を浴びると、皮膚を守ろうとしてメラノサイトが活性化し、メラニン色素の生成が促進されます。鼻は顔の中でも高い位置にあり、常に日光に当たりやすい部位であるため、紫外線の影響を受けやすく、ほくろが形成されやすいと考えられています。
紫外線は夏だけでなく、曇りの日や冬場でも降り注いでいます。また、窓ガラスを透過することもあるため、室内にいても完全に紫外線を避けることは難しいのが実情です。
ホルモンバランスの変化
特に女性の場合、妊娠や出産、月経周期、更年期などでホルモンバランスが変化すると、メラノサイトの活動が活発になり、新しいほくろができたり、既存のほくろが濃くなったりすることがあります。女性ホルモンのひとつであるプロゲステロンが多く分泌されると、メラニンも多く作られるようになるためです。
遺伝的な体質
ほくろの数やできやすさには、遺伝的な要因も関係しています。両親や祖父母にほくろが多い方は、ご自身もほくろができやすい体質を受け継いでいる可能性があります。また、肌が白い方やそばかすができやすい方は、紫外線の影響を受けやすく、ほくろが増えやすい傾向にあるとされています。
加齢による変化
年齢を重ねるにつれて、細胞分裂の累積的な影響や長年にわたる紫外線曝露の結果として、新しいほくろが現れることがあります。30代から40代以降になって「ほくろが増えてきた」と感じる方が多いのは、このような理由によるものです。
生活習慣の乱れ
睡眠不足やストレス、偏った食生活は、肌のターンオーバーを乱す原因となります。ターンオーバーが正常に機能しないと、メラニン色素の排出が滞り、ほくろやシミが目立ちやすくなることがあります。
3. 良性と悪性の見分け方（ABCDEルール）
ほくろのほとんどは良性であり、健康上の問題はありません。しかし、ごく稀に悪性黒色腫（メラノーマ）と呼ばれる皮膚がんの場合があるため、注意が必要です。悪性黒色腫は進行すると転移のリスクが高まるため、早期発見・早期治療が非常に重要です。
良性のほくろと悪性黒色腫を見分けるための目安として、皮膚科では「ABCDEルール」が広く用いられています。
A：Asymmetry（非対称性）
良性のほくろは、縦に二つ折りにしても左右がほぼ対称であることが多いです。一方、悪性の可能性があるほくろは、形がいびつで左右非対称になっていることがあります。
B：Border（境界不整）
良性のほくろは、周囲との境界がくっきりとしています。悪性の可能性があるほくろは、境界がぼんやりしていたり、ギザギザしていたり、周囲ににじみ出しているように見えることがあります。
C：Color（色調の不均一）
良性のほくろは、色が均一であることがほとんどです。悪性の可能性があるほくろは、ひとつのほくろの中に黒、茶色、青、白、赤など複数の色が混在していることがあります。
D：Diameter（直径）
良性のほくろの多くは直径6mm以下です。直径6mmを超えて大きくなっているほくろ、特に成人してから出現して拡大傾向にあるものは、悪性の可能性を考慮する必要があります。
E：Evolution（変化）
良性のほくろは、長期間にわたって形や色、大きさがあまり変わりません。悪性の可能性があるほくろは、短期間のうちにサイズが大きくなったり、色が変わったり、盛り上がってきたりといった変化が見られることがあります。
これら5つのポイントのうち、4つ以上に該当する場合は悪性の疑いがあり、2つ以下であれば良性である可能性が高いとされています。ただし、これはあくまでも目安であり、自己判断は危険です。気になるほくろがある場合は、必ず皮膚科専門医の診察を受けることをおすすめします。
4. ダーモスコピー検査の重要性
ほくろの良性・悪性を正確に判断するために、皮膚科では「ダーモスコピー検査」という特殊な検査が行われています。
ダーモスコピー検査とは
ダーモスコピー検査は、「ダーモスコープ」と呼ばれる特殊な拡大鏡を使って、皮膚病変を10倍から30倍に拡大して観察する検査です。この機器は光源が付いており、偏光レンズやエコージェルによって皮膚表面の光の乱反射を抑えることで、肉眼では見えにくい皮膚内部の色素分布や血管のパターンを詳しく確認することができます。
ダーモスコピー検査は痛みを伴わない非侵襲的な検査であり、検査時間も数分程度で完了します。健康保険が適用されるため、自己負担額は3割負担の場合で数百円程度と、経済的な負担も少ないのが特徴です。
なぜダーモスコピー検査が重要なのか
肉眼では「ただのほくろ」に見えるものが、実は悪性腫瘍であったというケースは珍しくありません。特に初期の悪性黒色腫は、見た目が普通のほくろと非常によく似ているため、視覚的な判断だけで良性か悪性かを見極めることは困難です。
ダーモスコピー検査を行うことで、色素沈着の状態や血管のパターンを詳細に観察でき、良性のほくろと悪性腫瘍を高い精度で鑑別することが可能になります。実際に、ダーモスコピーによる診断法に習熟した皮膚科医が診断を行った場合、診断精度が肉眼のみの場合と比べて4倍から9倍向上するという報告もあります。
そのため、ほくろ除去を行う前には、必ずダーモスコピー検査を受けて良性であることを確認することが推奨されています。当院でも、すべてのほくろ除去治療の前にダーモスコピー検査を実施し、安全性を確認したうえで施術を行っております。
5. 鼻のほくろ除去の治療法
鼻のほくろ除去には、いくつかの治療法があります。それぞれの方法には特徴があり、ほくろの大きさや深さ、形状、位置などによって最適な治療法が異なります。
炭酸ガス（CO2）レーザー
炭酸ガスレーザーは、最も広く用いられているほくろ除去の治療法です。レーザー光が組織中の水分に吸収され、その際に発生する熱によって組織を蒸散させることで、ほくろを削り取るように除去します。
この方法は出血がほとんどなく、施術時間も短いため、顔面の繊細な部位である鼻のほくろ除去にも適しています。直径5mm以下の比較的小さく、平らなほくろや軽度に盛り上がったほくろに対して効果的です。
ただし、ほくろの色素が深い場合は、一度の治療で完全に除去しようとすると傷跡が凹んでしまうことがあるため、複数回に分けて治療を行うこともあります。
Qスイッチレーザー・ピコレーザー
Qスイッチレーザーやピコレーザーは、ほくろの色素（メラニン）にのみ選択的に反応して破壊する治療法です。皮膚の表面を削ることなく色素だけを除去できるため、傷跡が残りにくいというメリットがあります。
ただし、この方法はほくろの表面にある色素のみに作用し、皮膚深部の母斑細胞には届きにくいため、根が深いほくろでは複数回の治療が必要になることがあります。また、盛り上がったほくろに対しては効果が限定的です。
電気メス（電気凝固法）
電気メスは、高周波の電流によって熱を発生させ、ほくろを焼灼して除去する方法です。切除と止血を同時に行えるため、出血がほとんどなく、傷跡も比較的目立ちにくくなります。
直径6mm以下のほくろの除去に用いられることが多く、一度の施術でほくろを取り除くことが可能です。
切除縫合法
切除縫合法は、メスでほくろを皮膚ごと切り取り、周囲の皮膚を引き寄せて縫合する方法です。ほくろを根元から完全に除去できるため、再発のリスクが最も低い治療法です。
直径6mm以上の大きなほくろや、盛り上がりが強いほくろ、悪性が疑われる場合にはこの方法が選択されます。切除した組織は病理検査に提出できるため、ほくろが良性であったかどうかを細胞レベルで確認することができます。
縫合が必要なため線状の傷跡が残りますが、形成外科的な技術を用いて丁寧に縫合することで、傷跡はかなり目立たなくすることが可能です。
くり抜き法（パンチ切除）
くり抜き法は、円筒状の専用器具を使って、ほくろを皮膚ごとくり抜く方法です。深部まで確実に除去できるため、根が深いほくろに適しています。
傷跡は円形になりますが、小さなほくろであれば縫合せずに自然治癒させることも可能です。
6. レーザー治療と切除法の比較
鼻のほくろ除去を検討する際、多くの方が「レーザーと切除、どちらがよいのか」という疑問をお持ちです。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあり、ほくろの状態やご本人のご希望によって最適な選択肢は異なります。
レーザー治療のメリット
レーザー治療の最大のメリットは、メスを使わないため傷跡が小さく、ダウンタイムが短いことです。施術時間も10分から20分程度と短く、一度に複数のほくろを除去することも可能です。縫合が不要なため抜糸の必要もなく、術後の通院回数を減らすことができます。
また、レーザー治療は局所麻酔を行った上で施術するため、施術中の痛みはほとんど感じません。
レーザー治療のデメリット
レーザー治療では、ほくろの組織を蒸散させてしまうため、病理検査を行うことができません。そのため、悪性が疑われるほくろには適していません。
また、ほくろの根が深い場合や大きなほくろの場合は、一度の治療で完全に除去できないことがあり、再発のリスクがあります。再発した場合は追加治療が必要になることがあります。
切除法のメリット
切除法の最大のメリットは、ほくろを根元から完全に取り除けるため、再発のリスクが非常に低いことです。また、切除した組織を病理検査に提出できるため、悪性かどうかを確定診断することができます。
大きなほくろや盛り上がりが強いほくろ、悪性が疑われるほくろにも対応可能であり、医師が必要と判断した場合には保険適用で治療を受けられる可能性があります。
切除法のデメリット
切除法は縫合が必要なため、術後1週間程度で抜糸のための通院が必要です。また、縫合線として傷跡が残る可能性があります。ただし、形成外科的な技術で丁寧に縫合すれば、時間の経過とともに傷跡はかなり目立たなくなります。
どちらを選ぶべきか
一般的に、直径5mm以下の小さく平らなほくろにはレーザー治療が適しており、直径6mm以上の大きなほくろや盛り上がりが強いほくろ、悪性が疑われるほくろには切除法が適しています。
ただし、最終的な治療法の選択は、ほくろの状態を実際に診察したうえで医師と相談して決めることが大切です。当院では、患者様のほくろの状態やご希望を丁寧にお伺いし、最適な治療法をご提案いたします。
7. 治療の流れと所要時間
ほくろ除去治療の一般的な流れについてご説明します。
初診・カウンセリング
まず、医師がほくろの状態を詳しく診察します。ダーモスコピー検査を行い、ほくろが良性であることを確認したうえで、最適な治療法をご提案します。治療内容、費用、ダウンタイム、リスクなどについて詳しくご説明し、ご不明な点やご不安な点にもお答えします。
カウンセリングでは、患者様のご希望やライフスタイルもお伺いし、仕事や予定への影響を最小限に抑えられるよう配慮いたします。
治療当日
治療当日は、まず施術部位を清潔にした後、局所麻酔を行います。麻酔注射の際に若干の痛みがありますが、極細の針を使用し、ゆっくりと麻酔薬を注入することで痛みを軽減する工夫をしています。
麻酔が効いた後、選択した方法でほくろを除去します。施術時間はほくろの大きさや数によって異なりますが、レーザー治療であれば1個あたり数分から10分程度、切除法であれば10分から20分程度です。
施術後は、患部に軟膏を塗布し、保護テープやガーゼで覆います。施術当日に帰宅可能で、入院の必要はありません。
術後の経過観察
レーザー治療の場合、術後の抜糸は不要です。1週間から10日程度は保護テープを貼ったままお過ごしいただき、その後は経過を確認するために再診をお願いすることがあります。
切除法の場合は、術後1週間程度で抜糸を行います。その後、傷跡の状態を確認するために定期的に経過観察を行います。
8. 費用の目安と保険適用について
ほくろ除去の費用は、治療法やほくろの大きさ、数によって異なります。
自費診療の場合
ほくろ除去は、見た目が気になるという美容目的で行う場合、基本的に自費診療（自由診療）となり、全額自己負担となります。
費用の目安としては、レーザー治療の場合、ほくろ1個あたり5,000円から20,000円程度が相場です。ほくろの大きさによって料金が設定されていることが多く、直径3mm以下、3mmから5mm、5mm以上などのサイズ区分で料金が変わります。
切除法の場合は、ほくろ1個あたり10,000円から50,000円程度が目安となります。切除法はレーザー治療よりも手技が複雑なため、費用が高くなる傾向があります。
なお、これらの費用には別途、初診料やカウンセリング料、麻酔代、薬代などがかかる場合があります。正確な費用については、カウンセリング時にお見積もりをお渡しいたします。
保険適用の場合
ほくろ除去でも、いくつかの条件を満たす場合には健康保険が適用されることがあります。
まず、悪性腫瘍の疑いがある場合です。ダーモスコピー検査や診察で悪性黒色腫や基底細胞癌などの可能性が疑われる場合は、医学的に治療が必要と判断され、保険適用となります。
また、日常生活に支障をきたしている場合も保険適用の対象となることがあります。たとえば、ほくろが衣服に引っかかって出血を繰り返す場合や、ほくろが視界を遮って見えにくくなっている場合などです。
保険適用の場合、自己負担は3割（または年齢や所得によって異なる割合）となり、費用を抑えることができます。ただし、保険適用で行えるのは基本的に切除法に限られ、レーザー治療は保険適用外となることがほとんどです。
ご自身のほくろが保険適用になるかどうかは、医師の診察を受けて判断することになります。気になる方は、お気軽にご相談ください。
9. ダウンタイムと術後の経過
ほくろ除去後のダウンタイム（施術後の回復期間）は、治療法によって異なります。
レーザー治療の場合
レーザー治療のダウンタイムは、10日から2週間程度が目安です。
施術直後は、患部に赤みや軽い腫れが生じることがありますが、これは正常な反応です。施術後は軟膏を塗布し、保護テープを貼って患部を保護します。
術後1週間程度で患部にかさぶたが形成されます。このかさぶたは皮膚の再生を助ける保護膜の役割を果たしているため、無理に剥がさないようにしてください。かさぶたは1週間から2週間程度で自然に剥がれ落ちます。
かさぶたが取れた後は、患部に赤みが残りますが、これは徐々に薄くなっていきます。赤みが完全に引くまでには個人差がありますが、通常3ヶ月から6ヶ月程度かかります。赤みが引いた後は、ほとんど目立たない状態になります。
電気メスの場合
電気メスによる施術のダウンタイムは、2ヶ月から3ヶ月程度が目安です。
施術直後は患部に赤みや多少のくぼみが生じますが、時間の経過とともに徐々に改善していきます。レーザー治療と同様に、かさぶたが形成され、1週間から2週間程度で自然に剥がれます。
切除法の場合
切除法のダウンタイムは、2ヶ月から3ヶ月程度が目安です。
施術後1週間程度で抜糸を行います。抜糸後は縫合線に赤みや硬さが残りますが、これは徐々に薄くなり、最終的には白い線状の傷跡として落ち着きます。
大きなほくろを切除した場合は、傷跡の幅が広がるのを防ぐために、抜糸後1ヶ月から3ヶ月程度テープで固定することがあります。
10. アフターケアの方法
ほくろ除去後のアフターケアは、傷跡をきれいに治すために非常に重要です。適切なケアを行うことで、ダウンタイムを最小限に抑え、より良い仕上がりを得ることができます。
保護テープの管理
施術後は、患部に軟膏を塗布し、保護テープを貼って傷口を保護します。このテープは、紫外線や外部の刺激から患部を守り、傷の治りを早める役割を果たしています。
レーザー治療の場合、術後7日から10日程度はテープを貼り続けることが推奨されます。テープは基本的に貼りっぱなしで、毎日交換する必要はありません。シャワーを浴びる際もテープを貼ったまま行い、テープが濡れても自然に乾くのを待ちます。
テープを外すタイミングや交換の頻度については、医師の指示に従ってください。
かさぶたを無理に剥がさない
術後にできたかさぶたは、傷口を保護し、皮膚の再生を促す重要な役割を担っています。かさぶたを無理に剥がすと、傷の治りが遅くなったり、色素沈着や傷跡が残る原因になったりすることがあります。
かさぶたは通常1週間から2週間で自然に剥がれ落ちますので、触らずにそっとしておきましょう。
紫外線対策の徹底
術後の肌は非常にデリケートな状態であり、紫外線の影響を受けやすくなっています。紫外線を浴びると、色素沈着が起こり、傷跡が目立つ原因になることがあります。
術後少なくとも3ヶ月間は、日焼け止めをしっかり塗ること、帽子や日傘を使用することなど、紫外線対策を徹底してください。日焼け止めは、肌への負担が少ない低刺激タイプや紫外線吸収剤フリーのものを選ぶとよいでしょう。
患部への刺激を避ける
ダウンタイム中は、患部をこすったり、引っ掻いたりしないよう注意してください。洗顔時も患部は強くこすらず、優しく洗いましょう。
施術当日からメイクは可能ですが、患部を避けて行ってください。患部への直接的なメイクは、テープを外した後、傷口が完全に閉じてから行うようにしましょう。
運動・飲酒・入浴の制限
激しい運動や飲酒、長時間の入浴は血行を促進するため、術後の出血や腫れを引き起こす可能性があります。施術当日から数日間は、これらの行為を控えることをおすすめします。
施術当日の入浴はシャワーのみにとどめ、湯船に浸かるのは避けてください。また、サウナやプールなども患部が完全に治るまでは控えましょう。
異常があれば早めに受診
術後に発熱、強い痛み、多量の出血、膿の出現、異常な腫れなどの症状が見られた場合は、感染症などの合併症の可能性があります。このような症状があれば、自己判断せずに速やかに当院までご連絡ください。
11. よくあるご質問
患者様からよくいただくご質問にお答えします。
A. 施術前に局所麻酔を行いますので、施術中の痛みはほとんど感じません。麻酔注射の際に若干のチクッとした痛みがありますが、極細の針を使用するなど痛みを軽減する工夫をしております。痛みに不安がある方は、事前にご相談ください。
A. ほくろの大きさや深さによって異なります。小さく浅いほくろは1回の施術で除去できることがほとんどです。ただし、根が深いほくろや大きなほくろの場合は、傷跡をきれいに仕上げるために複数回に分けて治療を行うこともあります。
Q. ほくろ除去後に再発することはありますか？
A. レーザー治療の場合、ほくろの細胞が残っていると再発することがあります。再発した場合は追加治療を行います。当院では、万が一再発した場合の保証制度を設けておりますので、ご安心ください。切除法の場合は、ほくろを根元から完全に除去するため、再発のリスクは非常に低いです。
Q. 傷跡は残りますか？
A. どの治療法でも、多少の傷跡が残る可能性はあります。ただし、適切な治療法を選択し、術後のアフターケアをしっかり行うことで、傷跡を最小限に抑えることができます。通常、術後3ヶ月から6ヶ月程度で赤みが引き、傷跡はほとんど目立たなくなります。
Q. 施術後、いつからメイクができますか？
A. 保護テープの上からであれば、施術当日からメイクが可能です。ただし、患部への直接的なメイクは、テープを外し、傷口が完全に閉じてから（通常術後10日から14日程度）行ってください。
Q. 施術後、仕事や日常生活への影響はありますか？
A. レーザー治療や電気メスによる施術の場合、施術当日から日常生活に復帰できます。顔に保護テープを貼った状態になりますが、テープの上からメイクをすれば目立ちにくくなります。切除法の場合は、抜糸までの1週間程度は傷口に注意が必要ですが、日常生活に大きな支障はありません。
Q. 鼻のほくろ除去は他の部位より難しいですか？
A. 鼻は顔の中心にあり、皮膚が薄く凹凸のある部位であるため、技術的に配慮が必要な部位ではあります。しかし、経験豊富な医師が適切な治療法を選択し、丁寧に施術を行えば、きれいに仕上げることが可能です。当院では、鼻のほくろ除去も多数行っておりますので、安心してお任せください。
12. アイシークリニック渋谷院のご案内
アイシークリニック渋谷院は、皮膚科・形成外科・美容皮膚科を専門とするクリニックです。ほくろ除去をはじめ、粉瘤、脂肪腫、イボなどの皮膚腫瘍の治療を数多く行っております。
当院の特徴
当院では、すべてのほくろ除去治療の前に、良性であることを確認してから施術を行います。安全性を最優先に考え、患者様一人ひとりの状態に合わせた最適な治療法をご提案いたします。
また、専門医の技術を活かし、傷跡が目立ちにくい仕上がりを目指した治療を行っております。美容的な観点からも満足いただける結果を追求しています。
アクセス
アイシークリニック渋谷院は、渋谷駅から徒歩圏内の好立地にあり、通院に便利です。お買い物やお仕事のついでにもお立ち寄りいただけます。
ご予約・お問い合わせ
ほくろ除去に関するご相談は、お電話またはウェブサイトからご予約いただけます。まずはカウンセリングにお越しいただき、気になるほくろの状態を医師に診せてください。治療法、費用、ダウンタイムなど、ご不明な点は何でもお気軽にご質問ください。
13. まとめ
本記事では、鼻のほくろ除去について、ほくろの基礎知識から治療法の選び方、費用、ダウンタイム、アフターケアまで詳しく解説しました。
ほくろは医学的には良性の皮膚腫瘍であり、ほとんどの場合は健康上の問題はありません。しかし、顔の中心にある鼻のほくろは目立ちやすく、コンプレックスに感じる方も少なくありません。
ほくろ除去の技術は年々進歩しており、現在では傷跡を最小限に抑えながら安全に治療を受けることができます。治療法にはレーザー治療、電気メス、切除法などがあり、ほくろの状態によって最適な方法が異なります。
ほくろ除去を検討する際に最も大切なことは、まず専門医の診察を受けることです。ダーモスコピー検査で良性であることを確認し、ご自身のほくろに合った治療法を選択することで、安全で満足のいく結果を得ることができます。
鼻のほくろでお悩みの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。経験豊富な医師が丁寧に診察し、患者様に合った治療プランをご提案いたします。
参考文献
- 皮膚がんの早期発見で覚えておきたいこと～ほくろと悪性黒色腫（メラノーマ）の5つの見分け方～｜東邦大学
- アザとホクロ Q10｜公益社団法人日本皮膚科学会
- メラノーマ（ほくろのがん）Q5｜公益社団法人日本皮膚科学会
- 色素性母斑（ほくろ）｜慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト KOMPAS
- ダーモスコピー検査｜慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト KOMPAS
- ダーモスコピー検査と皮膚生検｜兵庫県立尼崎総合医療センター
- 悪性黒色腫の検査と診断について教えてください｜小野薬品 がん情報
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務