その他

胸の真ん中が痛い・圧迫感があるときに考えられる原因と対処法

胸の真ん中あたりに痛みや圧迫感を感じると、「心臓に何か問題があるのではないか」と不安になる方は少なくありません。胸部には心臓や肺、大動脈、食道など多くの重要な臓器があり、胸の痛みや圧迫感の原因は実にさまざまです。

中には心筋梗塞や大動脈解離のように一刻を争う病気が隠れている場合もあれば、逆流性食道炎や肋間神経痛のように比較的緊急性の低いものもあります。また、ストレスが原因で胸の症状が現れることもあります。

本記事では、胸の真ん中に痛みや圧迫感が起こる原因として考えられる病気や症状を詳しく解説します。すぐに救急車を呼ぶべき緊急性の高い症状の見分け方や、どの診療科を受診すべきかについてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。


目次

  1. 胸の真ん中が痛い・圧迫感とはどのような症状か
  2. 胸の真ん中に痛みや圧迫感が起こる主な原因
  3. 心臓に関係する病気
  4. 大動脈に関係する病気
  5. 消化器に関係する病気
  6. 肺に関係する病気
  7. 神経・筋肉に関係する病気
  8. ストレスや心因性の原因
  9. 痛みの特徴から考えられる病気
  10. すぐに救急車を呼ぶべき症状
  11. 胸が痛いときは何科を受診すべきか
  12. 胸痛の予防と日常生活での注意点
  13. まとめ

胸の真ん中が痛い・圧迫感とはどのような症状か

胸の真ん中あたりに感じる痛みや圧迫感は、患者さんによって表現がさまざまです。「締め付けられるような感じ」「重苦しい」「息が詰まるような感覚」「ギューッと押されているような感じ」など、人によって感じ方が異なります。

胸部には心臓、肺、大動脈、食道、肋骨、肋間神経、筋肉など多くの組織や臓器が存在しています。そのため、胸の痛みや圧迫感を感じたとしても、その原因は心臓だけとは限りません。外来を受診する胸痛の半分以上は心臓が原因ではないとも言われており、消化器症状や筋骨格系の問題が原因であることも多いのです。

ただし、胸の痛みや圧迫感の中には、心筋梗塞や大動脈解離のように命に関わる重大な病気が隠れている可能性もあります。自己判断は非常に危険ですので、気になる症状がある場合は早めに医療機関を受診することが大切です。


胸の真ん中に痛みや圧迫感が起こる主な原因

胸の真ん中に痛みや圧迫感が起こる原因は多岐にわたります。大きく分類すると以下のようになります。

心臓に関係する病気としては、狭心症や心筋梗塞が代表的です。これらは冠動脈という心臓に血液を送る血管が狭くなったり詰まったりすることで起こります。

大動脈に関係する病気では、大動脈解離が挙げられます。大動脈の壁が裂けてしまう病気で、突然の激痛を伴うことが特徴です。

消化器に関係する病気としては、逆流性食道炎が代表的です。胃酸が食道に逆流することで、胸やけや胸の痛みを引き起こします。

肺に関係する病気では、肺塞栓症や気胸、胸膜炎などが考えられます。

神経・筋肉に関係するものとしては、肋間神経痛や筋骨格系の痛みがあります。

さらに、ストレスやパニック障害などの心因性の原因で胸の痛みや圧迫感が起こることもあります。

以下、それぞれの原因について詳しく解説していきます。


心臓に関係する病気

胸の真ん中に圧迫感のある痛みが生じた場合、まず疑われるのが心臓や血管の病気です。心臓は胸の中央からやや左寄りに位置しており、心臓に問題があると胸の真ん中あたりに症状が現れることがあります。

狭心症

狭心症は、心臓の表面を走る冠動脈が動脈硬化などによって狭くなり、心臓の筋肉(心筋)への血流が一時的に不足することで起こる病気です。

狭心症の症状としては、胸部の中心から左側にかけて、締め付けられるような痛みや圧迫感が生じます。この痛みは通常、運動や階段の昇り降り、重いものを運ぶなど心臓に負担がかかったときに起こりやすく、数分から長くても15分程度で治まることが多いです。

狭心症には大きく分けて「労作性狭心症」と「安静時狭心症」があります。労作性狭心症は体を動かしたときに胸痛が起こり、休むと良くなるのが特徴です。一方、安静時狭心症(冠攣縮性狭心症)は、冠動脈が痙攣して一時的に細くなることで起こり、夜間や明け方に発作が起こりやすい傾向があります。

また、安静にしていても発作が起こったり、少しの動作で発作が出るようになったりする場合は「不安定狭心症」と呼ばれ、心筋梗塞の一歩手前の状態と考えられます。このような場合は緊急の治療が必要です。

心筋梗塞

心筋梗塞は、冠動脈が完全に詰まってしまい、心筋に血液が供給されなくなることで心筋が壊死してしまう病気です。狭心症よりもさらに重篤な状態であり、命に関わる危険性があります。

心筋梗塞の症状は、狭心症と似ていますが、より強烈で持続時間が長いのが特徴です。胸を圧迫されるような激しい痛みが30分以上続き、冷や汗が出たり、吐き気を伴ったり、呼吸困難を感じたりすることがあります。ニトログリセリンを舌の下に投与しても痛みが軽減しない場合が多いです。

心筋梗塞では、胸の痛みだけでなく、左腕や肩、首、あご、背中、みぞおちなど、心臓から離れた部位に痛みが広がることもあります。これを「放散痛」と呼びます。

心筋梗塞は一分一秒を争う病気です。発症後できるだけ早く治療を開始することが、救命と後遺症の軽減に大きく影響します。強い胸痛が続く場合は、躊躇せずに救急車を呼んでください。

糖尿病をお持ちの方は注意が必要です。糖尿病患者さんの中には、心筋梗塞を起こしても痛みをほとんど感じない「無痛性心筋梗塞」を起こす方がいます。軽い息切れや倦怠感程度の症状しかない場合もありますので、糖尿病の方で何か異変を感じた場合は、早めに医療機関を受診するようにしましょう。


大動脈に関係する病気

大動脈は心臓から全身に血液を送る体内で最も太い血管です。この大動脈に問題が起こると、突然の激しい胸痛や背部痛を引き起こすことがあります。

大動脈解離

大動脈解離は、大動脈の壁に亀裂が入り、血管の壁が裂けてしまう病気です。大動脈の壁は内膜、中膜、外膜の3層構造になっていますが、何らかの原因で内膜に裂け目ができると、そこから血液が流れ込んで中膜が剥がれていきます。

大動脈解離の最大の特徴は、何の前触れもなく突然、胸や背中に激痛が走ることです。患者さんは「今まで経験したことがないような激痛」「背中をバットで叩かれたような衝撃」「心臓が爆発するような感じ」などと表現することがあります。この痛みは、解離が進行するにつれて、胸から背中、さらに腹部へと移動していくことがあります。

大動脈解離は非常に危険な病気です。特に心臓に近い上行大動脈で解離が起こった場合(Stanford A型)は、治療をしなければ1時間に1%ずつ死亡率が上昇すると言われています。つまり、48時間以内におよそ半数の患者さんが亡くなる可能性があるのです。

大動脈解離には明確な前兆がないことがほとんどです。発症の予測は極めて困難ですが、高血圧がある方は発症リスクが高いとされています。突然の激しい胸痛や背部痛を感じた場合は、一刻も早く救急車を呼んで医療機関を受診してください。


消化器に関係する病気

胸の痛みや圧迫感は、心臓や肺だけでなく、消化器の病気によっても起こることがあります。食道は胸の真ん中を通っているため、食道に関連する病気では胸の中央に症状が現れやすいです。

逆流性食道炎

逆流性食道炎は、強い酸性の胃液や胃の内容物が食道に逆流することで、食道の粘膜に炎症が起こる病気です。日本人の10人に1人程度がかかっているとも言われており、近年増加傾向にあります。

逆流性食道炎の主な症状は、胸やけや呑酸(酸っぱい液体が口まで上がってくる感覚)ですが、胸が締め付けられるような痛みを感じることもあります。この胸痛は、狭心症の痛みと似ていることがあるため注意が必要です。

食道と心臓は近い位置にあるため、逆流性食道炎の症状と心臓病の症状は混同されやすいです。胸の痛みや不快感がある場合、それが心臓の問題なのか、逆流性食道炎によるものなのかを判断するために、医療機関での適切な診断を受けることが重要です。

逆流性食道炎の症状は、食後に横になったときや、夜間から朝方にかけて悪化しやすい傾向があります。また、脂っこい食事、アルコール、カフェイン、喫煙などが症状を悪化させる要因となります。

治療としては、胃酸の分泌を抑える薬(プロトンポンプ阻害薬など)が主に使用されます。また、食後すぐに横にならない、暴飲暴食を避ける、肥満を解消するなどの生活習慣の改善も重要です。


肺に関係する病気

肺や胸膜の病気でも、胸の痛みや圧迫感が起こることがあります。

肺塞栓症

肺塞栓症は、足の静脈などにできた血液のかたまり(血栓)が肺の動脈に詰まる病気です。長時間座ったままでいたり、同じ姿勢を取り続けたりすると血流が悪くなり、血栓ができやすくなります。いわゆる「エコノミークラス症候群」もこの病気の一種です。

肺塞栓症の症状としては、突然始まる息切れや呼吸困難、胸の痛みが特徴的です。胸の不快感や圧迫感、血痰、下肢のむくみなどの症状が出現することもあります。重症の場合は意識障害やめまい、失神を起こすこともあります。

肺塞栓症は緊急の治療が必要な病気です。このような症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。

胸膜炎

胸膜炎は、肺の表面を覆う胸膜に炎症が生じる病気です。国内で生じる胸膜炎の主な原因は悪性腫瘍や結核が多く、全体の60〜70%を占めています。

胸膜炎にかかると、胸痛のほか、呼吸困難などの症状があらわれることがあります。息を吸ったときに痛みが強くなる傾向があります。

気胸

気胸は、肺の一部が破れて肺が縮んでしまう病気です。突然の胸痛や咳、呼吸困難などの症状が見られます。やせ型の若い男性に多いとされていますが、誰にでも起こりうる病気です。


神経・筋肉に関係する病気

胸の痛みは、心臓や内臓の病気だけでなく、神経や筋肉の問題によっても起こります。

肋間神経痛

肋間神経痛は、肋骨に沿って走る肋間神経が何らかの原因で刺激を受け、痛みを感じる症状です。胸や脇腹、背中にかけて、ズキズキとした痛みやビリビリと電気が走るような痛みを覚えます。

肋間神経痛の原因はさまざまです。明らかな原因がある場合を「続発性肋間神経痛」、原因が明らかでない場合を「特発性肋間神経痛」といいます。続発性の原因としては、帯状疱疹、肋骨骨折、胸椎椎間板ヘルニア、変形性脊椎症などがあります。

特発性肋間神経痛は、長時間のデスクワークによる姿勢の悪化、ストレス、過労などが関係していることが多いです。デスクワークで背中を丸めた姿勢を長時間続けていると、肩や背中に筋肉のこりが生じ、肋間神経を圧迫して痛みが出現することがあります。

肋間神経痛の特徴として、痛みは体の右側か左側のどちらかに起こり、両側同時に痛むことはまれです。咳やくしゃみ、深呼吸、体をひねる動作などで痛みが強くなる傾向があります。

肋間神経痛は心筋梗塞や狭心症といった心臓の病気と症状が重なることがあるため、胸痛がある場合はまず医療機関を受診して、心臓の問題がないことを確認することが大切です。

筋骨格系の痛み

胸の筋肉や肋骨、胸骨などの筋骨格系に問題があっても、胸の痛みを感じることがあります。姿勢の悪さ、長時間のデスクワーク、運動不足、外傷などが原因となります。

筋骨格系の痛みの特徴として、動かすと痛い、姿勢を変えると痛い、押すと痛いなどの特徴があります。特定の場所を指で示せる痛みは、心臓ではなく、肋骨や胸骨、筋肉が原因であることが多いです。


ストレスや心因性の原因

検査をしても身体的な異常が見つからないにもかかわらず、胸の痛みや圧迫感を感じることがあります。これらはストレスや心因性の原因によるものかもしれません。

パニック障害

パニック障害は、突然の激しい動悸や発汗、息苦しさ、胸部の不快感、めまいなどの身体症状とともに、強い不安感や恐怖感に襲われる病気です。この発作は「パニック発作」と呼ばれ、通常10分から1時間程度でおさまります。

パニック発作では、胸が締め付けられるように息苦しくなったり、心臓がドキドキしたり、胸の痛みを感じたりすることがあります。「このまま死んでしまうのではないか」という強い恐怖感を伴うこともあります。

パニック障害は、100人に1〜3人程度の割合で起こる、決して珍しくない病気です。脳内の神経伝達物質(セロトニンやノルアドレナリンなど)のバランスの乱れが関係していると考えられています。

パニック障害の症状は心臓病の症状と似ているため、最初は心臓の病気を疑って内科を受診される方も多いです。検査をしても心臓に異常が見つからなかった場合は、パニック障害の可能性を考えて、心療内科や精神科を受診することをおすすめします。

心臓神経症

心臓神経症は、検査で心臓に器質的な異常が認められないにもかかわらず、胸痛、動悸、息切れなどの症状が見られる状態です。緊張やストレスにさらされたときに症状が出やすくなります。

ストレスを感じると、自律神経のバランスが乱れます。自律神経は心臓の拍動や呼吸、血管の収縮・拡張などをコントロールしているため、このバランスが乱れると、心臓がドキドキしたり、呼吸が浅くなったり、胸部の筋肉が過度に緊張したりして、圧迫感や痛みとして感じられることがあります。


痛みの特徴から考えられる病気

胸の痛みの感じ方や特徴によって、ある程度原因を推測することができます。ただし、これはあくまで参考であり、自己判断は危険です。気になる症状がある場合は、必ず医療機関を受診してください。

締め付けられるような痛み・圧迫感

胸が締め付けられるような感覚や圧迫感は、心臓が原因の場合によく見られます。狭心症や心筋梗塞では、このような痛みが特徴的です。痛みが胸部から肩や腕、首、あごなどに広がる「放散痛」を伴うこともあります。

チクチク・ズキズキとした痛み

チクチクとした痛みや、たまに出現するような痛みは、心臓の問題ではないことが多いです。肋間神経痛や筋骨格系の痛み、あるいはストレスによる心因性の痛みである可能性があります。

突然の激痛

何の前触れもなく突然始まる激しい痛みは、大動脈解離の可能性を考える必要があります。「引き裂かれるような痛み」「バットで殴られたような痛み」と表現されることが多く、痛みが胸から背中、腹部へと移動することがあります。このような症状がある場合は、すぐに救急車を呼んでください。

焼けるような痛み・胸やけ

胸が焼けるような感覚やしみるような痛みは、逆流性食道炎による可能性があります。食後や横になったときに症状が悪化しやすく、酸っぱいものが上がってくる感覚(呑酸)を伴うこともあります。

指で示せる痛み

痛みが特定の場所にあり、「ここ」と指で示せる場合は、心臓ではなく、肋骨や胸骨、筋肉が原因であることが多いです。その部分を押すと痛みが強まる場合は、肋骨骨折や肋間神経痛、肋軟骨炎などの可能性が考えられます。


すぐに救急車を呼ぶべき症状

以下のような症状がある場合は、命に関わる病気の可能性があります。躊躇せずに救急車を呼んでください。

救急車を呼ぶべき緊急症状

今まで経験したことがないような激しい胸の痛みがある場合は、心筋梗塞や大動脈解離の可能性があります。強い痛みが30分以上続く場合も同様です。

痛みとともに冷や汗が出ている、顔色が悪い、吐き気や嘔吐がある場合は、心筋梗塞が疑われます。

呼吸が苦しい、息ができない感じがする場合は、肺塞栓症や心不全などの可能性があります。

意識がもうろうとしている、失神した場合は、心臓や大動脈の重大な病気の可能性があります。

胸痛とともに片方の手足が動かなくなった、ろれつが回らないなどの症状がある場合は、大動脈解離が脳に影響している可能性があります。

判断に迷ったら

救急車を呼ぶべきか判断に迷う場合は、救急安心センター(#7119)に電話をして相談することができます。救急車を要請すべきかどうか、応急処置の方法などについてアドバイスを受けることができます。


胸が痛いときは何科を受診すべきか

胸の痛みや圧迫感がある場合、どの診療科を受診すべきか迷うことがあるかもしれません。

まずは循環器内科へ

胸の痛みの原因は多岐にわたりますが、まずは循環器内科を受診することをおすすめします。循環器内科では、問診や身体診察、心電図検査、血液検査などを行い、緊急性のある心筋梗塞や狭心症かどうかを判断することができます。

心臓に問題がないことが確認された場合は、症状に応じて消化器内科、呼吸器内科、整形外科、心療内科などへの受診を検討します。

症状別の受診科の目安

胸やけや呑酸、食後の不快感などがある場合は、消化器内科への受診が適しています。

咳や痰、呼吸時の痛みなどがある場合は、呼吸器内科への受診を検討してください。

体を動かすと痛む、特定の場所を押すと痛いなどの場合は、整形外科が適している可能性があります。

検査で異常が見つからないにもかかわらず症状が続く場合は、ストレスが原因の可能性もありますので、心療内科への受診を検討してください。

受診時に伝えるべきこと

医療機関を受診する際は、以下のような情報を医師に伝えると、診断に役立ちます。

いつから症状があるか、どのような痛みか(締め付けられる、チクチク、焼けるなど)、痛みの強さはどの程度か、痛みが続く時間はどのくらいか、どのような状況で痛みが起こるか(運動時、安静時、食後など)、痛みを和らげるものや悪化させるものは何か、他に症状があるか(冷や汗、吐き気、息苦しさなど)、既往歴や現在治療中の病気、家族に心臓病の人がいるかどうか、などを整理しておくとスムーズです。

可能であれば、症状についてメモを取っておき、受診時に医師に伝えるようにしましょう。


胸痛の予防と日常生活での注意点

胸の痛みや圧迫感を予防するためには、日常生活での心がけが重要です。

生活習慣病の管理

狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患は、動脈硬化が主な原因です。動脈硬化を予防・改善するためには、高血圧、糖尿病、脂質異常症(高コレステロール血症)などの生活習慣病をしっかり管理することが大切です。

定期的に健康診断を受け、血圧や血糖値、コレステロール値などをチェックしましょう。異常が指摘された場合は、医師の指導のもとで治療を続けることが重要です。

食生活の改善

バランスの取れた食事を心がけましょう。塩分や脂肪分、糖分の摂りすぎを避け、野菜や果物を多く摂るようにしましょう。暴飲暴食を避け、腹八分目を心がけることも大切です。

逆流性食道炎の予防には、食後すぐに横にならない、脂っこいものや刺激の強いものを避ける、就寝前3時間は食事を控えるなどの工夫が有効です。

適度な運動

適度な運動は血液の循環を促進し、心臓の負担を軽減します。ウォーキングなどの有酸素運動を習慣にすることで、動脈硬化の予防にもなります。ただし、すでに心臓に問題がある方は、医師に相談してから運動を始めるようにしてください。

禁煙

喫煙は動脈硬化を促進させ、心筋梗塞や狭心症、大動脈解離などのリスクを大きく高めます。禁煙は、これらの病気を予防するために最も効果的な方法の一つです。

ストレス管理

ストレスは自律神経のバランスを乱し、胸の痛みや圧迫感の原因となることがあります。十分な睡眠を取る、適度な運動をする、趣味の時間を作るなど、自分に合ったストレス解消法を見つけることが大切です。

長時間の同一姿勢を避ける

長時間座ったままでいると、肺塞栓症のリスクが高まります。デスクワークや長時間の移動の際は、こまめに立ち上がって体を動かすようにしましょう。水分を十分に摂ることも大切です。

また、長時間のパソコン作業などで姿勢が悪くなると、肋間神経痛の原因にもなります。正しい姿勢を意識し、定期的にストレッチを行うようにしましょう。


まとめ

胸の真ん中に痛みや圧迫感を感じる原因は、心臓や大動脈の病気、消化器の病気、肺の病気、神経・筋肉の問題、ストレスなど多岐にわたります。

心筋梗塞や大動脈解離のように一刻を争う病気が原因の場合もありますので、以下のような症状がある場合は、躊躇せずに救急車を呼んでください。今まで経験したことがないような激しい痛み、30分以上続く強い痛み、冷や汗や吐き気を伴う痛み、呼吸困難を伴う痛み、意識がもうろうとしている場合などです。

一方で、胸の痛みの原因が必ずしも重大な病気とは限りません。しかし、自己判断は危険ですので、気になる症状がある場合は早めに医療機関を受診することが大切です。まずは循環器内科を受診し、心臓に問題がないかを確認することをおすすめします。

日常生活では、生活習慣病の管理、バランスの取れた食事、適度な運動、禁煙、ストレス管理などを心がけることで、胸の痛みを引き起こす病気の予防につながります。

胸の痛みや圧迫感は、体からの大切なサインかもしれません。症状を放置せず、適切な医療を受けることで、早期発見・早期治療につなげましょう。


参考文献

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
電話予約
0120-335-661
1分で入力完了
簡単Web予約