はじめに
鏡を見るたびに気になる鼻の毛穴。特に鼻の頭や小鼻の黒いポツポツが目立ち、まるでいちごの表面のように見える状態を「いちご鼻」と呼びます。メイクでも隠しきれないこの悩みは、年齢や性別を問わず多くの方が抱えている肌トラブルの一つです。
いちご鼻は見た目の問題だけでなく、毛穴が詰まることで肌トラブルを引き起こす可能性もあります。しかし、適切なケアと治療によって改善することができる症状でもあります。
この記事では、いちご鼻ができる原因から、自宅でできるセルフケア、皮膚科での専門的な治療法まで、包括的に解説していきます。正しい知識を身につけて、健やかで美しい肌を取り戻しましょう。
いちご鼻とは
いちご鼻の定義
いちご鼻とは、鼻の毛穴が目立ち、黒ずんだり開いたりしている状態を指す俗称です。鼻の表面がいちごの種のようにブツブツと見えることから、この名前がつけられました。
医学的には「毛孔性角化症」や「角栓」「開大毛孔」などの用語で説明される状態で、主に以下の3つの要素が関わっています。
- 角栓の詰まり:毛穴に皮脂と古い角質が混ざってできる栓
- 毛穴の開き:皮脂分泌が多い部位で毛穴が拡張した状態
- 色素沈着:毛穴周辺のメラニン色素沈着や酸化した皮脂による黒ずみ
いちご鼻の特徴
いちご鼻には以下のような特徴があります。
見た目の特徴
- 鼻の頭や小鼻に黒いポツポツが目立つ
- 毛穴が開いて見える
- 触るとザラザラした感触がある
- 鼻全体がくすんで見える
好発部位
- 鼻の頭(鼻尖部)
- 小鼻(鼻翼部)
- 鼻の付け根(鼻根部)
これらの部位は顔の中でも特に皮脂腺が発達しており、皮脂分泌が活発なため、いちご鼻になりやすい傾向があります。
いちご鼻になりやすい人の特徴
以下のような方は、いちご鼻になりやすいと言われています。
- オイリー肌(脂性肌)の方:皮脂分泌が多く、毛穴が詰まりやすい
- 思春期から20代の方:ホルモンの影響で皮脂分泌が活発
- 男性:男性ホルモンの影響で皮脂分泌が多い傾向
- メイクをよくする方:メイク汚れが毛穴に残りやすい
- 不規則な生活を送っている方:睡眠不足やストレスで肌のターンオーバーが乱れる
いちご鼻の原因
いちご鼻は単一の原因ではなく、複数の要因が絡み合って生じます。主な原因を詳しく見ていきましょう。
1. 過剰な皮脂分泌
鼻は顔の中でも特に皮脂腺が多く、皮脂分泌が活発な部位です。皮脂は本来、肌を保護する重要な役割を果たしていますが、過剰に分泌されると毛穴に詰まりやすくなります。
皮脂分泌が増える原因
- ホルモンバランスの乱れ(思春期、生理前など)
- 遺伝的要因
- 気温や湿度の高さ
- ストレス
- 食生活の乱れ(脂っこい食事の過剰摂取)
- 睡眠不足
2. 角質の蓄積
健康な肌では、古い角質は自然に剥がれ落ちていきます(ターンオーバー)。しかし、このサイクルが乱れると、古い角質が肌表面に蓄積し、皮脂と混ざり合って毛穴を塞いでしまいます。
ターンオーバーが乱れる原因
- 加齢
- 紫外線ダメージ
- 乾燥
- 不適切なスキンケア
- 栄養不足
- ストレスや睡眠不足
3. 角栓の形成と酸化
皮脂と角質が混ざり合って毛穴に詰まったものを「角栓」と呼びます。角栓は最初は白っぽい色をしていますが、時間が経つと空気に触れて酸化し、黒く変色します。この黒ずんだ角栓が、いちご鼻の黒いポツポツの正体です。
角栓の組成は、約70%がタンパク質(角質)で、残りの約30%が皮脂です。そのため、油分だけを取り除くケアでは不十分で、角質ケアも必要になります。
4. メラニン色素沈着
毛穴の黒ずみは、角栓の酸化だけでなく、毛穴周辺の色素沈着も原因の一つです。
色素沈着が起こる原因
- 紫外線による刺激
- 毛穴パックなどの物理的刺激
- 炎症後の色素沈着
- 摩擦による刺激(過度な洗顔やタオルでのゴシゴシ拭き)
5. 不適切なスキンケア
良かれと思って行っているスキンケアが、実はいちご鼻を悪化させている可能性があります。
NGなスキンケア例
- 洗顔のしすぎ:1日に何度も洗顔すると、必要な皮脂まで奪われ、かえって皮脂分泌が増える
- ゴシゴシ洗い:摩擦で肌が傷つき、バリア機能が低下する
- 毛穴パックの頻繁な使用:角栓は取れても毛穴が広がり、さらに詰まりやすくなる
- 保湿不足:乾燥すると肌を守ろうと皮脂分泌が増える
- クレンジング・洗顔不足:メイクや汚れが残り、毛穴詰まりの原因に
6. 生活習慣の影響
日々の生活習慣も、いちご鼻に大きく関わっています。
いちご鼻を悪化させる生活習慣
- 偏った食生活:糖質や脂質の過剰摂取
- 睡眠不足:肌のターンオーバーが乱れる
- 喫煙:血行不良により肌の代謝が低下
- 過度な飲酒:ビタミンB群が消費され、皮脂分泌が増える
- ストレス:ホルモンバランスが乱れ、皮脂分泌が増える
いちご鼻のセルフケア
いちご鼻の改善には、毎日のスキンケアが重要です。正しい方法でケアを続けることで、徐々に改善が期待できます。
正しい洗顔方法
洗顔はスキンケアの基本ですが、やり方を間違えると逆効果になることもあります。
洗顔の正しい手順
- ぬるま湯で予洗い:32〜34℃程度のぬるま湯で顔を濡らす
- 洗顔料をしっかり泡立てる:泡立てネットを使い、きめ細かい泡を作る
- 優しく洗う:泡を肌の上で転がすように、摩擦を避けて洗う
- 丁寧にすすぐ:ぬるま湯で最低20回以上すすぐ
- タオルで優しく押さえる:ゴシゴシ拭かず、タオルを顔に当てて水分を吸い取る
洗顔の回数
- 基本は朝晩の2回
- 皮脂が多い方でも、洗いすぎは禁物
- 朝は洗顔料を使わず、ぬるま湯洗顔だけでも良い場合がある
クレンジングの選び方と使い方
メイクをする方は、クレンジングが非常に重要です。
クレンジングの種類と特徴
- オイルタイプ:メイク落ちは良いが、皮脂を取りすぎる可能性
- ミルクタイプ:肌に優しいが、濃いメイクは落ちにくい
- ジェルタイプ:バランスが良く、多くの肌質に合いやすい
- バームタイプ:適度な洗浄力で、マッサージ効果も
クレンジングのポイント
- 適量を使用する(ケチらない)
- 優しくなじませる(ゴシゴシしない)
- すすぎ残しがないよう、丁寧にすすぐ
- ダブル洗顔が必要かどうか、商品の指示に従う
保湿ケアの重要性
「オイリー肌だから保湿は不要」と思っている方もいますが、これは大きな間違いです。乾燥は皮脂の過剰分泌を招き、いちご鼻を悪化させます。
効果的な保湿ケア
- 化粧水:洗顔後すぐに、肌が湿っているうちにつける
- 美容液:必要に応じて、毛穴ケア成分配合のものを使用
- 乳液・クリーム:水分の蒸発を防ぐため、適量を使用
保湿成分の例
- ヒアルロン酸:高い保水力
- セラミド:バリア機能を高める
- グリセリン:保湿効果が高く、多くの化粧品に配合
- コラーゲン:肌のハリを保つ
毛穴ケアに効果的な成分
いちご鼻のケアには、以下の成分が配合された化粧品が効果的です。
1. レチノール(ビタミンA誘導体)
- ターンオーバーを促進
- 毛穴の詰まりを予防
- コラーゲン生成をサポート
2. サリチル酸(BHA)
- 角質を柔らかくする
- 毛穴の奥まで浸透しやすい
- 抗菌作用がある
3. グリコール酸(AHA)
- 古い角質を取り除く
- 肌のターンオーバーを整える
- 低濃度なら自宅でも使用可能
4. ナイアシンアミド(ビタミンB3)
- 皮脂分泌を抑制
- 毛穴の引き締め効果
- 炎症を抑える
5. ビタミンC誘導体
- 抗酸化作用
- メラニン生成を抑制
- 毛穴の引き締め効果
ホームケアの注意点
やってはいけないこと
- 角栓を無理に押し出す
- 毛穴が広がる
- 炎症を起こす可能性
- 色素沈着のリスク
- 毛穴パックの頻繁な使用
- 月1〜2回程度に留める
- 使用後は必ず保湿する
- 肌が敏感な時は避ける
- スクラブ洗顔の乱用
- 週1〜2回程度が目安
- 強くこすらない
- 炎症がある時は使用しない
- 熱いお湯での洗顔
- 必要な皮脂まで奪われる
- 毛穴が開きっぱなしになる
皮膚科での治療法
セルフケアで改善が見られない場合や、より早く効果を実感したい場合は、皮膚科での専門的な治療を検討しましょう。
ケミカルピーリング
ケミカルピーリングは、酸性の薬剤を肌に塗布し、古い角質を化学的に除去する治療法です。
効果
- 角質の除去
- 毛穴詰まりの改善
- ターンオーバーの正常化
- 肌のトーンアップ
使用される薬剤
- グリコール酸
- サリチル酸
- 乳酸
- トリクロロ酢酸(TCA)
治療の流れ
- カウンセリング・診察
- 洗顔・メイク落とし
- ピーリング剤の塗布(5〜10分程度)
- 中和・洗浄
- 保湿・鎮静ケア
頻度と回数
- 2〜4週間に1回
- 5〜10回程度の継続が推奨される
レーザー治療
レーザー治療は、特定の波長の光を肌に照射することで、毛穴の引き締めや皮脂腺の働きを調整する治療法です。
代表的なレーザー治療
1. フラクショナルレーザー
- 皮膚に微細な穴を開け、肌の再生を促す
- 毛穴の引き締め効果が高い
- ダウンタイムは3〜7日程度
2. カーボンピーリング(レーザーピーリング)
- カーボンローションを塗布後、レーザーを照射
- 毛穴の汚れや角栓を除去
- ダウンタイムがほとんどない
3. ロングパルスヤグレーザー
- 皮脂腺に作用し、皮脂分泌を抑制
- 毛穴の引き締め効果
- 比較的痛みが少ない
ダーマペン
ダーマペンは、極細の針で皮膚に微細な穴を開け、肌の自己再生能力を高める治療法です。
効果
- コラーゲン生成の促進
- 毛穴の引き締め
- 肌質改善
治療の特徴
- 針の深さを調整できる
- 薬剤導入と組み合わせることが可能
- ダウンタイムは3〜5日程度
イオン導入
イオン導入は、微弱な電流を使って美容成分を肌の深部まで浸透させる治療法です。
導入される成分
- ビタミンC:抗酸化、美白効果
- グリシルグリシン:皮脂分泌抑制
- トラネキサム酸:炎症抑制、美白効果
特徴
- 痛みがほとんどない
- ダウンタイムなし
- 他の治療と組み合わせやすい
ハイドロフェイシャル
ハイドロフェイシャルは、水流の力で毛穴の汚れを吸引しながら、同時に美容成分を導入する治療法です。
効果
- 毛穴の汚れ・角栓の除去
- 古い角質の除去
- 保湿成分の導入
- 即効性が高い
特徴
- 痛みがない
- ダウンタイムなし
- 施術直後からメイク可能
- 月1回程度の頻度が推奨
処方薬による治療
皮膚科では、外用薬の処方も行われます。
代表的な処方薬
1. トレチノイン
- ビタミンA誘導体
- ターンオーバー促進
- 角栓の排出を促す
2. ディフェリンゲル(アダパレン)
- レチノイド様作用
- 毛穴詰まりを改善
- ニキビ治療薬としても使用
3. ハイドロキノン
- 美白成分
- メラニン色素沈着の改善
- トレチノインとの併用が効果的
注意点
- 医師の指示に従って使用する
- 紫外線対策を徹底する
- 初期の皮むけや赤みは正常な反応
- 妊娠中・授乳中は使用できない薬剤もある
治療の選び方
治療法の選択は、以下の要素を考慮して決定します。
- 症状の程度
- 肌質
- 予算
- ダウンタイムの許容度
- 治療へのモチベーション
まずは皮膚科専門医に相談し、自分に合った治療法を見つけることが大切です。
いちご鼻を予防する生活習慣
いちご鼻の改善・予防には、日々の生活習慣も重要な役割を果たします。
食生活の改善
肌は体の内側から作られます。バランスの良い食事を心がけましょう。
積極的に摂りたい栄養素
1. ビタミンB群
- 皮脂分泌をコントロール
- 豚肉、レバー、卵、納豆、玄米など
2. ビタミンC
- 抗酸化作用
- コラーゲン生成をサポート
- 柑橘類、キウイ、ブロッコリー、パプリカなど
3. ビタミンA
- 肌のターンオーバーを整える
- レバー、うなぎ、緑黄色野菜など
4. ビタミンE
- 抗酸化作用
- 血行促進
- ナッツ類、アボカド、植物油など
5. 亜鉛
- 皮膚の健康を保つ
- 牡蠣、牛肉、納豆、アーモンドなど
6. 食物繊維
- 腸内環境を整える
- 野菜、海藻、きのこ類など
控えたい食品
- 揚げ物や脂っこい食事
- 糖質の過剰摂取(砂糖、お菓子、ジュースなど)
- 刺激物(辛いもの、アルコールなど)
- インスタント食品やファストフード
睡眠の質を高める
睡眠中に成長ホルモンが分泌され、肌のターンオーバーが活発になります。
良質な睡眠のポイント
- 7〜8時間の睡眠を確保
- 就寝前のスマホ・PC使用を控える
- 寝室の環境を整える(適度な暗さ、温度、湿度)
- 決まった時間に就寝・起床する
- 就寝3時間前までに夕食を済ませる
特に22時〜2時は「肌のゴールデンタイム」と呼ばれ、成長ホルモンの分泌が盛んになると言われています。できるだけこの時間帯に睡眠をとるよう心がけましょう。
ストレス管理
ストレスはホルモンバランスを乱し、皮脂分泌を増やす原因になります。
ストレス解消法
- 適度な運動(ウォーキング、ヨガ、ストレッチなど)
- 趣味の時間を持つ
- 深呼吸や瞑想
- 入浴でリラックス
- 十分な休息をとる
紫外線対策
紫外線は毛穴周辺の色素沈着を引き起こし、いちご鼻を目立たせます。
紫外線対策の基本
- 日焼け止めを毎日使用(SPF30以上、PA+++以上が目安)
- 2〜3時間おきに塗り直す
- 帽子や日傘を活用
- UVカット効果のある化粧下地を使用
- 曇りの日や室内でも油断しない
適度な運動
運動は血行を促進し、新陳代謝を高めます。
おすすめの運動
- ウォーキング:1日30分程度
- ジョギング:無理のない範囲で
- ヨガ:血行促進とストレス解消
- ストレッチ:毎日続けやすい
運動後は汗をかくので、できるだけ早くシャワーを浴びて清潔を保ちましょう。
喫煙・飲酒の影響
喫煙の悪影響
- 血行不良により肌の代謝が低下
- ビタミンCが破壊される
- 活性酸素が増える
過度な飲酒の悪影響
- ビタミンB群が消費される
- 脱水により肌が乾燥する
- 皮脂分泌が増える
可能であれば禁煙し、飲酒は適量に留めることが望ましいです。

よくある質問(Q&A)
A. いちご鼻は適切なケアと治療によって改善することができます。ただし、「完全に毛穴が消える」ということはありません。毛穴は皮膚に必要な構造だからです。しかし、目立たなくすることは十分に可能です。
継続的なケアと、必要に応じて皮膚科での治療を組み合わせることで、多くの方が満足できる結果を得ています。
Q2. 毛穴パックは使っても良いですか?
A. 毛穴パックは一時的に角栓を取り除くことができますが、頻繁な使用はおすすめできません。
使用する場合は以下の点に注意しましょう。
- 月1〜2回程度に留める
- 使用前に毛穴を開かせる(蒸しタオルなど)
- 使用後は必ず保湿する
- 肌が敏感な時や炎症がある時は避ける
角栓を無理に剥がすと、毛穴が広がったり、炎症を起こしたりする可能性があります。
Q3. オイルクレンジングは毛穴に悪いですか?
A. オイルクレンジング自体が悪いわけではありません。正しく使えば、メイクや皮脂汚れをしっかり落とすことができます。
ただし、以下の点に注意が必要です。
- 長時間マッサージしすぎない(30秒〜1分程度)
- すすぎ残しがないよう丁寧に洗い流す
- 洗浄力が強すぎるものは避ける
- 肌質に合ったものを選ぶ
オイリー肌の方は、ジェルタイプやミルクタイプのクレンジングの方が合う場合もあります。
Q4. 毛穴は冷やすと引き締まりますか?
A. 冷やすことで一時的に毛穴が引き締まって見えることはありますが、根本的な解決にはなりません。
効果的な毛穴の引き締めには以下の方法があります。
- 保湿をしっかり行う
- ビタミンC誘導体配合の化粧品を使う
- レチノール製品を使用する
- 皮膚科でのレーザー治療やケミカルピーリング
Q5. 酵素洗顔は毎日使っても良いですか?
A. 酵素洗顔は角質や皮脂を分解する効果がありますが、毎日使うと肌に負担がかかる可能性があります。
使用頻度の目安は以下の通りです。
- 通常肌:週2〜3回
- オイリー肌:週3〜4回
- 敏感肌:週1〜2回、または使用を控える
肌の状態を見ながら、調整しましょう。
Q6. 男性のいちご鼻ケアで注意点はありますか?
A. 男性は皮脂分泌が多い傾向にあるため、いちご鼻になりやすいですが、基本的なケア方法は女性と同じです。
男性特有の注意点としては以下があります。
- 髭剃り後のケアをしっかり行う
- 洗顔をゴシゴシしすぎない
- 保湿を怠らない(ベタつくのを嫌って保湿しない方が多い)
- アフターシェーブローションだけでなく、保湿剤も使用する
Q7. いちご鼻はニキビとは違うのですか?
A. いちご鼻とニキビは別の状態ですが、関連性があります。
- いちご鼻:毛穴の詰まりや黒ずみが主な問題
- ニキビ:毛穴の詰まりに加えて、炎症や細菌感染が起きている状態
いちご鼻を放置すると、炎症を起こしてニキビに発展する可能性があります。また、ニキビ跡が色素沈着を起こし、いちご鼻のように見えることもあります。
Q8. 化粧でいちご鼻は隠せますか?
A. メイクで一時的に目立たなくすることは可能ですが、厚塗りは逆効果になることがあります。
いちご鼻を目立たなくするメイクのコツ
- 化粧下地で毛穴をカバー(シリコン系のポアプライマー)
- ファンデーションは薄く重ねる
- パウダーで仕上げてマットな質感に
- 帰宅後は早めにメイクを落とす
- メイク前の保湿をしっかり行う
根本的な改善には、適切なスキンケアと治療が必要です。
Q9. 年齢とともにいちご鼻は悪化しますか?
A. 年齢による影響は個人差がありますが、以下のような変化が見られることがあります。
若年期(思春期〜20代)
- ホルモンの影響で皮脂分泌が活発
- 角栓ができやすい
中年期以降(30代〜)
- 肌のハリが低下し、毛穴がたるんで目立つ(たるみ毛穴)
- ターンオーバーの遅れで角質が蓄積しやすい
- 色素沈着が残りやすい
年齢に応じたケアを行うことで、改善は可能です。
Q10. 皮膚科に行くタイミングは?
A. 以下のような場合は、皮膚科の受診を検討しましょう。
- セルフケアを3ヶ月以上続けても改善が見られない
- 炎症を起こしている
- 痛みやかゆみがある
- 急速に悪化している
- より早く効果を実感したい
- 自分に合ったケア方法を専門家に相談したい
早めに専門医に相談することで、適切な治療を受けることができます。
まとめ
いちご鼻は多くの方が悩む肌トラブルですが、正しい知識とケアによって改善することができます。
重要なポイント
- 原因を理解する:過剰な皮脂、角質の蓄積、角栓の酸化、色素沈着など
- 正しいスキンケアを実践:優しい洗顔、適切な保湿、毛穴ケア成分の活用
- 生活習慣を整える:バランスの良い食事、十分な睡眠、ストレス管理、紫外線対策
- NGケアを避ける:強い摩擦、洗いすぎ、角栓の無理な押し出し
- 必要に応じて専門治療を検討:ケミカルピーリング、レーザー治療、ダーマペンなど
いちご鼻の改善には時間がかかります。焦らず、継続的にケアを続けることが大切です。セルフケアで改善が見られない場合や、より効果的な治療を希望する場合は、専門医に相談することをおすすめします。
アイシークリニック渋谷院では、一人ひとりの肌質や症状に合わせた治療プランをご提案しています。いちご鼻でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
参考文献
本記事の作成にあたり、以下の信頼できる情報源を参考にしています。
- 日本皮膚科学会
https://www.dermatol.or.jp/ - 日本美容皮膚科学会
https://www.aesthet-derm.org/ - 日本化粧品技術者会
https://www.sccj-ifscc.com/ - 厚生労働省 e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/ - 日本香粧品学会
https://www.jcss.jp/
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務